▲いや、辞任はまぁ、致し方あるまい。
しかし。
この人の対応というか、態度で「阪急」という会社のイメージを損ねたなぁ。
かって、雪印とかいうブランドがあったのだが、某社長の一言で雲散霧消したことがあった。
あの騒動に似ている。
中国の故事に「羊頭狗肉」というものがあるが、まさしくこれを地でやったものだ。
ハッキリ言えば、「詐欺」であろう。
それを「誤表示」だのとかいって、問題を矮小化しようとしたものだろう。
こういう場合は、とにもかくにも、頭を米搗きバッタのように下げて、「こういうことが二度を起こらないように社内を改革します。これまで食事をされた方にはホテルでの食事の割引券をお渡しします」とか言い続ければいいこと。
そのあたりが、一番正しい対応だ。
失敗は誰でもする。
しかし、その失敗に対して、どう対応するか—というところに、その個人の、その個人の属する組織の「実力」があからさまになる。
この人の言動は、阪急グループ全体に大きなダメージを与えたろう。
逆にいえば、こういう人間がトップに立つ組織とはなんであろうか。
阪急グループでの、社内の昇進のシステムというか、人事評価のシステムがおかしい—ということを意味していないか。
そういえば、と思い出した。
三菱自動車で、異様な社長が連続して出たことがあった。あぁ、カネボウもか。
なにかの拍子に、とんでもない社長が就任すると、その人の「オメガネにかなう人間が皆とんでもなくて」--。
阪急グループもこの人だけで済むならいいのだが。
以下、新聞から抜粋。
阪急阪神ホテルズがメニューと異なる食材を使っていた問題で、
同社の出崎弘社長は、記者会見し辞任することを明らかにした。
問題発覚から1週間で、トップの責任問題に発展した。
出崎社長は
「理由を聞いたが(誤表示とするには)『無理筋』だった」と、
調理担当者の説明が不明確だったことを認め、「偽装と言われても仕方がない」と話していた。
再調査の対象は異なる表示が見つかった47種類のうち、
中国産を使った「天ざるそば(信州)」など6種類。
▲補足、感想など
冒頭でふれた。
狗肉を売るのに、羊頭を掲げたことに問題があるのだろう。
狗肉を狗肉として売ればなんの問題もないことだ。
この問題の核心は、狗肉を売っているにも係わらず、羊頭を掲げることをなんとも思わない—というホテルの体質にあるということだ。
食べ物の関連するところでは、そんなことが多いのかもしれない。
でも、さすがに「阪急」ではそんなことをしないだろう—という市民の信頼を裏切ったという部分が最大のダメージであろう。
ホテルの食事がそうなら、他の阪急グループのところでも同じことをしているのでは—と思われたということか。
ましてや、「詐欺」を指摘されると、「誤表示だ」と問題を矮小化して、誤魔化そうとする—か。
誤表示だ—という一言で、どれだけ、阪急グループのイメージ・信頼を損ねたか--。
そんなこともあって、この短期間での「辞任」ということになったのだろうな。
トコトン、窮地に追い込まれたとき、その人個人の「本当の実力」があからさまになる。
心したい。