2018年3月13日火曜日

どう、老人達の健康を維持するか—で大きな産業となる

いや、なにかというと、老人—筆者も今年古希を迎えるから、その類いではある。
 筆者等の年齢層が、こらから20年という歳月をどう「健康に暮らせるか」という「支援」するだけで、そこに大きな産業が成立するというのだ。
 なるほどなぁ、我々、団塊の世代は1学年、240万人もいるのだ。
 老人用に、少し活字の大きな文庫本を作るというだけで、トレンドにはなる。
 そのあたりを新聞が記事としていた。
 抜粋してみよう。

 2017年、日本では90歳以上のお年寄りが初めて200万人を超えた。
 65歳で退職する人たちには、青春時代をもう一度過ごせるぐらいの時かある。
 医療の進歩がもたらした長寿化は、ビジネスの目線を変え、社会の仕組みに見直しを迫る。
 人生100年の設計図づくりは、個人も社会もこれから始まる。

 放っておくと糖尿病になる人、1000万人。
 老後の暮らしが不便になる人を減らすため、あいち健康の森健康科学総合センターとオムロンなどは生活習慣を助言する人工知能(AI)の開発を進めている。

 スマホが助言
 「歩かないと体がなまりますよ」 「この調子で続けてください」。
 愛知県で働く55歳のある男性のスマートフォン(スマホ)には、AIから定期的にメッセージが届く。
 昨年12月に「糖尿病の気がある」とされた男性の体重や血圧を常にアプリが把握。
 必要に応じて医師や看護師が助言する。男性は「食事制限や運動はしんどいが、これなら続けられる」と話す。

  「七福神アプリ」。
 あいち健康の森などがこう名付けたこのAIは、生活習慣病に目配りする。糖尿病は重症になれば週3回の人工透析に進み、年580万円かかる。透析患者はすでに10万人を超え、かかる医療費は年6千億円。
 多くの人の手元にあるスマホは、有力な健康アドバイザーだ。最先端の仮想現実(VR)はリハビリの舞台を提供している。医療機器開発のmediVR(東京・千代田)が開発した機器は、VRを使ってリハビリを手助けする。

 利用者はゴーグルを着け、目の前に落ちてくるブロックをつかもうとして腕を伸ばす。
 認知の力と身体能力がともに鍛えられる。
 原正彦社長は医師だったとき、入院中に足腰が衰え、病が癒えても車いす生活が続く患者を多く診てきた。医療機関の37・1%が足りないとする「理学療法士」の仕事をVRで補う。
 18年夏にも介護施設や病院などに販売を始める。

 厚生労働省によると、16年に生まれた女性の平均寿命は8714歳。同じ年に健康に暮らしている人の平均年齢にあたる 「健康寿命」は7479歳だ。多くの人は医療や介護のもとで長生きする。
 少しでも長く、健康でいたい人のニーズは商機だ。
 富士通総研の大原宏之プリンシパルコンサルタントは、健康関連サービスの市場規模が11年の4兆円から20年には10兆円に伸びると試算する。
 税や保険料、窓口の自己負担にあたる日本の国民医療費は15年度に42兆円を超えた。
 国と地方の債務残高は名目国内総生産(GDP)の2倍弱に達し、公的な支出だけで医療費をまかなうのも限りがある。民間サービスの育成が欠かせないが、ここには壁がある。

 米は規制緩和
 医療サービスを後押しする立場の経済産業省がうらやむ取り組みが米国にある。
 米食品医薬品局 (FDA)が17年9月から進めるウェアラブル端末で集めたデータを医療現場で検証する実験だ。 身につけるウェアラブル端末は医療機器ではなく、これで測定する体温などの数値は医師の診断根拠には使えない。
 米国は規制緩和に動き出したが、日本では議論が進んでいない。

 世界は先に進む。
 オランダのフィリップスは服薬履歴や通院歴などを一元化し、医師と共有できるアプリを開発。
 中国の海信集団(ハイセンス)は遠隔で健康相談を受けられるアプリを提供している。
 ITを使った健康関連ベンチャーへの投資額は、日本は米国の100分の1、欧州や中国の10分の1という試算もある。

