2016年7月1日金曜日

中国にとって、高速鉄道事業はどういう意味があるのだろうか

どのあたりから。
 JR九州が上場するという。
 ななつ星などで名前を売ったし、事実、充分に儲かった会社ではある。
 でも。
 本業の鉄道事業は赤字なのだ。
 それをマンション販売とか、その他の事業で補填している状況なのだ。

 それを睨みながら、じゃ、中国が国を挙げてやっている高速鉄道事業って、本当のところ、どうなるものだろうか。
 まず、世界のアチコチでやっている中国の鉄道事業の記事を見てみよう。

 以下、新聞から抜粋。

 中国が戦略の柱に据える「高速鉄道外交」が崩壊寸前だ。
 中国企業が建設を手がける米国でのプロジェクトが挫折し、中南米やアジアでも事業が頓挫するなど死屍累々。ずさんな計画や採算など“官製ビジネス”の陥穽が浮き彫りに。
 米国では「超高速」交通の開発も進む中、各国のインフラに食い込みたい指導部の願いもむなしく、「中国高速鉄道は完敗」の声も聞かれる。

✦赤っ恥の習政権
 「米中の協力を象徴する高速鉄道プロジェクトが、合意から1年もたたないうちに頓挫」
 顛末を報じたのはウォールストリート・ジャーナルだ。
 米ロサンゼルス-ラスベガス間を結ぶ高速鉄道事業を計画している米エクスプレスウエスト社は6月8日、中国の中国鉄道公司との合弁を解消すると発表。

 エクスプレス社は、中国企業側の要因による計画の遅れで認可取得が難しい、車両の米国内での製造を求める米当局の規制が障害になったと。
 中国側は“逆ギレ”。
 中国企業の幹部は「早計かつ無責任だ」と米側の対応を非難している。

 ただ、中国が怒り心頭なのも、無理もない。
 昨年9月の習近平国家主席の訪米直前に、米中が合弁で合意。
 中国企業が米国内で高速鉄道を建設する初のケースとして、関係者から「中国の鉄道輸出にとって大きな一歩になる」と注目を集めた。
 それだけに、習指導部としては恥をかかされた格好だ。

 エクスプレス社は、別のパートナーを探すという。
 プロジェクトをめぐっては、JR東海も受注を目指しており、今後が注目される。

✦お粗末な事業
 中国は、中南米でも高速鉄道プロジェクトが頓挫。
 2014年にメキシコで高速鉄道事業で、中国企業が中心の企業連合がいったん落札。
 だが、入札手続きなどが暴露されキャンセル。
 さらに、贈賄疑惑などスキャンダルに発展し、批判が殺到。
 メキシコ政府は、「原油安と財政難」を理由に、計画そのものを棚上げした。

 ベネズエラでは、中国の中国中鉄が手がける高速鉄道事業が進行中だったが、原油安による財政難のために事業を推進することがべネズエラ側ができず、今年、事実上行き詰まった。

 インドネシアで、日本企業のライバルをけ落とし中国企業がプロジェクトを受注。
 だが、中国側からの提出書類が中国語で書かれ、「判読できない」との理由で、事業契約が調印できない事態に。
 中国は11年、浙江省で高速鉄道の事故を起こし、拙速な事故処理もあって国際社会から厳しい目が注がれた。
 習政権は数年、海外への高速鉄道の輸出に力を入れ巻き返しに懸命だが、失った信用を取り戻すのは容易ではない。

✦時速4000キロって?
 苦境にある中国の高速鉄道だが、「強敵」となる次世代の高速交通システムの開発が世界で進みつつある。
 その先頭を走るとされているのが米国。
 テスラを率いる経営者、イーロン・マスク氏が提唱している高速列車構想「ハイパーループ」だ。
 減圧されたチューブ内を列車が猛スピードで駆け抜けるもので、理論上は飛行機も真っ青の時速1200キロ近いスピードが出せるという。

 コスト面などの課題はあるが、「実現すれば交通システムを一変させる可能性がある」とされる。
 ネバダ州5月、プロトタイプによる初の実験走行が行われた。
 走行は数秒間だったが、1秒で時速約160キロに到達し、「実験は成功に終わった」と。
 これに強い関心を示すのが中国だ。

 サーチナは、「ハイパーループはすごすぎる」「中国高速鉄道は完敗か」といった中国メディアの反応を報じ、ハイパーループが実用化に向けて成果を上げたことに警戒感を示したと伝えた。
 中国でも、大学などで真空チューブ列車の研究が進められる。
 10年以内にも実用化を目指しているとされ、なんと時速は時速4千キロ。
 国際列車が北京とワシントンを2時間で結ぶ計画で、信じがたいというほかない。
 ステップを踏むハイパーループと比べ、実現性があるかは不明だ。

補足、感想など

 まぁ、ハイパーループが仮にできるとしても、もう、数十年は軽くかかるようなものであろう。
 いくつものブレークスルーが必要だと思える。
 すると、もう数十年は、新幹線のような高速鉄道が主流を占めると考えて妥当であろう。

 中国の高速鉄道に対する「思い込み」のようなものが記事となっていた。ご紹介したい。

 --ここから--

 中国メディアは、中国高速鉄道は経済成長率が低下し始めた中国に「GDP革命」を起こすことができる「希望の火」だと主張。
 記事は証券会社のアナリストの見解を紹介、同アナリストは「われわれは高速鉄道に中国を改変させるべきと強調し続けている」と論じ、続けて「高速鉄道は中国にGDP革命を起こせると認識している」と説明。

