2017年10月4日水曜日

人食い中国は最末期症状。その6

いよいよ、中国経済がアブナイ。
 人民元の底も知れないような暴落がそう遠くないのではないのかな。

 まず、三橋さんの記事から、抜粋。

 「国家の規制がない」はずの仮想通貨が、中国当局に翻弄されている。
 一時は1BTC5000ドル(約56万円)に近付いたビットコインの価格は、中国当局の「新規仮想通貨公開(ICO)」の禁止、さらには中国国内のビットコイン取引所の閉鎖を受けて急落。
 一時、1BTC3000ドル(約33万円)にまで暴落した。

 実は、ビットコインの取引の90%超は、取引手数料がかからない中国で行われていた。
 昨今のビットコイン価格の急騰は、中国の人民が主導した典型的な投機バブルであった。
 ビットコインは、国際決済の際には実に便利である。
 というわけで、中国共産党が資本移動の規制をしている中国において、ビットコインが爆発的に流行したのだ。

 人民元を外貨に両替し、外国に送金しようとすると、手数料の問題もさることながら、当局の規制により手続きが極めて煩雑になる。
 それどころか、当局の許可が下りず、送金できないケースも出てきている。
 ビットコインは、中国当局の資本移動の規制をかいくぐる、抜け穴の一つだったわけである。

 そもそもの問題が何かといえば、中国の「外貨準備」の中身なのである。
 中国共産党は、外貨準備の減少や過度な人民元安を食い止めるために、人民元から外貨への両替を規制しているのだ。

 中国人民銀行は9月7日、2017年8月末の外貨準備高について、前月比105億ドル(約1兆1804億円)増の3兆0920億ドル(約347兆6026億円)と、7カ月連続で増加したと発表。
 中国の資本移動の規制強化は、確かに効果を上げている。

 中国の外貨準備高は、中身がよく分からない。
 日本の場合、外貨準備の95%はアメリカ国債、および各国中央銀行への預金で占められている。
 それに対し、中国の場合は、米国債は外貨準備全体の40%を下回る。
 残りの60%強は、民間銀行が保有する外貨を含んでいる、あるいはアフリカなどの鉱山などに投資されているといわれており、中央銀行が為替介入に使用することはできない。

 中国の為替暴落に対する防衛力(外貨で自国通貨を購入する力)は、意外なほどに脆弱なのだ。
 というわけで、中国人民銀行は為替安や外貨準備減少を防止するために、資本移動を規制しているわけである(結果、ビットコインが大流行した)。

 少なくとも、中国は10月の共産党大会が終わるまでは、「強い人民元」を演出しなければならない。とはいえ、資本移動の規制は中国への対内投資、中国からの対外投資の減少を招いている。
 中国経済は人民元の信用不安と、投資減少による経済成長の低迷との間で、綱渡りを続けているというのが現実なのである。


 ■三橋貴明(みつはし・たかあき)


補足、感想など

 下がろう下がろうとしている人民元を、買い支えるには、ドルが必要だ。
 上の記事にあるように、そのドルが不足気味だということだ。

 中国の状況をもっとも正確に反映しているのは、この人民元-ドルチャートなのだとつくづく思う。
 金融の世界は、実に残酷で冷酷だ。中国人のもつ情緒主義とは徹底的に合わないものであろう。中国人の・習近平国家主席の思惑なんぞしったことかと--人民元-ドルチャートは、冷静に中国の実態を指し示してしまう。

 ちょいと古くて、今年の春頃の宮崎正弘さんの記事を見てみよう。

 --ここから--

2017.3.30
中国に迫る経済大崩壊 人民元暴落は時間の問題、大混乱は必至

 中国経済は無数の爆弾を抱えている。
 リーマン・ショックを越える超弩級のバブル崩壊が射程に入ってきた。
 異様な住宅投資、不動産バブルの破裂、地方政府の債務不履行、企業倒産が続き、鉄鋼や石炭、レアアースなどの企業城下町では数万人規模の暴動が起きている。
 軍人30万人削減が発表されて以来、旧軍人の抗議デモが北京のど真ん中で起きた。

 野放図な鉄鋼、アルミ、セメント、建材、板ガラスなどの過剰生産と在庫は経営を圧迫するが、国有企業の効率的な再編は遅れに遅れている。

 債務不履行を避け、不動産バブルの炸裂を回避するために、過去2年間、中国当局が採用してきた政策は、西側資本主義では考えられない無謀さを伴った。
 「株式市場への介入」「『株を売るな』という命令」「空売りをしたら手入れをする」…。
 そのうえで、巨額資金を証券会社にブチ込んで株価維持政策(PKO)を展開した。
 株は人為的な操作で維持されている。

 外貨準備を減らさないために、資本規制という禁じ手を用いる一方で、外貨交換は年間5万ドル(約560万円)以内に制限した。
 そのうえ、500万ドル(約5億6270万円)以上の海外送金を許可制として事実上禁止し、海外旅行に出ようと銀行に両替に行くと、「ドルはありません」と言われる。

 日本企業も、中国からの利益送金が来なくなって悲鳴を挙げている。
 一方、当局に寄せられた新規マンション建設の申請は、合計34億人分と発表された。
 中国の人口は14億人だから20億人分の空部屋をつくるという計画だ。

 住宅への異常な投資が過去の中国GDP(国内総生産)を成長させてきたが、昨年師走の「経済工作会議」で習近平国家主席が、次の注意をしたのだ。「住宅とは人間が住むものである」と。
 究極的に中国の債務は30兆ドル(約3376兆円)とされ、銀行の不良債権問題が浮上する。
 人民元の大下落は時間の問題である。

 「上に政策あれば、下に対策あり」というのが中国人の特性だから、庶民が何をしているかをみれば次が読める。
 人民元暴落を見越して、昨年までは海外の不動産「爆買い」を続け、外貨が規制されると人民元で購入できるトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」や、スイスの高級腕時計「ロレックス」、仮想通貨の一種「ビットコイン」、「金塊」買いに狂奔している。
 大混乱は必至である。 
 ■宮崎正弘(みやざき・まさひろ)

 --ここまで--

 最新の動画で、宮崎さんは中国の債務を3700兆円だと言っている。
 この天文学的債務を中国人は返済していかなければならないのだ。

 アメリカのハゲタカなども舞い降りてこよう。
 中国人にとって、ツライツライ数十年が始まるだろうな。