 人生100年の国。
 健康に生きるための新たな民間サービスが育てば、それが新たな雇用を生み、経済の活力を増す。長生きを成長につなげるチャンスを、世界に先駆けて長寿になった日本がつかみ損ねるわけにはいかない。 

補足、感想など

 う~ん、痴呆症についての記事を転記してみよう。

 --ここから--

 超高齢化社会を迎えた日本では、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると厚生労働省は推計。このコラムで、「認知症が増加する!」と書きました。
 しかし、近年、日本をはじめとするアジアで認知症患者が急増している一方で、欧米ではなんと認知症の有病率(ある時点における有病者の割合)が減ったという結果が発表されている。
 米国や英国、オランダ、スウェーデンなどの研究では、この10年間で認知症が最大で10%も減少したとのこと。

 その理由は何でしょうか? 認知症になる危険因子として最も重要なのは運動不足や心血管疾患につながる生活習慣病であることが分かってきたことと、生活習慣病の治療が進歩したことが要因に挙げられます。
 それと並んで欧米の研究で注目されているのは教育環境の改善です。
 教育環境が認知症の発症に密接に関連することは以前から知られていました。
 質の高い教育を受けると、健康情報への関心や理解力が高まり、自主的に認知症発症のリスクを回避した生活を送ろうと努力するようになるからです。

 さらには健康診断の受診率が向上し、さまざまな疾患の危険因子となる生活習慣病の早期診断、早期治療につながると考えられます。
 またその他にも、教育年数が長いほど脳の神経細胞が活性化されるので、認知機能の低下に歯止めをかけるのではないかとも考えられています。
 では欧米と同様、日本でも今後、認知症の発症を抑えることができるのでしょうか。

 実は日本でも多くの研究者が、認知症を減らすことは可能であると考えています。
 先に述べたように、認知症の発症には加齢や遺伝的要因以外にも、運動不足や鬱病、中年期からの糖尿病や高血圧といった生活習慣病がリスクになることが明らかになっているので、
 生活習慣病の早期治療や運動、対人交流の増加などが認知機能を改善することが期待できます。
 そして何よりも欧米に負けず劣らず、日本には世界に誇る高い教育環境があるではないですか。

 テレビの健康番組などを見て短絡的に、認知症を過剰に恐れるのはやめましょう。
 認知症は生活習慣病の一つだと理解して、今すぐにでも適度な運動や知的活動の習慣づけ、バランスの取れた食事への配慮、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理を心がけましょう。
 そして2025年、厚労省にあの推計は間違いでした、と言わせるように日々頑張っていきましょう。
 (県立医科大学 脳神経外科准教授 小倉光博)

 --ここまで--

 この記事に対する書き込みがあった。

 --ここから--

2017/08/27(
 うーん高名な医師なのであろうが逆に認識が甘いですなあ。
 記事にはあえて書かれていないのであろう恐るべき数字を挙げてみよう
 まず有名な団塊世代が75歳に達する2025年問題のおさらいからである。
 この年から認知症患者は激増を開始し、現在の450万人から最大時には630万人に激増する。
 また、認知機能が低下し日常生活に支障をきたすことを軽度認知障害と呼ぶが認知症と軽度認知障害の合計人口は実に1100万人に達すると推測されているのである。

 つまり国民の1割が日常生活に支障をきたしその半分は施設や介護人がいなければ生きられない異常な事態がわずか7年後から急速に開始し ピークは2040年頃になるから少なくとも二十~三十年ぐらいは日本を揺るがす大問題になるのに この識者はなにを悠長にかまえているのか
 専門家ならば警鐘を鳴らし、医療と介護の抜本改革を提言すべきであり、事実を隠した気休めなら要らないのである。

2017/08/27()
 質の高い教育と言ってるけれど、患者の大部分が元公務員で教員が職業別の最多患者。
 農家や土建屋などの肉体労働者では少ない。大学の教育だと理系では極端に少ない。

 --ここまで--

 書き込みでは恐るべき指摘がなされている。
 団塊世代の痴呆症か。
 自分たちのことであり、この痴呆症への対策をどうするか—というのは、喫緊の問題ではある。