▲人は必ず失敗する。
それこそ、誰でも。
大事なことは、その失敗に対して「どう対応したか」なのだ。
その部分に、その個人の・その個人が属する組織の「生の姿」「実力」が曝(さら)け出される。
別の言葉で言えば、「将来につながる対応」と「将来につながらない対応」とがあるとでも言えばいいのかな。
今度の阪急阪神ホテルのメニューのウソに対して、社長はどう対応すべきであったのだろうか。
なんだっけ。キャビアが本当はトビウオの卵だった—とか。
表示が間違っているというなら、確かにそうだ。
核心は、料金はどうだったのか—ということだろう。
トビウオの卵をキャビアとして、キャビアの料金をとっていなかったのか。
ならば、これはもう詐欺であろう。
つまり、「詐欺」であることを、「誤表示」と問題を矮小化したということなのだな。
う~ん。だから。
ここは、素直に「謝罪」するしかあるまい。
社内のなにかが狂っていたのだ。こういう誤魔化しを許容する「内部の雰囲気」があったのだろう。
また、その後の現金で返す—という判断の愚かしいこと。
慌てて、判断を誤り、二重に失敗したとしか言いようがない。
<相手は不特定多数だ。このような場合、ホテルの宿泊の割引券とか、ディナーの割引券とかにすればいいではないか>
<相手は不特定多数だ。このような場合、ホテルの宿泊の割引券とか、ディナーの割引券とかにすればいいではないか>
社長が辞任すべきだろうなぁ。
以下、新聞から抜粋。
阪急阪神ホテルズでメニュー表示と違う食材が使われていた問題で、
出崎(でさき)弘社長が記者会見し、一部のメニューについて再調査する考えを明らかにした。
社内での調査不足が浮き彫りになり、意図的な偽装があったかどうか、改めて確認せざるを得なくなった。
会見で出崎社長は「会社の管理体制や審査体制が不十分だった」と謝罪。
「意図を持って誤った表示をしたことはない。偽装ではないと認識している」とし、誤表示だったと強調した。
辞任する考えはないと話した。
ところが「既製品のチョコレートは手作りと表示してよいと勘違いしていた」などとされた調査結果が不自然だと問われると、出崎社長は「(従業員が)本音で回答したかつかめていない」と調査不足を認めた。
その上で「霧島ポークの上海式醤油煮込み」や「天ざるそば(信州)」など6メニューを対象に、
今月中に再調査することになった。
客からの返金の要請については、24日午前9時までに513件、1022万円分応じた。
宴会などのキャンセルも4件出たという。
同社はこの日、取締役と監査役全員の報酬を減らす処分を発表。
「信頼回復のめどが立つまで」の間、出崎社長は20%削減し、無報酬の角和夫取締役は兼務する
親会社の阪急阪神ホールディングス社長の報酬を50%、返上する。
他の取締役6人と監査役3人は6カ月間、10%減らす。
再発防止策も発表した。
11月1日付でメニュー表示をチェックする専門部署を設ける。産地などを過剰に強調するメニューの表示も見直す。
▲補足、感想など
男の出処進退は難しいなぁ。
でも、出崎社長の対応の仕方は、とても冒頭でふれた「将来につながる対応」とはいえまい。
阪急阪神ホテルというのの「実態」を露呈したような「言葉」であったといってよかろう。
特に、レシートという証拠もなしに「現金で返金」なんて、あわてふためいた「社内の混乱状態」をあからさまにしている。
社長の「強気の」言葉の内容と、その後の対応の仕方に齟齬がありすぎる。
結局、この出崎社長という人に「実力」がないのだな。
今、「辞任する気がない」とか言ったところで、いずれ辞めざるをえなくなるだろう。
それとも、海外の田舎のリゾートを運営している子会社とかへ飛ばされるのではあるまいか。