▲いや、刺激的な表題となった。
元技術系の人間からすると、東京電力という会社の中で、「技術職」というものが、技術者という人達が社内でどう見られていたか—推定のできる表現だ。
東京電力という会社の社長という地位にどのような経歴の人間がなるか—をみれば、東京電力の中で技術職というものが弱い位置にいるか想像できる。
確か、震災時の社長は、資材部かなにかの担当ではなかったかな。
文系で一番頭のいい人が社長になる---。
電力会社って、そうなのだろう。
なにか、この部分に「教養の価値」というものを感じる。
文系、理系ということを言わなくても、全体を俯瞰できるだけの幅広い知識をもっていなければならないのだ—と思う。
こうして見ると、日本のエリートというものが「知識の幅の狭さ」という弱点を有しているのではないか。
2011年の東電の原発事故というものは、上に書いた「本来もつべき幅広い地域を有していない経営者」が続いたための「結果」ではなかったのか。
以下、新聞から抜粋。
政府事故調調書公開 津波対策検討するとクビと…
政府は、福島第一原発の事故調査委員会の調書127人分を新たに公開しました。
震災前に当時の規制当局の原子力安全・保安院で、巨大津波対策を検討しようとしたところ、複数の幹部にとがめられたと証言されていることが分かりました。
政府が新たに公開した調書によりますと、2010年ごろ、当時、保安院・耐震安全審査室のk室長が、過去に福島で起きた巨大な貞観地震の危険性を検討し、新たな津波対策を提案しました。
これに対し、保安院の複数の幹部から「余計なことを言うな」「あまり関わるとクビになるよ」と言われたと証言していることが分かりました。
その後、保安院で本格的な検討を行う前に東日本大震災が発生しました。
調書の公開は、福島第一原発の吉田元所長の調書などが公開されたのに続いて3回目になります。
これで合わせて202人分が公開されましたが、震災当時の東電の会長や社長などの調書は公開されていません。
▲補足、感想など
原発は絶対に安全なもの--という神話を自ら、こしらえ、その「神話」をこわそうとするものを排除した—ということだろう。
そういえば、数十年前、技術職の片隅にいた頃、東電の偉いさんを見たことがある。
回りを下請け、孫受けに囲まれて、彼らにおだてられ、ふんぞり返っていたなぁ。
なるほどなぁ。
上で教養がどうたら—書いたが、正常な精神を保つだけでも大変だろう。
常識的に生きるというだけでも大変な会社ということか。
文系で頭がグルグル回る経営者にとって、「原発の安全神話」に逆らおうという「技術者」なんぞ、愚鈍な邪魔者・反逆者にしか見えなかったということか。
ありえそうな話ではある。
ここで、声高らかに叫びたい。
技術者をバカにするな。技術というものを舐めるな。「技術というものに畏怖の念を抱け」。