2017年3月6日月曜日

太陽光事業者の倒産相次ぐ

太陽光発電というものが事業としてうまくいかなくなったようだ。
 買い取り価格がどんどん下がっているからだ。
 今は、20円後半だが、将来的には10円台にまでなるようだ。

 どこらに核心があるのだろう。
 恐らく、電力会社も太陽光発電なんて不安定な電力を供給してもらっても有り難迷惑なのだろう。
 原発への抵抗が大きいものだから、とりあえず、致し方ないか-てな感じで対応しているのだろうな。

 以下、新聞から抜粋。

 太陽光発電関連企業の倒産が相次いでいる。

 東京商工リサーチによると、全国の倒産件数は2015年から急増し、16年は65件、 負債総額は計242億円に上る。
 国が再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく買い取り価格を 年々引き下げ、「太陽光バブル」が収束したことが背景にあるが、業界では「安定した売電収入」をうたって 投資を呼びかける手法が広がっていただけに、投資者からは不安の声が上がる。

 ■ローンで投資
 東京商工リサーチによると、小規模企業ほど経営悪化が顕著という。
 担当者は「倒産に至らなくても、 信用不安に陥っている会社は少なくない。今年は業界の淘汰とうたがさらに進む可能性がある」と指摘する。

補足、感想など

 最初は40円台だったのかな。
 ルーピー鳩山さんによる無謀な価格というべきだろう。
 この無謀な価格に引き寄せられるように、太陽光事業社が乱立した。
 そのバブルが破綻しつつある。

 普通の土地に太陽光発電パネルを置くことがコスト高の原因とみて、溜池の水上に浮かせておくという方法が盛んとなっている。その記事を抜粋。

 --ここから--

 兵庫県加西市にある逆池(さかさまいけ)の水上で、出力約2.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「兵庫・加西市逆池水上メガソーラー発電所」の運用が始まった。水上に設置したメガソーラーとしては、世界最大規模となる。

 20156月に、関西電力への売電を開始。年間発電量は、一般家庭約820世帯の消費電力に相当する、約2680MWhを見込んでいる。京セラと東京センチュリーリースの合弁によるSPC、京セラTCLソーラーが発電事業者となる。
 京セラTCLソーラーは、地上や大規模建物の屋根上とともに、貯水池やダムなどの水上のメガソーラーの開発に取り組んでいる。

■池やダムの水面を貸し出し
 再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度(FIT)の施行以降、国内でメガソーラーの開発が加速し太陽光発電に適し、かつ連系の条件が良い事業用地が減ってきている。
 その中で、貯水池やダムを活用した、水上設置型のメガソーラーの開発に関心が集まりつつある。

 日本は、年間での降水量の変化が大きく農業用水を供給するための貯水池、工業用水を貯めるためのダム、河川が一定以上に増水した時に活用する調整池など、全国に多くの池がある。
 こうした池やダムは、地方自治体や地域の自治団体などが所有している。
 水面を太陽光発電事業者に貸し出すことで、毎年かかる維持管理費用を削減できる。
 賃借期間中は、太陽光発電事業者が維持や管理の多くを担うことになるためである。その上、太陽光発電事業者から、従来は考えられなかった賃借料が入るようになる。
 一方、太陽光発電事業者にとっては、土地に比べて相対的に安く借りることができ、事業性を高めやすくなる。

■水草の異常発生を抑制
 京セラでは、水上設置型のメガソーラーの利点として、3点を強調。
 第1に、建設時の造成や整地、運用時の雑草の除草といった、地面の上に設置するメガソーラーでは避けられないコスト増加要因がなくなることである。
 第2に、池の水が太陽光パネルを冷やす効果である。水による冷却効果で、仮に、パネル温度が1℃下がれば、出力は0.5%増すとしている。
 結晶シリコン系の太陽光パネルは、高温時に発電損失が増大し、変換効率が落ちる特性がある。 水上であれば冷却効果によって、夏の高温時に、地上や屋根に設置した太陽光パネルに比べて、発電量の損失を低減できる。
 第3は、池にとっての利点である。太陽光パネルが水面を覆うことによって、貯まった水の蒸発量が少なくなる。藻など水草の異常発生を抑制できる効果もあるという。

 逆池では、ヒシと呼ばれる水草などの育成を抑える効果が期待されている。
 施工前には、これらの不要な水草は刈った。一方で、蓮などの景観を良くする水生植物は残した

■効率化によるコストダウンが鍵に

 逆池は、田畑への農業用水の供給を担っている。現在、144軒の農家の田畑が、逆池の水に頼っている。
 池の面積は約7m2(平方メートル)と、広く、約3分の1に太陽光パネルを浮かべた。EPC(設計・調達・施工)サービスは、京セラグループのエンジニアリング会社、京セラコミュニケーションシステムが務めた。水上に構造物を施工する取り組みは、太陽光発電システム以外では、前例がほとんどないという。

 人海戦術的な工法となり、施工費用の増加要因となる。さらに、船の上などでの作業は、足元が揺れ続ける中で、安全を確保する必要がある。
 また、池を囲う堤には、手を加えられない。堤が損傷してしまう可能性があるからである。同様に、池本来の機能を損なう恐れがある施工や工法は採用できない。池の機能を損なわず、太陽光パネルを浮かべるのが、水上設置型メガソーラーの基本となる。

■潜水士がアンカーを固定
 施工では、太陽光パネルと接続箱は水の上に浮かべ、集電箱やパワーコンディショナー(PCS)、連系設備は、近くの地上に設置した。

 太陽光パネルと接続箱は、「フロート」と呼ばれる樹脂製の部材を使って、池の上に浮かべる。フロートは、いかだのような部材で、地上設置における基礎と架台の役割を担う。

 太陽光パネルを縦横に連結して、面のような状態にして浮かべる。池の底からアンカーを使って止め、一定の範囲以上に流れないようにしている。
 アンカーは、潜水士が池の底まで潜ってGPS(地球全地球測位システム)と地上からの指示に従って設計通りの位置に固定する。
 アンカーとフロートは、ワイヤーで結ぶ。このワイヤーをアンカーにつなげて、ブイに結んでおく。 
 潜水士が、一般的な施工に関わることは珍しく、まずはこうした作業を担える潜水士の確保が、ポイントになるという。

■設置しやすい池の条件

 太陽光パネルの設置に向く池と、そうでない池がある。例えば、水深や水底の形状が施工性に影響する。
 水深は、浅過ぎず、深過ぎず、適度な深さが良いという。逆池の場合、水深は34.6mで設置に向く深さだった。水深がほぼ一定で、水底の凹凸が少なく、水位が変わらない池が向くようだ。

 地上設置に比べ施工期間がかなり長くなるような印象を受けるが、地上で一般的な2MWで約5カ月間に対して、逆池は約2.3MWで約6カ月間と、遜色ない期間となっている。

 費用は、地上設置とほぼ変わらないという。設備購入費は高くなるものの、造成費が不要なためだ。O&M(運用・保守)については、除草費が不要になる一方、点検は船に乗って実施するため難易度が増す。

 --ここまで--

 冒頭でふれた。
 将来的には買い取り価格が10円台になる太陽光発電であるから、事業者として生き残れるのは、少数であろう。
 このことは、原発というエネルギー源を見直すべき—という方向を後押して欲しいものだが--

 個人での売電はどうなるのかなぁ。
 水素を作ってそれを蓄積し、夜間、その水素で電気を作って照明に利用するとか—その個人の家の中で回すというか、太陽光発電 → 水素 →夜間に電気として使う という方向へ行かざるを得ないのではないか。