2021年2月15日月曜日

隠蔽捜査3 疑心 今野敏著 株式会社新潮社 2009年3月刊行 感想

 

警察ものは、書き手が多い。

 筆者の好きな佐々木譲さんも得意とされている。

 表題は、竜崎というキャリア組の署長が活躍する小説で、アマゾンのレビューをみると、半数が5/5だったから、そう評判が悪いわけでもなさそうだ。

 少し、アマゾンのレビューを転記させてもらおう。筆者の感想も末尾でちょいと。

 --ここから--

5つ星のうち5.0

隠蔽捜査1から読みだして、とても楽しく読み進めています。主人公は変わり者かもしれないけれど、自分が正しいと思った事は部下にもやらせてくれ、責任まで取ると言ってくれたりと、私の社会人生活においては、(残念ながら)今まで出会ったことのないタイプです。こんな上司を持ってみたいと思いながら読んでいます。


5つ星のうち5.0

竜崎が恋心に翻弄され自分を見失い苦しみながらも「婆子焼庵」という公案がきっかけで自分を取り戻して難問に挑み見事に解決!最後の土壇場になるまでいつもの切れ味がなくてはらはらさせられましたが最後はきっちり決めてくれました。読み終えれば気分爽快。今回も面白かった。


5つ星のうち3.0

アメリカ大統領の訪日が決定。大森署署長・竜崎伸也警視長は、羽田空港を含む第二方面警備本部本部長に抜擢された。やがて日本人がテロを企図しているという情報が入り、その双肩にさらなる重責がのしかかる。米シークレットサービスとの摩擦。そして、臨時に補佐を務める美しい女性キャリア・畠山美奈子へ抱いてしまった狂おしい恋心。竜崎は、この難局をいかにして乗り切るのか?


5つ星のうち4.0

チョット回りくどい文面がちょくちょく出て来るんだけどやめられません!主人公の竜崎は大人のようで、融通のきかない子供のようで、、、設定は完璧な人物像だけど、そうじゃないところが面白い!


5つ星のうち4.0

コンパクトなサイズのなかに作者は実に見事に物語を展開させる。竜崎の動揺ぶりは新鮮で読者も彼と一緒にハラハラすることだろう。


5つ星のうち4.0

隠蔽捜査シリーズ2は所轄の所長と本庁刑事部長の動き方にやはり、違和感を持ちながら読んでいましたが、今作品はその違和感が全くなく読むことができました。そして、面白いポイントが固まってきた感じがします。いきなりこれから読むよりも、やはり、シリーズとして読んで見ることをお薦めします。


5つ星のうち2.0

色恋によるグダグダっぷりと警備部長のありえない口調がすべてをぶち壊しています終盤にようやくスピーディな展開となりますが、ご都合主義的な事件解決となり、完全なる失敗作との感想です


5つ星のうち5.0

今回も冒頭では主人公竜崎の変人ぷりがいかんなく発揮され、読んでて楽しくなります。中盤に入るころには竜崎が思わぬ問題に苦しみ、いつもと違う竜崎に読者もやきもきされる展開になりますが、読後感はさわやかというか充実という感想が一番あてはまりました。ある意味シリーズ全体をとおしてひとつの転機となった内容です。そして大きな問題を片付けた竜崎に対しての部下からの感想が胸をうちます。男の仕事とはかくあるべき、といった感じです。


5つ星のうち4.0

伊丹刑事部長のキャラクターがよく分かる一作です。わざわざ読まなくても大丈夫だが、読んだ方が本編の内容が面白くなります。

 --ここまで--

 婆子焼庵 という禅の公案がもやもやする悩みを解決する方向を示す—というストーリィなのだが、この公案のもつ「問題提案力」が凄いなぁと感じる。<単純な善悪を指し示しているのではない>

 日本という国の蓄積も大きいのだが、中国も巨大な蓄積をもっているのだなぁと改めて感じた。