いや、自分のdbを検索していたら、こうして、自分の子供をひきこもりから脱出させたという記事があって、それを読みながら、あぁ、こういう方法もあるだろうなぁと納得した。
それをご紹介したい。
以下、記事から抜粋。
2012/04/21(土)
ダイヤモンド・オンライン
自分の身体を見て「体を整える」やり方で、引きこもっていた2人の息子を回復させた母親がいる。 東京都に住む yさんだ。 「引きこもりは、気力だけではどうにも解決できない」
yさんは、引きこもっていた長男と次男の筋力が衰えていたため、母親自らが体のメンテナンスをすることに よって、回復を手助けしたという。
大きな悩みがあるときに、呼吸が浅くなる経験をした人も多い。
しかし、体の仕組みから考えていくと、
それは病気ではないとyさんはいう。 「感情がトラウマだったとすると、その記憶を思い出すと、体に出てくるんです。
自分の体に感じたものは、心ではなくて、体が 覚えているんですね。
だから、体が一緒に反応してくるということは、体を治さなければいけない」
■教師を辞めてカイロプラクティックの道へ 長男は大学卒業、次男は専門学校に
yさんは2年間、カイロプラクティックの学校で勉強。2005年、東京に「324カイロプラクティック
オフィス」を開業。 カイロプラクティックとは、米国で発祥した骨格を矯正する療法で、解剖学や神経学に基づいた手の技。
日本人向けには、筋肉をほぐしてから、骨格のゆがみや肩こり、腰痛などを整えていく。
この療法を学び、実践したことで、yさんの長男は、大学を卒業し、資格の取得に向けて勉強。
また、 次男も高校認定を取得。ITの専門学校にも入学し、就職活動をしている。
「息を吸うと、肋骨筋が上がったり下がったりすることで、肺を膨らますんです。背中が曲がったり、骨格が曲がったりすることで、肺が膨らまなくなる。息の容量が少なくなってしまう。酸素が足りなくなれば、血流が悪くなる。体の筋肉
が緊張して、血行に異常をきたし、『心拍変動』にも影響する」
yさんは、高齢者が将来、寝たきりや要介護にならないよう、筋力の低下を防ぐことが大事だという、日本整形外科学会が
2007年に提唱した「ロコモティブ症候群」に注目した。
「歩いていない、動いていないということは、筋肉を使っていない。気持ちで動きたいと思っても、体がついていけなくなる。引きこもり
の人たちもメカニズムは同じなのではないか」
多くの人たちは、体は自然に動くものだと思っている。ところが、ねん挫などで痛みをかばう姿勢がずっと残っていたりすると、体の
左右のバランスが変わってくると、山本さんは説明する。
つまり、右に傾いていれば、右足に負担がかかり、体は中心軸からブレるというのである。
「どうしたら、体がほぐれるのかというと、温めてあげるとか、スキンシップをすることです。私たちはお薬を使えませんので、 アロマオイルを併用しています。嗅覚や皮膚からだと、すぐに効果が表れます。
骨盤が曲がると、必ず首に来ます。気持ちがうつになったら、姿勢を正して後ろ向きになることはない。どうしても前かがみになるので、首に負担がかかる。うつのときでも、薬を飲む前に、
まず首を治して様子を見ることです。体が動くようになれば、気持ちも違ってきます」
引きこもっていた当事者たちも、施術を受け、回復していったケースも少なくない。
■肩の高さや体のバランスのずれが解消!筆者のカイロプラクティック体験記
「肩の高さが、違いますね」。
指摘を受けた筆者も、山本さんのカイロプラクティックを体感してみることにした。どうやら、左右の骨盤が違うらしい。
メニューは、ヒバのオイルを入れた足浴と、手のほぐしだ。
まずジャケットを脱ぎ、ベルトを外して、右と左の重さを片足ずつ測る体重計に乗ってみた。
左右の体重計の差がゼロに近ければ近いほど、バランスがとれていることになる。
ちなみに、左右差が8キログラムあると、内臓の具合が悪い。25キログラム以上あると、脳梗塞などの疑いがあり、 病院に緊急入院してもらったケースもあったという。
「病気する人は、血流が変わってくるので、バランスが崩れているんですね」
結果は、右67ポンド、左80ポンド。13ポンドも差があって驚いた。「左のほうに負担がかかっていることになります。肩が右のほうを向いていますよね。それに、立ったときに、手の位置や長さも左右が違う。なぜかというと、右の肘がよじれていますね」。右の掌が下に向かってよじれていた。
「男の人は、肘が曲がると、目に来るよ」そういわれながら、右手をほぐしてもらい、意識しなくてもまっすぐになるよう調整してもらった。
次に、手だけを入浴。湯には、神経を安定させる効果のあるヒバのオイルを入れた。そして、湯の中で問題のある指をほぐしてもらった。
「右の人差し指が硬い。どうしても右手に問題がありますね」。1日中、パソコンを打ち続けている生活とも関係があるそうだ。さらに、ズボンをまくって、足温浴に挑戦。ヒバの香りが森林浴をしているような気分にさせる。ヒバは、防かび剤やシロアリ予防に使われる。
水虫予防にもいいらしい。
