▲単純に批判するつもりはない。
ただ、首相夫人というのは、「個人」と「首相夫人」という立場が錯綜するということだろうなぁ。
自分としては、一個人としてもの言い、行動しているつもりでも、他者からは「首相夫人」という「像」が重なってしまい、その「首相夫人」というイメージを利用してやろう—と企む人間がでてくる。
その「一個人」と「首相夫人」という「立場の違い」をうまく使い分けないと、予期しないトラブルにまきこまれる—ということだろうな。
こんな例、どこかで見たなぁ。
あぁ、アメリカの前駐日大使であったキャロライン・ケネディ大使の赴任当初の発言がそうだったな。
ケネディさんは個人としてしゃべっているつもりでも、日本人は、「アメリカを代表して」「アメリカ人を代表して」しゃべっている—と思う。
日本の捕鯨について批判をすると、じゃ、アラスカのエスキモー達は、アメリカ国民じゃないのか--、エスキモーというどこの国籍ともしれない人間が鯨をとっているか? と反論されてしまう。
ケネディさんが個人として日本の捕鯨をどう思おうが勝手だが、「単純な捕鯨批判」は、自分(=アメリカ人を代表する人間として)の無知をさらけ出してしまうということだろう。
以下、新聞から抜粋。
安倍晋三首相の昭恵夫人は、北九州市小倉北区で講演し冒頭、森友学園問題を念頭にハンカチで涙をぬぐいながら「お騒がせしています」と発言。
森友学園に関する具体的言及はなかった。
非公開で、出席者によると、写真撮影や録音も禁止された。
九州の財界人でつくる「九州賢人会議所」(福岡市博多区)が企画し「次世代のあなた達に」というテーマで昭恵夫人を招待。
学園の理事長退任を表明した籠池泰典氏の23日の証人喚問後、公の場で話したのは初めてとみられる。
複数の参加者によると、入場時に森友学園の質問は禁止と伝えられた。
昭恵夫人が冒頭に自ら発言し涙ぐむと、200人以上でほぼ満席の会場から拍手が湧き「頑張れ」という声が響いた。
講演では、23日のイベントはキャンセルしたが「今日は夫に『行っておいで』と言われて来た」と話したという。
日本の将来の自然環境に言及したほか、安倍首相とのなれ初めにも触れた。
会議所によると、夫人側に報酬や交通費などの金銭は支払っていない。
▲補足、感想など
まぁ、核心を言えば、安倍さんが首相に在任中は、昭恵さんには「個人の立場」なんて、存在していない—ということだろう。
つまり、昭恵さんの「一挙手一投足」が、すべて「首相夫人」として見られる---ということだろう。
だから。
講演する、電話をする、ファクスをする、どこそこに問い合わせる---そのすべての行動・言動が、他者からは「首相夫人」という「なんらかの影響を他者に与える存在」として世間から見られる。
そのあたりの認識が、昭恵夫人には薄かったのではないのかな。
冒頭でふれた。
昭恵さんの言動を、単純に批判するつもりはない。
ただ、昭恵さんの言動(一挙手一投足)がもつ「他者へ与える影響力」というものが、昭恵夫人が自分で思っている以上のものだ—というところに、このなんとか小学校騒動の核心部分ではあるまいか。
だからといって、昭恵さんに、財務省に罪がある訳ではあるまい。