▲日本の北方領土問題は、安倍-プーチンの間でしか解決しない。
どちらかが、病気で倒れたり、暗殺されたりすれば、もう先はいつのことやら—見えない。
安倍さんと、プーチン大統領との共通点ってなんだろう。
多分、二人とも、それぞれの大地というか国土と「討死」を覚悟している—という点だろうなぁ。
その一番根源的なところでウマがあうのだろう。
このあたりだな。
プーチン大統領が中国の習国家主席をバカにしているというか嫌っているのは。
いつでも危なくなれば国外へ脱出するという準備をしているような国家指導者というものを嫌悪しているのだ。
その反射的効果として、一層、安倍さんとウマがあうのだろう。
また、今まで日露間の領土交渉をしていたのは、おそらく森さんだろう。
森さんの、日本側からの提案の仕方がなんというか日本的な不合理極まるものであった。
曰く、「ここでウンと言ってくれ。見返りは充分するから」--とか。
結論だけを急がせて、日本側からの提案の内容を示していないのだ。
まぁ、対日本人であれが、こういう交渉もありか—と思う。
でも、対ロシアで、こういう言い方はないだろう。
ロシア側は、自国の国民になんと説明するのだ?
これではそもそも「交渉」ではない。
プーチン大統領は、安倍さんに向かって、こういう交渉の仕方だけはしないでくれ—といったのだろう。
今年の春か。安倍さんはロシア側に日本ができることを示していた。
どのあたりで、合意できるかどうかは分からない。
それでも、上の「ここでウンと言ってくれ、見返りは後から充分するから」--という提案より、遥かに進んでいることが分かろう。
以下、新聞から抜粋。
「早速にお祝いの電話を頂き大変うれしく思う」
9月10日。ロシアのプーチン大統領から東京五輪の祝意を電話で伝えられると、
安倍首相はこう応えた。
安倍首相が国際オリンピック
委員会総会で五輪招致を勝ち取り、帰国して間もない時のことだ。
プーチン大統領が五輪招致の成功を「安倍首相への国際社会の信頼の印だ」と
持ち上げると、安倍首相も「ソチ五輪の成功を心からお祈りする」と応じた。
この電話会談は、プーチン大統領からの要望で実現された。
電話会談は、外務省の事務方が相手国と協議内容を調整して行うのが通例だ。
「相手からの電話」と発表しても、内々に相手国に働きかけることもある。
首相側近は「プーチン大統領が安倍首相にお祝いを言いたいということでセットされた」と。
日露首脳会談は、訪露した今年4月を皮切りに6月、9月、10月と半年近くで4回も開かれている。
日露外交筋は「プーチン大統領だが、意見をハッキリと伝える安倍首相と馬が合うのでは」と分析。
また「シリア問題で安倍首相がプーチン大統領の意見に耳を傾けことから信頼が高まった」と指摘。
アメリカやフランスがシリアへの軍事介入を模索する中、政権崩壊後の混乱を懸念する
プーチン大統領の主張に安倍首相が一定の理解を示したことが、プーチン大統領が望むシリア問題の
平和的な解決へのきっかけになったという。
一方、安倍首相は米国のオバマ大統領とも首脳会談を重ね、日米同盟の再構築に取り組んでいる。
成果を重視するオバマ大統領に対しては、外交・安全保障や経済など政策議論で日米協力の拡充を図っている。
外務省幹部も「安倍首相の登場で米国との信頼関係が大きく回復した」と歓迎するほどだ。
ただ、「人間的な親密度から言えばプーチン大統領の方が上だ」との声がある。
日本にとって対米関係が最重要であることは言うまでもないが、日露関係の良好さが際立っている。
そうなると、北方領土問題の進展。
4月の首脳会談で北方領土問題の交渉加速化で合意したが、目に見える形で協議は進展していない。
首相周辺は「北方領土問題は簡単ではないが、進まない交渉も政治判断で大きく動く可能性はある。プーチン大統領は問題解決に意欲を示した」と語る。
安倍首相は蜜月をテコに北方領土問題を進展させることができるのか。
プーチン大統領に語りかける安倍首相が一言が、名言になる日を焦らず待ちたい。
▲補足、感想など
ロシア人の言うことなど、どれもこれも信用はできない。
ただ、プーチン大統領の言葉だけ、辛うじて信頼できそうだ。
その辛うじて信頼できるプーチン大統領との交渉だから、希望をもっているのだ。
また、交渉の仕方も日本は従前の森さんのやり方を継承していない。
ロシア側からみても、安心できる交渉相手として見られていよう。
安倍さんもプーチンさんも、それぞれの大地の上での討死を覚悟している。
その基本的な点で共感を抱いているのだろう。
ここ数年の内に、北方領土問題でなんらかの合意があることを期待したい。