▲文化というものは、必死に守り続けなければ、すぐに雲散霧消してしまう。
大陸国家というものは、絶えず、異民族が攻めてきて、国内が蹂躙されて混乱におちいり、平穏な時代に育ててきた「文化」というものが無くなってしまうのだな。
西欧諸国でもそうだ。
これっといった、派手な祭りも残っていない。
なんとか祭りたって、しょぼい、盛り上がりに欠ける祭りとなってしまっている。
結局、歴史が浅いためであろう。
対して。
日本は、ユーラシア大陸から更に東へ海に入った島嶼国家だ。
二千年近い歴史があって、異民族によって支配を受けたことがない。
ために、価値観などの逆転を経験したことがない。
そのお陰で、日本人の先祖の試行錯誤が残されてきたのだ。
その一つが桃の節句・ひな祭りだ。
以下、中国の新聞から抜粋。
中国メディアは、「日本のアニメに中国由来の伝統的な祝日が頻出することについて、われわれは反省すべきではないか」とする記事を掲載。
近ごろ日本で放送されたアニメ番組で、3月3日のひな祭りがテーマになっているのを見たと紹介。
「作品中でひな祭りが話題になっているのを見て、中華文化のなかでわれわれは一体どれだけのものを受け継いできただろうか。日本でひな祭りは民間の5大節句の1つとされている。5大節句は全て中国から入って来たものだが、日本人は今もなおこれらの節句を大切にしている」と。
そして、日本のひな祭りについて「3月3日のこの日、人びとは食べ物を準備し、さまざまなイベントを開催してお祝いする。
女の子がいる家庭では、家の中に日本の宮廷貴族や侍者の装束を身に着けた美しいひな人形を飾る。ひな人形は日本の家庭において最も精美かつ豪華で貴重な物の1つだ。日本の女性にとって、間違いなく大事な宝物なのである」と説明。
そのうえで、「中国では、急速な発展のなかで、春節、清明、端午といった祝日や、恋人の日として曲解されている七夕以外に、伝統的な祭日を覚えている都会人が果たしてどれだけいるのか」と疑問を提起。
記事によれば、「恋人の日として曲解されている七夕」はもともと、女子が裁縫や機織りの技術の上達を願う「乞巧」の活動をする日で、地域によってさまざまな方式があったとのことである。
▲補足、感想など
残っていないのは、自分達がその手で、その指で破壊したからであろう。
焚書坑儒とか、文化大革命のことを思い出してみよ。
なにを言っているのだ?
また、冒頭でふれたように、北方から騎馬民族が攻撃してきて、国内を蹂躙され、異民族による支配を何度も受けたからであろう。
大陸国家ゆえの宿命かもしれないな。
こう考えれば、日本に残って、中国では雲散霧消するって、その国家の地理的位置の「結果」かもしれないな。
だから。
中国の急速な発展とやらと直接の関係はあるまい。
ひな祭りの「ひな飾り」は、江戸時代に発展したものだろう。
鎖国していて、平穏な時代に発達したものだ。逆にいえば、江戸時代という平穏な時間が長く続いたが故の「ひな人形」といえるのだろう。
その国の地理的位置が、「文化を保存し残していく」ということと密接に関係しているということだろうな。