▲どこに核心があるのかなぁ。
野球って、「走る」「打つ」「守る」というすべての分野で、あるレベル以上を必要とする---という意味なのだろうな。
「打つ」だけが、傑出していても、「走る」「守る」がレベルに達していないと、「つかいものにならない」ということだろう。
そのあたりを広岡さんが辛辣に評している。
この人、年をとっても少しも変わらないなぁ。
以下、新聞から抜粋。
「ハッキリ言って今のままでは清宮のプロでの成功は難しい。1位指名を回避した広島の判断が正しい。10球団の各チームは、内心では、どうかな?
と考えていると思う。金属バットで打った111本のホームランは信用できるものではない。最終的には6球団くらいになるのではないか?」
1位指名を回避した広島の松田オーナーは、「いい選手だが、うちのスタイルじゃない。現場は足の速い選手を求めている」と、回避理由を説明したというが、広岡氏も同意見だという。
「金属バットから木のバットへの適応は簡単ではない。木のバットを使ったU18のワールドカップでは本塁打も放ったが戸惑いが見えた。そして一塁までの走塁の秒数の問題ではなく、走れていないしスピードを感じない。
体型的にも肝心な場所にくびれがなく、まず肉体改造が必要だろう。
そういう点を考えればプロではなく、まず早大へ進み4年間で走攻守のバランスを少しでも整えることがベストだったのだ」
プロ宣言をした記者会見では、プロでの目標として「ホームラン王」、「王さんの世界記録(通算868本塁打)を超えることを目指したい」と大きな数字を掲げた。
だが、“球界大御所”は、「王さんの世界記録を目標に掲げていたが土台無理な話」と、一刀両断した。
その上で、「なぜ大学へいかなかったのか。一日でも早くプロになりたかったのか、それとも将来のメジャーを見据えて、早く日本のプロでやっておきたかったのか。彼が目標にしたいと語った王さんも早実からプロへすぐ入ったが、『早大に進学してからプロに入っても遅くなかったよな』という話をされていたことを覚えている。
清宮の父親も早大出身だから大学にいく意味をよくわかっていただろう。今からでも遅くない。大学の道を考えてみてはどうか」とまで提案した。
ちなみに広岡氏も早大OBで、大学から巨人へ入団して成功を収めた。
会見で清宮は、12球団OKか?
という質問に「それはまだわからない」と語るなど、面談の内容を加味しながら「選別」作業に入ると見られる。
育成方針や、球団の体質、環境などを考慮して“気にいらないチーム”が「選別」され、もしその球団が強行指名を行い、しかもクジで選択権を獲得した場合は、入団拒否する可能性もあると推測される。
その場合は、広岡氏が提案するような「大学進学」も再度、進路として浮上してくるのだろう。
プロ志望届を出した高校出の選手がドラフト指名され、入団拒否した例は、近年では、昨年のドラフトで日ハムに6位指名された履正社の山口裕次郎や、2005年の高校生ドラフトで巨人の4位指名を拒否した現広島の福井優也がいる。
「3位以上ならプロ、それ以下なら社会人」と、事前にスカウトに希望を伝えてあったという山口は、強行指名に翻意することなくJR東日本に進んだ。
福井は巨人にドラフト4位指名されたが拒否、早大進学を希望したが、すでにスポーツ推薦の締め切りが終わっていて一般入試でトライしたが不合格となり、1年浪人して早大へ進んだ。
承知のとおり福井は、5年後に広島にドラフト1位指名された。
ただ清宮は調査票を各球団に提出する段階で「選別」は行うだろうし、そこで「選別」された球団がリスクを承知で強行指名を行うことは考えにくい。
となると、プロへの入団を拒否して、再び進学へ進路変更する可能性も低いと考えられる。
では、プロでは、どこでプレーすることが清宮を成功へ導くことになるのだろうか?
広岡氏に「あえて言えば?」と意見を求めると「まあ、あえて成功の可能性があるとすれば、DHのあるパ・リーグだろう。守れなくとも出場のチャンスは増える。ソフトバンクや、日ハムなど育成に定評のあるチームも多い」という。
パ・リーグで、清宮に熱いラブコールを送るのが、ソフトバンクを筆頭にした全球団。
面談に参加しなかった日ハムと、投手強化が急務のオリックスの参戦は微妙で、西武も面談で、清宮パパから1、2軍施設の老朽化などを指摘され、そこがマイナスポイントになっているというのだが……。
清宮に1位入札する球団は最終的に広岡氏が指摘するように6球団程度となるのだろうか。
▲補足、感想など
広岡さんの「評」は鋭いなぁ。
ましてや、その評がキレイに的を得るものだから、一層こたえる。
でも、と思う。
18歳なら、迷って当然ではあるまいか。
いろいろ迷っても、人生は長い。いくらでも挽回のチャンスがあるさ。