▲ジスプロシウムという稀土は、ほぼ中国でしか産出しない。
レアアース中のレアアースと言えるものだ。
それが、不要の磁石を開発したという。
中国が3年前だったか、レアアースの輸出を制限した時があった。
その時、30倍とか40倍にも価格が高騰した金属がこのジスプロシウムだ。
ふ~ん、こんなところまで日本の技術が到達したのだなぁ、と思った。
そういえば、このレアアースの輸出制限を指導したのは、中国の元首相温家宝氏だ。
彼は今年の夏に、オーストラリアへ移住したらしい。<2000億円くらいの蓄財があるとか記事になっていたなぁ>
えっ、レアアースってなんのこと? もう、そんなこと忘れましたよ。
オーストラリアのリゾートの浜辺で、お酒でも飲みながら上記のごとくつぶやいていそうだな。
いや、中国のレアアースを巡る盛衰は、泡沫(うたかた)の夢のごとき話となりそうだ。
以下、新聞から抜粋。
昭和電工は、レアアースの一種であるジスプロシウムを使わない産業用ロボット向け磁石合金を開発した。
磁石合金の価格を約3割安くできる。レアアースの使用量削減で需給緩和につながり、ジスプロシウムを必要とsるハイブリッド車向けの磁石の価格低下を促しそう。
産業用ロボットのモーターに組み込まれている磁石には、重量で3.5%程度のジスプロシウムを含む。
これを特殊な熱処理で結晶構造を変えることで、ジスプロシウムをゼロにした磁石合金を量産できる体制を整えた。
ジスプロシウム不要の磁石合金の採用拡大で、中国が殆どのジスプロシウムの需給が緩和する見通し。
ジスプロシウム価格が低下する結果、現時点では添加率が6~8%で、ジスプロシウムをゼロにできていないhv向けの高性能磁石の価格も下げることができる。
ジスプロシウムの価格は、1キログラム当たり6~7万円。
産業用ロボット向け磁石合金の価格は1万円弱で、ジスプロシウムを使わなければ3割り程度安くなり、価格競争力が高まる。
高性能磁石合金で世界シャア約25%をもっ同社は、耐熱性のより高いジスプロシウム5%添加相当の磁石合金の研究を進めている。
日立金属は同2%添加相当の磁石を販売し、さらに多くのジスプロシウムをゼロにできる技術を研究し、磁石メーカーもレアアース削減を急いでいる。
▲補足、感想など
自動車のhv
向けの磁石合金が最後のハードルになりそうだなぁ。
丁度、一年前に、中国のレアアースを扱った記事を転記しよう。この記事から1年後がこのレアアース中のレアアース、ジスプロシウムが不要の磁石合金が開発されたということだ。
--ここから--
2012/10/25(木)
◆中国“自業自得”レアアース輸出最低に 尖閣問題が“ブーメラン”
反日姿勢を強める中国に“ブーメラン”が返ってきた。
沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙う中国が、日本への脅し材料として輸出規制を
ちらつかせているレアアース(希土類)の輸出量が、今年は1万トン前後と
過去10年で最低水準に落ち込み、輸出許可枠の約3万1000トンを大きく
下回る見通しとなった。業界関係者が24日、明らかにした。
最大の輸出先である日本の需要が急減したためで、レアアースを
外交カードとして使ってきた中国は資源戦略の転換を迫られそうだ。
レアアースはスマートフォンなどハイテク製品の製造に欠かせない材料だが、
中国から日本への輸出量は2011年に前年比で34%減少し、今年はさらに
下がる見込みとなった。
きっかけは10年9月の尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件。
中国当局は日本への対抗措置として、事実上のレアアース対日輸出規制を実施した。
これを教訓に、日本企業はその後、レアアースが不要な製造技術やリサイクル技術を相次いで開発。調達先もオーストラリアなどに拡大し、対中依存度を急速に引き下げた。
中国税関統計によれば今年1-6月のレアアース輸出量は4908トンと
前年同期比42・7%の減少。
通年では「1万トンをやや下回る可能性」(業界関係者)も指摘されている。
03年の通年輸出量7万4000トンと比較すると大幅な減少となる。
このため、一部のレアアースは供給過多となり、販売価格が半年で3分の1程度に
下落したケースも。
日本に揺さぶりを掛けるつもりが、自らの首を絞める結果となった格好だ。
--ここまで--
いや、中国がレアアースの輸出制限ということをしなければ、それなりにコンスタントに日本が購入した筈だ。トウ小平氏のいう、中東に石油あり、中国に稀土あり--その通りなのだ。
それを「日本に揺さぶりをかける」という戦略物質化した行動を中国がとったばかりにここまできた—ということだろう。
覆水盆にかえらず—という諺をしみじみと感ずるな。
まぁ、中国という国は、うたかたのような短い夢をみたということだし、日本は魔改造の鬼のごとき本性を露呈した—ということだろうなぁ。
最後に。
日本を怒らせるな。怒らせれば、何度でも同じことが繰り返されるぞ。