 このGDP革命についてアナリストは「高速鉄道によって中国のすべてのビジネスを1つにまとめ上げる、これが中国の未来だ」と説明、 具体的には「高速鉄道の駅周辺50km以内、あるいはもっと狭い範囲を主要な経済集中帯とし、今後数年で各企業家は高速鉄道駅周辺でビジネスを展開する、これが中国の未来だ」と論じた。

✦地域経済にもたらす経済効果を見込み、新幹線も日本各地で引っ張りだこになっている。  
 北陸新幹線の開業10年におけるGDP押し上げ効果は1300億円と推計され、交通インフラを整備することで人やモノ、カネの流れを生み出すことができる。

 新幹線がもたらした経済効果は、移動時間の短縮、工場誘致、観光客の増加、帰省時の利用など様々な面が関係している。
 観光客の増加という一面にも、ホテル関連企業、お土産屋、各種テーマパークなど様々なビジネスにおける売上増加という非常に大きなプラス効果が含まれる。

 確かに、中国高速鉄道は投資一辺倒の経済成長から内需拡大による経済成長への変化という意味で、GDP革命を起こせる可能性はあるかも知れない。

--ここまで--

 上の記事の前半部が、中国の記事の引用となっているようだ。
 黄色で色付けしたあたりが、中国人アナリストの主張の眼目であろう。

 高速鉄道を作っても、その鉄道を利用して人、モノが動かなれば赤字を垂れ流すだけだ。
 日本の新幹線というものが、1964年以来半世紀以上も経って、日本全国に敷設されていないことを考えても見よ。

 そのあたり、JR九州の上場話を見てみよう。

 --ここから--

 JR九州が6月30日に東京証券取引所に株式上場の申請をした。
 手続きが順調に進めば10月にも上場予定。
 発行済み株式数は32万株で、時価総額は5000億円規模になる見通し。
 今年の新規上場では、7月に予定するLINEに次ぐ大型案件になる。

 JRの上場は、1993年の東日本、96年の西日本、97年の東海に次ぐ4社目。
 旧国鉄から赤字の鉄道事業を引き継いだ九州、北海道、四国の「3島会社」の上場は初めて。

 JR九州の全株は独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が保有しており、機構が一括売却する。

--ここまで--

 JR九州の石原さんが、会社の内容を説明した動画をみたのだが、文章とはなっていないようだ。
 3島会社と書いてあるが、北海道、四国なんて、上場することは無理だろう。
 JR九州の経営陣がどれだけ優秀かということが分かる。

 上で中国の高速鉄道事業の「杜撰さ」をみたが、あの根底にあるものはなんだろう。
 中国人の商人根性というのか、できるだけお金の結び付けたい—と考えるだろうな。
 そこに、日本の「守破離」という「パクリの王道」を通ることのできない核心部分があるのだろう。

 日本人から、中国人は守破 まではなんとかできるが、そこから「できるだけ早く」お金に結び付けたい—という根性が顕在化して、「質を維持できない」のだ--と批判されていたな。

 中国人は自分のことをどう思っているのだろうか。

--ここから--
2016327
 中国は高速鉄道の輸出を国家戦略の1つとして位置づけている、中国メディアは、中国高速鉄道の世界での位置づけを分析する記事を掲載、中国高速鉄道は受注を積み重ねると自信を示した。

 記事は、中国高速鉄道の「原型」となったのは日本やドイツ、フランスの高速鉄道技術であると認めつつも、「わが国の技術はさらに複雑で、新幹線をはじめとするオリジナルより技術力は上だ」と主張。

 川崎重工の技術を導入して製造したCRH2型車と比べて、中国が開発したとするCRH380A型車は最高時速も引き上げられていると主張し、「すでに日本のレベルを超えた」と主張。
 また、中国高速鉄道は「もはや世界に認められている」と主張し、根拠として、米国やロシア、ブラジル、ポーランドなど各国が中国高速鉄道の導入を希望していると主張。

 米国ですら中国高速鉄道の先進技術を学ぼうとしているとしたうえで「中国高速鉄道を米国に導入できれば、中国高速鉄道は大きなブランド力を獲得することになる」と意義を強調。
 また、南米大陸横断高速鉄道の建設計画についても言及。

 南米各国が中国との経済協力を拡大しており、現地では輸送ニーズが拡大していることや、中国高速鉄道が技術、施工、運営、資金の各本面で十分な実力を有していると主張し、世界各国で今後立ち上がるであろう高速鉄道プロジェクトにおいて、中国は受注を積み重ねるだけの実力があると主張。

 --ここまで--

 日本人からの批判も掲示板の書き込みから転記しておこう。

 --ここから--

2016/06/30()
 外国の技術を外形だけまねて、あとは極限までコストカットしたものを売り逃げするのが中華風ビジネスの真骨頂なのだからチェックの厳しいインフラビジネスとか続けられるわけない
 日本の技術をタダ同然でもってくるところまでは成功しても真面目に研究開発する気のある人間はぜんぶ海外に逃げるし

2016/06/30()
 鉄道建設というプロジェクトすら満足に出来ない国が他の事がまともにできるのだろうか
 戦争になったら批判だけじゃ済みませんよ、中国さん、国が亡くなります
 同じアジアの国として心から心配しています

2016/06/30()
 あいつら納期を守るという概念がないからプロジェクトが頓挫するのは普通の事。

2016/06/30(
 スパイ行為をやるのがメインの中国人作業員なんか受け入れる方がどうかしてる

 --ここまで--