2015年3月29日日曜日

欧州が食らいついた中国産毒まんじゅう。アジアインフラ投資銀行。

ちょいとアレな表題ではある。
 でも、言いえて妙という気がする。

 まず、状況から。
 ヨーロッパ諸国は、日本がかって経験した失われた✕✕年の真っ最中。
 中国は、不動産バブル崩壊の寸前だ。

 このアブナイ状況の中で、毒まんじゅうこと、アジアインフラ投資銀行なるものが立案されていることが分かる。

 ヨーロッパは、「金利」が欲しい。中国は、バブル崩壊後の処理をするためのお金が欲しい---

 以下、新聞から抜粋。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に英国、ドイツ、イタリアなど欧州各国が参加を表明したカラクリが明らかになった。
 中国融資の可否など意思決定の際に拒否権を行使しないと伝えたというのだ。

 だが、中国が主導する構図に変わりはなく、 採算度外視の融資で巨額の焦げ付きが出る懸念も出ている。

 AIIBの創設メンバーには東南アジア諸国連合(ASEAN)の全10カ国や中東諸国など計27カ国が決まっているほか、 英独仏やイタリア、ルクセンブルク、スイスも相次いで参加表明。
 オーストラリアもAIIBへの参加へ「一歩近づいた」と現地紙が報じた。

 参加国が増える舞台裏についてウォールストリート・ジャーナルは、中国側が融資の可否など意思決定の際に拒否権を行使しない意向を伝え、警戒感を示していたドイツなど欧州側が米国の制止を振り切る形で参加を表明した。

 ただ、中国は拒否権を行使しなくても強い影響力を持つのは間違いない。
 出資比率は50%前後とみられ、本部は北京を予定するなど、一国の突出度合いは異常だ。

 「中国の最初の狙いは日本が総裁を出しているADBトップの座を奪うことだった。しかし、中国がADBの最大の融資先であることから実現するはずもなく、AIIB設立を企てた」との声もある。
 とにかく中国が主導権を握りたいという狙いで発足するAIIBだけに、融資の先行きが危険視されている。

 週刊東洋経済元編集長のk氏は警告する。
 「中国はAIIBを通じた投資で各国を屈服させ、勢力圏を拡大するという外交的な野望も抱いており、 金融機関として当然のリスク計算もないまま採算度外視で融資する恐れがある。

 欧州各国はアジアのビジネスに食い込もうという思惑なのだろうが、うかつに参加して融資が焦げ付いた場合、 責任を取らされて巨額な損害を被ることにもなりかねない」
 “毒まんじゅう”は「食べたらキケン」か。


補足、感想など

 言ってみれば、中国主導の「街金」ということか。
 アフナイ投資先にも高金利で融資しまず—ということか。

 一番アフナイのは、中国国内のあぶない融資先であろう。

 あぁ、記事にある拒否権については、中国が否定していた。

--ここから--

 中国紙報道などによると、中国財政省の史次官は、中国主導で設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐって、「中国が欧州諸国との協議の中で、運営上の拒否権を放棄する提案を行っていた」とするウォールストリート・ジャーナルの報道を否定。

 史氏は、「出資国が増えれば、その分だけどの参加国も出資比率は下がる」と説明。
 「中国が拒否権を求めているとか、放棄するとかといった命題は成り立たない」と説明。
 最大出資国として主導権を堅持することを強調したが、同時に中国のみが拒否権をもつ運営形態ではない、との見解を示した。

 欧州諸国の協議で中国が交渉カードのひとつとして拒否権放棄を提案したことが、英国を筆頭に参加国を増やす契機になったと伝えていた。
 史氏はまた、創設メンバーは4月15日に確定すると述べた。

 一方、創設メンバー入りをめざす香港は、中国とは別に参加が可能になった場合、約100億香港ドル(約1540億円)を出資する方向で検討している。
 香港政府は、参加形式について創設メンバー国と同等の地位獲得をめざして、中国政府と協議を行っている。

--ここまで--

 繰り返し言えば、中国は不動産バブル崩壊寸前だ。
 ましてや、中国がアチコチから集めたお金の出入りを仕切る---という局面を想像するだに恐ろしい。

 「正直である」ことになんの価値も見出さない民族が、銀行などというお堅い仕事ができると思うか。