2014年7月18日金曜日

安全とは言わない—と原子力規制委員会会長。

表題の言葉を誤解してほしくない。
 100%安全だ—とは言えないという意味だと筆者は解した。

 筆者も技術者の端くれとして、その意味ば十二分に分かる。
 100%安全に近づけるよう努力する—となら言える。

 技術者の世界にはったりも、パフォーマンスもない。
 あるのはただただ「事実のみ」だ。

 どれだけ、点検しても100%ということはない。
 その不確定な部分を努力と熱意で埋めているのだ。技術者は。
 そのあたりを理解してあげてほしい。

 技術者は、政治家のような口だけの「うまいこと」は言えない。
 端的に言えば、原発の再稼働について100%無事故で稼働します—とはいえない。
 ただ、無事故となるように全力で頑張るとしか言えない。

 ウソでもなくハッタリでもないのだ。
 技術の世界とはこういうものだ-と理解してあげてほしい。

 以下、新聞から抜粋。

 原子力規制委員会は、九州電力川内原発1、2号機について、「新規制基準に適合している」とする審査書案を了承した。
 今後、30日間の意見公募などを経て審査書を決定する。
 川内1、2号機は、東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、安全対策を強化した新規制基準をクリアする初の原発となる。

 地元同意手続きや設備の使用前検査なども必要となるため、再稼働は10月以降になる見通しだ。
 ただ、規制委は「基準に適合しているかどうかを審査するだけで、稼働させるかどうかには関与しない」との姿勢を崩さず、政府も「稼働させる政治判断はしない」との立場だ。

 実質的に再稼働の判断は電力会社と立地自治体に委ねられ、国策でもある原発が、国の責任があいまいなまま稼働する可能性もある。
 現在、川内1、2号機を含め、12原発19基が規制委の安全審査を受けている。

 事実上の「合格」第1号が出たことについて、田中俊一委員長は「基準への適合は審査したが、安全だとは私は言わない。これがゴールではないので、努力していく必要がある」と述べた。

 九電が示した地震や津波の想定、事故対策などを個別に検討した。
 九電が想定する地震の最大の揺れ「基準地震動」を従来の540ガルから620ガルに、想定する最大の津波の高さ「基準津波」を約4メートルから約6メートルに引き上げたことを、いずれも妥当とした。

 また、九電が周辺14火山の過去の噴火間隔やマグマだまりの膨張傾向などから「安全性へ影響する可能性は小さい」と判断したことを受け入れた。

 また、福島第1原発で起きた炉心損傷や全電源喪失などの過酷事故への対応は、幅広い事故の想定▽事故時の作業要員の確保方法▽機能喪失を防ぐ設備の準備▽対応手順−−などを求め、九電が示した対応策をいずれも了承した。
 航空機が施設に落下した場合やテロ対策についても対応の手順書や体制、設備の整備方針を認めた。

 九電は昨年7月に川内1、2号機の安全審査を申請した。
 当初は基準地震動を原発事故前のままとするなど、安全対策に消極的な姿勢も見られたが、いち早く基準地震動の引き上げに応じたため、3月から優先的に審査が進められた。


▲補足、感想など

 最終判断者が地元と電力会社という形か。
 つまり、災害が起こったとき、被害を受ける人の覚悟を問うという形か。

 安倍さんは、表面に立たずに、この決断を裏から促進するという形を取るのだろうな。
 規制委員会が再稼働の最終判断者とならない—ということも理解できる。

 このブログで何度もふれた。
 原発の再稼働の最終的な決断者は、安倍さんなのだ。
 国のトップであるということはそういうことだ。

 先の大戦開始早々に、日本軍はエネルギー確保のため南進作戦を採用した。
 この決断は、昭和16年当時の、国のトップが決断したものであろう。
 それと同じだ。

 記事にあるように、表向き、政府も決断者にならない—としている。
 だから、安倍さんは、裏側から様々な手を使って、地元民及び九電に決断を促すことをするだろう。
 筆者は、その形で正しいと思う。

 この川内の原発の再稼働が実行できれば、その後は随分楽になる。
 ぜひ、日本全国の原発の再稼働を促進していこう。