▲どうかなぁ。
イシグロ氏は、現在、英国籍であるし、関係ないといえばそう。
かと言って、他国籍だからといって、無視していいのか—という問題もあるし。
結局、イシグロ氏の意志次第ということではないのかな。
日本政府として、文化勲章の叙勲を打診して、受け取るという意志があれば、授与するということではないのかな。
だって。
イシグロ氏には、日本に親類縁者も多いことであろうし、一家一族の名誉・誇りというようなものに直結しているだろうし。
以下、韓国の新聞から抜粋。
日本政府が、日系イギリス人で今年のノーベル文学賞受賞者に選ばれた小説家カズオ・イシグロ氏に文化勲章を叙勲するかどうかをめぐって議論が起きている。
日本政府は、自国のノーベル賞受賞者には慣例的に文化勲章を与えているが、イシグロ氏について、勲章叙勲対象「国家への功績のある人」に該当するかどうかをめぐって解釈が分かれる。
イシグロ氏は、1954年に日本の長崎で生まれ、5歳のとき父が英国国立海洋学研究所の研究員として転職し、英国に移住した。英国で英語で作品を執筆してきたが、いくつかの作品が日本を背景にしている。
今年日本人ノーベル賞受賞者が輩出されていない中、日本のメディアはイシグロは外国国籍だが自国生まれという点で興奮している。
作家が通っていた長崎の幼稚園の担任教師をインタビューし、長崎市民の祝賀メッセージを紹介したほどだ。
イシグロが受賞後のインタビューで「イギリスで育ったが、私のいくつかは日本人である」と言ったりもしたが、彼は現代英米文学界の代表的な作家の一人として評価されている。
安倍日本首相が受賞者を発表した後、「日本にも多くのファンがいる。一緒にお祝いしたい」と受賞のお祝いコメントを発表したのも国籍が日本ではなく英国だからである。
これまで日本政府が文化勲章を叙勲した人は394人で、このうち外国人はアメリカ人で日本文学を研究したドナルド・キング博士など3人だけだ。
日本政府は、勲章叙勲を拒否した大江健三郎(1994年のノーベル文学賞受賞)と文化と直接関係のないノーベル平和賞受賞者の佐藤栄作(沖縄返還協定調印で1974年受賞)元首相を除き、すべての日本のノーベル賞受賞者に文化勲章を授与してきた。
日本政府文部科学省は、諮問機関を通じてイシグロに文化勲章を授与するのが妥当なのかについての検討を進める計画だ。
勲章叙勲候補は今月末に5人前後選定され、今後議論を経て、叙勲者を最終決定する。
▲補足、感想など
筆者の感想は、冒頭でふれたように、イシグロ氏が叙勲の打診を受けて、「受け取ります」という返事であれば、文化勲章を授与するということでいいのではあるまいか。
英国の国民も別に反対もしまい。
筆者ぐらいの年齢となると、ノーベル賞の重みも充分に理解できる。
豊かな才能とそれこそ、幸運の女神に全身を抱かれたような生き方でないと、ノーベル賞には届かない。
その栄誉を称えることを惜しむということはしたくない。