「足首の形は、左のほうに問題がある。ねん挫や骨折、子供の頃、階段や滑り台から落ちたことなどが、ずっと影響していることが多い。こうやって、自分の負の部分を知ることが大事なんですよ。自分でメンテナンスを心がけると、状況は変わってくるのです」
エッセンスオイルは常時、20種類以上。オイルを湯に入れると、記憶力がアップするという。
また、元気がない人には、オレンジの香りがいいらしい。このままの状態で右手から順番にほぐしてもらっていると、うつらうつら眠くなってきた。
「肘を治すことによって、肩の位置も変わってきます。肩こりや首の調整をするときは、原因の手からほぐさないと意味がない」
体がだんだん温まってきた。
湯に浸かる右足が少し内側のほうを向いているのも、バランスが悪いからだという。
そこで、アクチベーターという器具を使って、ダダダダダという振動を右のふくらはぎに当ててもらった。脊椎が瞬間的にリセットされる効果があるらしい。
「時間が経つと、また戻ってしまう。ただ、3週間に1回くらい、リセットを繰り返していくことによって、変わっていくんですよ。期間は人によって違います」。こうして再び、体重計を測ってみた。左右の差は、わずか3ポンドほどの違いだ。原因は病気でなく、筋肉の硬さだった。
「iさんもクリスマスブーツ状態で、足としてはうまく機能されていない。ふくらはぎをもっとメンテナンスしてあげれば、疲れは取りやすくなると思います」
■心の回復は体を改善することから
ここは、口コミだけで、宣伝はしていない。基本的に女性専用だが、紹介などがあれば男性でも対応しているという。
「心が病んでいる人には、家で何かを説得するよりも、気持ち良くしてあげたほうが早いんです」。考え方を変換させる認知行動療法とは、また違ったアプローチだ。
体の構造を勉強すると、自分の体を客観的に見ることができるというのは、当事者だけに限らず、興味深い話である。
▲補足、感想など
精神の問題を、「形」から治療するというのは、新しい発想だなと感じた。
上の言葉なんてどうだ?
-- 心が病んでいる人には、家で何かを説得するよりも、気持ち良くしてあげたほうが早い --
筆者は、基本的にひきこもりに対して、戸塚さんのようなアプローチを考えていた。海にほうりこんで、「生きたい」という自分の内部からのエネルギーが出現するのを待つという考えかただった。
しかし、このyさんの体験を読んで、カイロプラクティックという「手段」があるのだなぁと思った。なるほど、この手段の方が手軽で、もっと幅広く応用できるのではないかなぁと感じる。
最後にどの程度の人数のひきこもりがいるかという記事を転記しておこう。
--ここから--
2016/11/26
仕事や学校に行かず、家族以外とほとんど交流しない「引きこもり」の人のうち、40歳以上で期間が10年以上にわたるケ-スについて、全国団体が初の実態調査を始めた。
引きこもりに至った経緯や支援の有無などを分析。自治体の相談窓口にも聞き取りをし、社会参加に結び付く具体策を提言する。
年内にも結果をまとめる予定だ。
引きこもりの「長期化・高年齢化」が進むと、抜け出しにくくなったり、親が亡くなった後に経済的に困窮したりする恐れがある。調査結果は国の施策づくりに役立ててもらう。
調査は「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」 が厚生労働省の助成を受けて実施。全国を6ブロックに分け、家族の中に「40歳以上、10年間以上」の引きこもりの人がいる各10~15世帯程度を対象にする。
相談機関の利用や就労経験の有無のほか、家族との関係や活動範囲など、本人を取り巻く状況を時系列で尋ねる。
昨年施行された生活困窮者自立支援法に基づく自治体の取り組みも調査。
高齢の親と子供が同居し経済的に追い詰められる例もあることから、特色ある活動をしている北海道月形町や広島市、北九州市など全国6ヵ所の相談窓口を訪問し、サポート内容を聞くほか、200ヵ所にアンケートを送付。内閣府は9月、15~39歳の引きこもりの人が全国で約54万人に上るとする推計結果を公表。
ただ若者世代の支援を目的としたため対象に40歳以上が含まれず、現状を反映していないとの指摘が出ていた。
--ここまで--
精神を「形」で治療するというなら、あんまでもいいし、ヨガでもいい、柔道整骨でもいい、もしかして針灸も効果があるかもしれない。
こう考えれば、まだまだ、治療法はいっぱい有る気がするなぁ。ひきこもりに関して、悪徳業者が跋扈するのは、こういうひきこもりが出た時に、「対応方法」が親に、分からないからであろう。
すべてうまくいくかどうかは分からないとしても、こういう対応方法で解決したという事例を知っておくことの大切さを感じる。
最後に引きこもりの周りを跋扈する悪徳業者の例を挙げておこう。
--ここから--
2017/06/13(火)
ひきこもりの自立支援をうたうビジネスでトラブルが続出している。
5月に、『クローズアップ現代』「トラブル続出 ひきこもり“自立支援”ビジネス」という特集が放送。
