2014年7月20日日曜日

大家族主義の価値を見直そう—と安倍さん。

筆者も基本的には賛成だ。
 いや、もっと言えば、昭和30年代に壊れた「ムラ社会」の価値を再評価しよう。

 昭和30年代にムラ社会が崩壊したのは、日本という国が農業社会 → 工業社会へと変革した際の「副作用」のようなものであった。

 日本は昭和30年代半ばから年率10%を越える勢いで経済が成長し、それと共に地方から都会へと都心集中が始まったのだ。
 これにより、地方のムラ社会というものが崩壊していった。

 昭和40年代、田舎から都会へ出てきた若者にとって、団地というものは新鮮な感じがした。
 それは、親の世代と自分達の世代との価値観の違いが大きかったことによるような気がする。
 こうして、核家族化していき、手探りで自分達の子供を、育てるということになった。

 そこから、約40年という時間が経過した。
 日本は出生率が低下し、人口が少しづつ減少するという時代となった。
 それはまた、若い世代が老人の世代を支えきれない—という現象が生じ始めたタイミングでもある。

 上で、ムラ社会が崩壊したのは、農業社会から工業社会への転換の中で生じたと書いた。
 今、日本は工業社会からポスト工業社会へと変化する最中なのだろう。
 そのことが、核家族 → ムラ社会への回帰 を促進しているような気がする。もう一つは、自分達の世代と子供の世代の「価値観の違い」がそう大きくないといことも意味かあろう。

 老人の介護とかも、大家族で、ムラ社会の中で相互に扶助するという形へ進んでいく方向となるような気がする。
 日本は、単純に外国からの人間を移住させるという方向に進むべきではない。
 こういうムラというか集団の中で、相互扶助という方向へ変化していこう。


 以下、新聞から抜粋。

 安倍晋三首相は、講演で、少子化対策の一環とし て「第3子以降に特化し、重点的に支援していく。次元の異なる大胆な 施策を検討していきたい」と述べ、3人目以降の子どもの出産や育児を抱える家庭 を重点的に支援する政策を打ち出していく考えを示した。

 首相は「核家族化が進んだ現代、大家族を再びよみがえらせることは並大抵の ことではない」と認めた上で、 「大家族で支え合う価値を社会全体で改めて確認すべきだ。大家族を評価するよ うな制度改革を議論すべきだ」と表明した。

 具体的には「二世帯住宅でも入り口(玄関)が別になっている独立型の住宅もある。
 こういったものを政策的に応援することも一つのアイデアではないか」と例示した。 


▲補足、感想など

 上掲の記事では踏み込みが足らないようだ。

 これは、ポスト工業社会でのムラ社会の再構築・再評価 ととらえるべきだと思う。
 当然、個人のプライバシーということもある。
 どのような形で、集団で支えあうということができるのかは分からない。

 しかし、若い人が減少し、老人だけが増える時代に、若い層だけは支えられない。
  高齢者向け施設といったハコモノだけでは無理なのだ。

 海外から価値観の異なる人間を移住させるというのは、リスクが高すぎる。
 それこそ、犯罪が増え、あっと言う間に、ベンチに荷物も置けない社会となることは目に見えている。

 だからこそ。
 お互いに知恵を出し、ニュームラ社会の構築というものを目指すべきではないのだろうか。
 安倍さんは、二世帯住宅を例示されているが、政策的には、都市周辺部での二世帯・三世帯住宅建築に当っては、建ぺい率、容積率を緩和するというだけでかなりの効果が期待できるのではないか。