2013年10月17日木曜日

再生可能エネルギーで失敗するヨーロッパ。

▲どうも、頭デッカチだぁ、と思う。
 頭がいいのが自慢なのだろうが、現場をしらない—というか。
 ドロのついた手をしていないのだろうな。このヨーロッパのエリートって。
 特にドイツのメルケルさんなんか。

 どうして、こんな風に考えるのだろうか。
 ヨーロッパの階級社会って、エリートというか上のクラスの人の人数が少ないのだろうなぁ。
 いくら頭がよくても、人口比として少なければ、独立国として「知恵の絶対量」が足らないということなのだろう。

 対極にいるのが、日本という国だ。
 どんな国、どんな民族でも数%のとびぬけたエリートというものがいる。
 まぁ、大抵の国では、そのエリート以外はただの人だ。

 そこが日本という国は違う。
 エリート以外の「その他大勢」と言われる層のレベルが他の国・民族より際立って高いのだ。

 だから、頭デッカチの指導者がいても、その足らざるを「その他おおぜい」という人が補うのだ。

 そんなことで。
 日本は、ヨーロッパのエネルギー政策の轍を踏むことはあるまい。


 以下、新聞から抜粋。


 再生可能エネルギーの夢の前に、欧州ではどんな様子になっているのか。
 二酸化炭素の排出を伴うエネルギー源を風力や太陽光などと置き換えると いう夢の実現に、欧州大陸は米国より近づいている。
 そして、その夢は悪夢の様相を呈している。

 欧州の電力会社10社の最高経営責任者は、ついに白旗を掲げ、風力・太陽光発電 への助成金の中止を訴えた。
 彼らは助成金がほしいのだ。彼らは本質的に、収入がほしいのだ。
 すべての根っこにあるのは、欧州大陸のいわゆる再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)だ。

 これは 1990年にドイツで始まった。
 固定価格買い取り制度は太陽光や風力による発電設備で作られた電気を一定価格で 買い取ることを電力会社に義務づける制度で、買い取り価格は市場価格を上回る。
 また優先され風力や太陽光で発電された電気は真っ先に買い取らなければならない。

 電力会社にこうした電気を買い取らせることによって、ドイツは総容量に 対する再生可能エネルギーの比率を25%まで引き上げた。
 ドイツはこの割合を2020年までに35%、50年までには 80%にしたい意向だ。

 ドイツほど野心的な国は欧州には他にない。
 しかし、欧州連合(EU)が全体で目標と する再生可能エネルギーの割合も、20年までに20%にすることだ。

 これらの風力・太陽光発電への助成金はこの4年間で欧州のエネルギーコストを消費者に対しては17%、電力産業 には21%それぞれ上昇させた。

 しかし、これより脅威なのは、電力企業にもたらしている大混乱だ。
 特に火力発電や原子力発電といった発電所は「ベースロード(基底負荷)」 と呼ばれる電力を供給してきた。
 冷蔵庫や信号機など、現代の経済活動に年中必要な電力のことだ。
 これは消費者がまず使う電気だった。

 欧州が再生可能エネルギーに熱狂するまでは。
 問題は、ある特定の瞬間に再生可能エネルギーがどれだけ生産可能なのか誰にもわからないことだ。

 太陽電池パネル を屋根に搭載したガソリン車を持っていると想像してほしい。
 供給可能なときにはいつでもエンジン出力に追加できるようになっている。
 つまり、高速道路を時速60マイルで走行している際に太陽が顔を出すと、アクセルから足を離さない 限り、突然、車が80マイルで走りだすことになる。

 では、こういったエネルギーで経済全体の運営を試みていると 想像してほしい。
 電力会社は、かつては予測可能だった電力需要が、天候と全く同様に予測不可能な需要に取って代わられたことを 経験してきた。
 天候が悪ければ、照明を維持するために発電量を増やす必要がある。
 しかし、再生可能エネルギーの優先順位が高いため、先を越される可能性に留意しなければならない。

 電力会社は、高い固定費と資本ニーズを 抱えている。
 だが、再生可能エネルギーの特権的な立場のせいで、電力需要は風とともに増えたり減ったりするのだ。
 これらすべてが成長の足かせとなっており、この5年間で欧州の電力会社の時価総額を 55%縮小させた。

 方針の変更を先週発表した電力会社のトップは、国が後見人になっているため、事業を続けることに 満足しているかもしれない。
 風力や太陽光発電が不足したときに、その不足を補うために待機するという立場だ。
 しかし、これでは消費者と納税者は割に合わない。

 FITと再生可能エネルギーの強制的な買い取りを止めれば、 エネルギー価格は下がり、欧州の産業が立ち直る一助にさえなるかもしれない。
 それが国家財政に1セントの負担も かけない成長志向の改革になろう.


▲補足、感想など

 核心はなんだろう。
 それは、人類は原発を停止した場合、その後の安定的なエネルギー源をまだ確立していない—ということだ。

 ヨーロッパというところは、安定的なエネルギー源を見つけぬままに、無闇に飛び出した頭デッカチな国だということだ。
 日本の卒原発だとか、脱原発だとか声高にいう人達に、このヨーロッパの苦境をぜひ見てもらいたいものだ。

 技術に一足飛びということはない。毎日毎日、少しづつ前進するものだ。
 風力とか太陽光とかでは、安定的にエネルギーを発生させることはできないし、また、電力は蓄積することができない。

 地熱発電、潮力発電とか様々なアイデアはある。
 しかし、上でふれた原発に代替するエネルギー源となるかどうか、今のところ分からない。
 もう、20-30年くらい試行錯誤するしかないものだ。

 大切なことを繰り返したい。
 原発に代替するだけのエネルギー源を見つけ、実用化するまでにはもう20-30年が必要だ。
 それまでは、原発に依存する以外にない---そのことを理解していよう。

 その一番大事なことを押さえていないと、ヨーロッパの轍を踏むことになる。
 頭がいいのが自慢のドイツ、メルケルさんの真似はすまいぞ。