▲正論というか、知的正直とはこういうこと。
分からないことは分からない。分かったことは、これだけ---と言っているのだ。
事実を事実だという。
当たり前だけど、なかなかできない。
以下、新聞から抜粋。
美術品等の鑑定をおこなうテレビ番組で、“国宝級”と鑑定された茶碗。
その後、「あんなものは真っ赤なニセモノだ」という人たちが現れ、ネット上で真贋論争が盛んにおこなわれている。
茶碗の所有者から、本当にニセモノだと言っている人たちが言うようなモノなのか調べることができないかとの相談を持ちかけられました。
話を聞く中で、ニセモノだと言っている人たちは実物をまったく見ずに言っていることを知り、文化財調査の原則である、自分の目で実物を観ることがないまま真贋を云々することに疑問を感じました。
そこで、本学に設置されている対象を傷つけることなく文化財に含まれる元素を知ることができる「蛍光X線分析装置」を使って、ニセモノと主張する人たちが言うような発色させるための釉薬が使われているのかを確認しました。
結果は、発色の原因と考えられるような元素は検出されず、赤、青、緑、白(黄)、黒のどの色に見える部分も含まれる元素には大きな違いがないことがわかりました。
このことで、この茶碗がホンモノであることは証明できませんが、ニセモノだと言う人達が主張しているようなモノではないことは確実になりました。
文化財学科では、「現地現物主義」という考え方を大きな柱として日々教育をおこなっています。
今回の例は本の一例ですが、文化財の調査に臨む姿勢として、何かを感じ取っていただければ幸いです。
▲補足、感想など
なんだっけ。<手元のdbで批判の記事を検索したが出てこなかった>
中国の最近の土産物ではないか—てな批判だったのかな。
まぁ、奈良大学の検査の結果として、「最近の中国からの土産物」というようなものではない---と言っているのであろう。
真贋論争に決着がついたということではないが、「偽物ではない」—くらいは、踏み込んで言っていると解していいのかな。