▲妙な表現ではある。
場所がどうたらという問題ではあるまい。
まぁ、表題の言いは、コケオドシ・人食い中国人の表現であるから、やっかみ・嫉妬混じりの「いい方」なのだろうな。
これはなぁ、と思う。
英国の産業革命に100年遅れか、200遅れかの「差」ではないのかな。
産業革命組の諸国からみて、100年遅れくらいなら、まだ許容できるが、200年遅れは、「未開国」扱いされるとでも解釈すれば、そう外れてはいまい。
以下、中国の新聞から抜粋。
中国は社会主義国であるのに対し、日本は民主主義国だ。
隣国同士でありながら、日本と中国は国の体制からして違いがある。中国メディアは、日本は東アジアに存在する島国であるのに「なぜ西側諸国の一員」なのかと問いかける記事を掲載。
中国人たちにとって「西側諸国」と言えば、欧米の先進国が連想されると指摘する一方、実際は日本も西側諸国であると指摘。
地理的に見れば、日本は東アジアの島国であり、文化的にも中国の影響を強く受けた国であるのに、なぜ「西側なのか」と主張。
続けて、日本文化の源流は中国にあり、文化的に言えば中国は日本にとっての「師」であるとし、この意味からしても日本が西側に区分されるのは不可解であると主張。
一方、日本が西側とされるのは、「西側」と「東側」の基準が地理的要素や文化的要素とは関係ないためであり、政治や経済の制度によって区分されているためだと指摘。
日本は中国と違って政治面では民主主義を採用しており、経済では資本主義を採用しているとし、米国と同じ民主主義と資本主義を採用している国が「西側」と呼ばれるのだと指摘。
さらに、日本は19世紀に黒船来航をきっかけに西洋の先進的な文化に触れ、その後に「脱亜入欧」を目指したことは中国人なら誰でも知っていると指摘。
これが日本を「西側」へと向かわせた根本であるとし、東アジアに存在する島国である日本が西側諸国の一員とされる理由だと論じた。
▲補足、感想など
--文化的に言えば、中国は日本の師であった---というのはその通りだ。
日本の江戸時代において、武士階級の教養とは、論語などを始めとして、中国の古典によって精神性が形成されていた。
日本と中国の截然たる違いは、基礎教育に対する姿勢だろうな。
日本の場合は、「読み書きろそばん」という基礎教育を万民にむかって行おうという、為政者の意向もあって、教育が普及していた。もっと言えば、知性主義というものが奈良・万葉集の時代から形成されていた。
対して、中国は、北にいる騎馬民族が中原にいる農耕民族を襲撃して、王朝を建てるということを繰り返していた。
騎馬民族によって、王朝が交代するごとに、人民は逃げ惑い、文化は雲散霧消してぶつ切り状態となった。
また、騎馬民族の為政者は、支配下の中国人相手に愚民化政策(基礎教育の軽視、漢字の難解化)を取り続けた。
結果として、西欧諸国からの黒船による脅威を受け始めた、19世紀半ばで、中国人の識字率5%、対して日本人は70-80%という識字率だったのだ。
結局、この日中の識字率の差が、日本の明治維新の成功、中国の洋務運動の頓挫という現象を生じさせた。
明治維新以後、日本は、日清戦争・日露戦争を経て、太平洋戦争で頓挫したが、戦後、目覚ましく復興して今に至っている。
対して、中国は、洋務運動が頓挫して、識字率が低いまま、20世紀に入って、欧米諸国の植民地状態となり、また、日本との満州での紛争が拡大したまま、太平洋戦争に突入した。
戦後は、共産党が政権をとって、毛沢東という「お花畑思想」の独裁者に振り回され、文化大革命という「大焚書坑儒」をやって混乱し、トウ小平という実力者政治家によって、ようやく軌道修正をして、今に至っている。
こうして、中国のここ200年の歴史を振り返ってみると、振り幅が大きい。
その根底にあるのは、やはり、識字率の低さが原因だろう。それは、日本のような「読み書きソロバン」という基礎教育を軽視することの結果としての、識字率5%なのだな。
知性主義というものが、中国人には理解できないだ。
もっとはっきり言えば、教養というか、常識がないものだから、禽獣に近い感覚で生きているということだ。
今晩、どうしたら食料が確保できるだろうか---ただただ、それだけで生きているのだ。
いや、話がちょいとそれた。
日本と西欧諸国では、高識字率、民主主義、資本主義というところで共通している。
まぁ、同じ価値観をもっていると言っていいだろう。
その意味で、日本が西側諸国の一員という表現について奇妙であるが、まぁ、否定はしない。
中国は、上でふれたように、英国の産業革命に200年も遅れ、21世紀に入った今もって、識字率30%で、国民の殆どが無学文盲・無知蒙昧、今も選挙もされていない前近代的なシステムを取り続けている国だ。
ここ数年の無謀な経済政策で、3,700兆円の債務を抱え、ジニ係数に至っては7を越えて、いつ、大規模な暴動が起こってもおかしくない状態だ。
そんな中国を、高識字率・民主主義・資本主義という共通の価値観をもつ、産業革命組及び100年遅れの日本が、親和性を感ずる訳があるまい。
もうすぐ、中国は3700兆円もの債務に圧し潰される。
圧し潰された後は、ハゲタカ共にあちこちを食われるだろう。
日本及び西欧諸国は、それをただただ、じっと眺めているだけだ。