そこで、ひきこもりの人々を支援する施設で監禁や暴力などのトラブルが頻発しており、高額な契約料を要求されるという実態が伝えられた。
ある女性(Aさん)は、そうした業者の被害に遭い、親は契約金として約570万円を支払った。 今、訴えを起こしているが、その代理人を務めているのが弁護士のm氏だ。
6月に行われた第1回口頭弁論を踏まえて、ひきこもりの自立支援ビジネスをめぐる被害の実態や業者の手法について、m氏に話を聞いた。
●鍵を壊して拉致、施設に監禁して暴力も
――「ひきこもりの自立支援」をうたいつつ、実態は悪質なビジネスを行う業者の存在が明るみに出ている。業者に対して、母親が提訴。概要から、教えてください。
m氏:Aさんは、もともとひきこもりではありません。母親と親子ゲンカをして、Aさんが母親に手を上げました。そこで、母親が改善を望み、業者に相談しました。
業者に「すぐに解決しなければ」と言われ、事務所に出向くと、母親は「お子さんの未来のためです」と説得を受けて、約570万円を支払う。お金は、翌日には支払っています。
そして、業者はAさんが住むマンションに押しかけ、千葉県内の施設に拉致同然で連れて行った上、そこでは暴力も行われていました。Aさんは、施設から逃げて警察に相談、警察は施設側の「精神疾患がある。脱走した入居者で虚言癖や自傷癖がある」という言葉を鵜呑みにして、Aさんはそのまま施設に返されました。
結局、Aさんは3カ月も軟禁されました。訴訟において、拉致、監禁、暴力について、一つひとつ立証することは難しい。
そして、業者は「そのようなことはやっていない」と反論するでしょう。私たちがそれを証明するには、高いハードルを越えなければなりません。
そのため、支払った約570万円にふさわしいカリキュラムや支援が受けられていたのかについて追及します。
債務不履行として約570万円の返還と、Aさんが3カ月以上も軟禁同然の生活を強いられていたことの肉体的・精神的な苦痛に対しての慰謝料を求めていきます。
――mさんは、このような業者を「引き出し業者」と呼んでいます。全国にどれくらい存在するのでしょうか。
m:いくつかの業者名はわかっており、一定数存在しています。
今回の事案は、元警察官が業者の運営に携わっており、表向きは警察や行政と連携しているしっかりした支援団体であることをPRしています。
一般論として、私は、貧困ビジネスと同様に反社会的勢力のネットワークを感じています。 表面上はクリーンな人間を代表にして、実権は反社会的勢力が握るという例もあるようです。
●なぜ親は業者に頼る?1000万円払うケースも
――ひきこもりの問題は、なぜ放置されているのでしょうか。
m:ひきこもりの問題は、医療と福祉のはざまで起きています。
医療の対象にも福祉の対象にもならないからこそ、法律で報酬が定められておらず、このような業者が多額の報酬を請求する状況になっているわけです。
ひきこもり自体は思春期に発生することが多く、「登校拒否」「不登校」、そして「ひきこもり」という言葉に変わっていった経緯があります。長期化することも多く、今は30~40代のひきこもりも多く存在するなど高齢化しています。
「好きでひきこもっているのだから、国の支援は必要ない」という意見もありますが、ひきこもりの方が社会参画できないことは社会的損失にもつながります。
親御さんが元気なうちはひきこもりの方を養うことができますが、親御さんに何かあれば、生活保護受給者になる可能性もあります。
ひきこもりの方が社会で働くことは生活保護受給者の減少にもつながり、社会全体の向上にも寄与するため、ひきこもり支援は十分な合理性があると考えます。
――ある時期、引き出し業者を礼賛するようなテレビ番組すらありました。これについては、どうお考えですか。
m:日本は家族主義が強すぎて「家族のために個人が犠牲になるのは仕方ない」という発想と親和性が高い。
実は、親御さんもお子さんがひきこもったらどうしたらいいかわからない。
解答を持っていないのです。そのため、藁にもすがる思いで「業者なら答えを持っているのでは」と考えて頼るケースがあります。
さらに、親御さんはお金で解決することで一種の贖罪をしたいという気持ちもあるでしょう。今回は約570万円ですが、なかには1000万円以上を支払ったケースもあります。
●ひきこもりの社会復帰に必要なこととは
――ひきこもりの方の社会復帰という問題は、根性論では解決しないということですね。
m:ひきこもりの方を社会復帰させるには、ドラスティックな手法ではなく、長い時間をかけて地道に信頼関係を構築することが大切です。そして、自発的に「外に出よう」という気持ちに持っていくという流れが王道です。
ひきこもりの方の多くは、働こうと思えば働けます。しかし、今の社会では生きづらさを感じているのです。
--ここまで--
記事にもあるように、子供が引きこもったとき、親自身が、その対応方法が分からない、知らないのだ。
それこそが、ひきこもりの周辺に悪徳業者が跋扈する理由なのだ。
新聞でもいい、ブログでもいい、日頃、ひきこもりからこうして回復したケースというものを保存しておく--という必要があるのではないのか。