▲そりゃ、その通りだろうなぁ。
でも。
経済的な圧迫だけでは、金委員長が亡命をするとは思えない。
つまるところ。
なんとしても、金委員長の頭の銃を突きつけて、「亡命するか」と決断を促すしかあるまいと思えるが---。
以下、新聞から抜粋。
緊迫していた危機が一転、和らいだような空気が朝鮮半島で漂っている。
制裁網を切り崩そうと、北朝鮮が韓国にほほ笑みを投げかけているからにほかならない。
だが、北朝鮮に核ミサイルの開発をやめる気はなく、米国もそれを黙認するつもりはない。
平昌冬季五輪・パラリンピックが3月18日に幕を閉じれば、再び、緊張が高まってしまう。
米国は、韓国との合同軍事演習を4月にも再開のつもりだ。
五輪開会式に出席したペンス米副大統領に対し、文在寅韓国大統領も反対しない意向を伝えたという。
問題はその後である。北朝鮮は米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成にまい進するにちがいない。それを阻む方法は、2つしかない。
ひとつは軍事作戦によって核とミサイルを取り除くことだ。
トランプ米政権はこの選択肢も排除しない姿勢をみせているが、避けたいのが本心だろう。
だとすれば、もうひとつの道は 「体制が崩れてしまう」と北朝鮮が感じるまで制裁を引き締め、核武装の断念を迫ることだ。
昨年来、国連制裁は積み上がってきており、この路線は着々と成果が上がっているようにみえる。
しかし、北朝鮮を翻意させるまで制裁を強めるには、厚い壁が待ち構えている。
その壁とは、国家としての北朝鮮が崩壊し、地上から消滅してしまうことを、どの国も切望していないという 「不都合な現実」である。
制裁を浴びせた末、制御が効かない金正恩政権が潰れ、少しは話が通じる政権に代わるなら、中国も含め、各国とも歓迎するだろう。
だが、北朝鮮という国家まで消えるとなれば、話は別だ。
朝鮮半島に「権力の空白」が生まれ、地政学上、予測がつかない大動乱が起きかねないからだ。
そんなシナリオを恐れている国のひとつが中国なのは疑いない。
北朝鮮から多くの避難民が国境に押し寄せ、安定が脅かされる恐れがある。
さらに地理的なバッファーを失い、米国の同盟国である韓国と国境を接してしまう。
これを避けるため、中国は金正恩政権に見切りをつけたとしても、北朝鮮を存続させようとするだろう。
では、米国はどうだろうか。
トランプ政権内には、ICBMの配備を阻むためなら金正恩政権を潰しても構わないという意見がある。だが、北朝鮮という国家を消滅させ、一気に半島統一にもっていくべきだという主張は少数派のようだ。
内情を知る元米政府高官はこう打ち明ける。
「北朝鮮がいきなり潰れたら、混乱はイラクの比ではない。治安を立て直すどころか、テロが散発するかもしれない。3万人程度の在韓米軍ではとても対応できないし、米韓両軍が北緯38度線を越えて北上したら、中国軍が介入してくることも考えられる」
こうした本音を反映してか、ティラーソン国務長官は昨年来、北朝鮮が核放棄に応じることを前提に、次のような趣旨の方針を表明している。
▼北朝鮮の政権交代を求めることはない。
▼朝鮮半島の統一も急がない。
▼北緯38度線より北に米軍を派遣する口実を探さない。
▼仮に北朝鮮が崩壊し、核兵器を確保するために米軍が38度線を越えたとしても、状況が落ち着けば、韓国側に退く。
この方針は中国にも伝えたらしい。ティラーソン長官はトランプ大統領との不仲から、辞任説も流れた。
だが、今年に入り、マティス国防長官らとの連携を通じ、影響力を回復しつつあるという。
彼の発言は米政権の一部の立場を映しているといえるだろう。
米中だけでなく、日本にとっても、北朝鮮の消滅は必ずしも理想のシナリオとは言いがたい。
半島が大動乱になれば、日本にも火の粉が降り注ぐ。
仮に韓国主導の統一が実現したとしても、復興のために莫大な資金支援を日本は期待されるだろう。
さらに日本は地政学上、難しい環境に向き合うことになるかもしれない。新たに出現する「統一国家」は、より反日色が濃くなる可能性があるからだ。
日本政府の安全保障ブレーンは予測する。
「南北が統一されれば、反日イデオロギーの教育を受けてきた旧北朝鮮の人々もやがて有権者となり、投票するだろう。そうして生まれる新国家が、今より親日的になるとは考えづらい」
この点、ロシアは半島が統一すれば、米中いずれかの影響力が強まりかねないと警戒する。
では、最後に残った韓国はどうだろうか。文在寅政権は北朝鮮との融和に熱心だが、皆がいま
すぐ南北統一を実現したいと願っているわけではないようだ。
昨年春に韓国政府の研究機関が実施した世論調査によると、統一は「必要」と答えたのは57・8%にとどまった。20代では「必要ない」との回答が6割を占めた。
こうした構図が正しいとすれば、日米韓中は北朝鮮に制裁を浴びせ、核を放棄させたいものの、少なくとも現時点では、国家が消えるまで追い込むつもりはないということになる。
北朝鮮は各国のそんな本音に気づいているのかもしれない。北朝鮮が抱える地政学リスクが彼らの一助になっているとすれば、極めて皮肉というほかない。
▲補足、感想など
誰も、北朝鮮を消滅させようとはしていない。
要は、北朝鮮の金委員長にロシアかスイスへ亡命してほしいだけだ。
だから。
米国の特殊部隊で攻撃し、金委員長の頭に銃をつきつけて、「亡命?イエスかノー」かと問うしかあるまい。
それ以外に考えることができない。筆者には。