▲クオリティ オブ ライフとか言わなかったかな。
筆者など、もうそんなに長くは生きられまい。
うまくいって、後20年。奇跡を願えば30年というところか。
その期間、どういう生活をしていくか—ということだろうなぁ。
仕事もさることながら、音楽を聞いたり、写真をとったり、美味しい料理を食べたり、絵画を見に行ったり—そういう「生活の質」のレベルを下げたくない。
現在時点で、上で筆者が触れたような「生活の質のレベルが維持できる場所」って、そんなに多くはないと思える。
筆者が、富裕層が海外へ—というような記事を見る度に思うのは、そのあたりの「齟齬」というか、そんなところへいって、そりゃお金はあるだろうけれど、生活の質はどうなるんだ?---と感じるせいだ。
以下、新聞から抜粋。
今年、エイベックス社長のm氏が〈富裕層は日本にいなくなっても仕方ない〉と書き込み話題となった。
富裕層への課税強化に反発する内容だった。
エヌエムシイ税理士法人税務総合戦略室のt氏はこう語る。
「2015年に所得税の最高税率は50%から55%(地方税を含む)になり、相続税の最高税率も55%となります。一般的に、このような
最高税率が適用されるのは会社の経営者が多いと言えます。
彼らは会社の利益の約40%を法人税として納税した上に、自らの報酬の半分以上を所得税として納付し、最終的には虎の子の財産
にまで高率の相続税が課されるので、不満が高まるのは当然です。
たとえば香港の場合、所得税17%、法人税16.5%、相続税は0%ですので、富裕層の海外志向はかつてなく高まっている」
昨年、HOYAのsCEOがシンガポールに移住、経営拠点も移したのはその典型だ。
税金の問題だけではない。
デフレが続き、「安くてそこそこ質のいいもの」は普及したが、その分富裕層向けのサービスは未熟だ。
経営コンサルタントのk氏(船井総合研究所)はこう言う。
「富裕層向けサービスでは、オーダーメイドの考え方を徹底させること、即ち究極的な『ワン・トゥー・ワン・サービス』が必要となり、
こだわりが人一倍強い富裕層に徹底的に身を捧げられるかが問われる。
日本企業では、これまでの社内の評価体制などから、
顧客一人ひとりに尽くすサービスができるところが少ない」
▲補足、感想など
いや、税金が高いと思うなら、国外へどうぞ。
でも。と筆者は冒頭の思いに戻る。
筆者は、音楽が好きだ。陶芸のようなものも好きだ。子供の頃からの植物好きだ。
そんな人間にとって、コンサートにいったり、古い陶芸をみたり、植物園にいったり—とか、簡単にできる場所が世界のどこにあるのさ--と思う。
確かにお金は必要だ。しかし、同様に「生活の質」を守ることも大事なのだ。
後20年という時間をどれだけ有効に使えるか—ということも、どこで暮らすか--という視点から抜かすことはできない。