▲原発の建設費が高騰し続けている。
しかし、日本においても、原発に完全に代替可能なエネルギー源は見つかっていない。
現在、再稼働中ないし、再稼働を準備している原発もいずれ耐用年数が来てしまう。
そうなれば、原発を新設する必要がどうしてもでてくる。
また、世界を見渡しても、原発の建設を検討している国、地域は多く存している。
そのために、どうしても、日本は原発の建設能力、建造能力を維持していかなければならない。
今、そのせめぎ合いの中で、日本の三菱重工とか日立などが苦戦している。その苦しさを理解してあげて欲しい。
まず、トルコの原発建造の記事から抜粋。
2018/03/15(木)
対トルコ原発輸出、建設事業費が倍に 安全対策費かさむ
三菱重工業など日本企業がトルコで手がける原発建設計画の総事業費が、想定の2倍以上にふくらむ見通しであることが分かった。
計画は原発輸出を成長戦略に掲げる安倍政権が推進しているが、2011年の東京電力福島第一原発事故後、原発の安全対策費がかさみ、日本企業が採算を取るのが難しくなっている。
計画ではトルコ北部の黒海沿岸のシノップ地区に原発4基(出力計440万キロワット規模)をつくる。
三菱重工と仏企業が共同開発した新型炉「アトメア1」を採用し、建国100周年の23年の稼働をめざす。伊藤忠商事や現地の電力会社なども参画する予定だ。
当初、事業費は4基で2・1兆円程度と見込まれていた。
だが、事業関係者によると、日本側が事業化に向けて調査する過程で1基あたり1兆円を超え、総額4兆円以上にふくらむ見通しが分かった。
原発の安全規制を強化する流れが加速したためだ。23年までに完成させるのも厳しそうで、日本側は今年に入り、トルコ側に想定通り進めるのは難しいことを水面下で伝えた。
トルコ側からは「失望した」との感想が漏れたという。
▲補足、感想など
書き込みを読んでいると、トルコの注文に応えたら、2倍になったということらしい。
どのあたりで折り合えるのかは分からないが、それはこれからの交渉次第だろう。
日本が一方的に引く必要もあるまい。
エネルギー源が欲しいのはどの国も同じ。ましてや、日本製というブランドにかけて変な工事はできない。
次に、日本国内での原発の再稼働などの記事をみよう。
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関西電力は14日、大飯原子力発電所3号機を4年半ぶりに再稼働させた。
5月中旬には同4号機も動かし、今夏に電気料金を再値下げする。
値下げ幅は家庭向けで4%を軸に検討に入る。
2年前の電力自由化以降、家庭客の1割を大阪ガスなどに奪われた。反転攻勢に出るが、大ガスも対抗値下げに踏み切る方針で、競争は激しくなる。
大飯3号機は同日午後5時に稼働した。
岩根茂樹社長は「安全最優先で緊張感を持って、慎重に作業を進めていく」とコメント。
国内で再稼働した原発は6基目。
大飯3、4号機の出力は各118万キロワットと関電の原発では最大。
2基が再稼働すると火力発電の燃料費が減り、月90億円、年換算で約1100億円の収益改善を見込む。
これらを原資に電気料金を引き下げる。
関電の足元の電源構成 (自社発電分)は原子力が1割、火力が7割。大飯3、4号機が再稼働すれば原子力の割合は2割を超えるもようだ。
電力自由化前に約1200万件あった関電の家庭客は1割が大ガスなど新電力に流れた。
関電は17年8月、高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働を受けて値下げしたが、下げ幅は家庭向けで3・15%にとどまり、顧客流出が止まっていない。
出力が高浜の1・4倍ある大飯再稼働は値下げ余地が大きく「営業現場にとっても悲願」 (幹部)。
今後、時期や幅の詳細な検討に入る。
関電は東日本大震災後に全原発が止まり、13年と15年に値上げし、一時は全国で最も高くなった。
18年4月の家庭向け料金は平均的な使用量で6781円。下げ幅が4・O%だと6500円程度になるが、1度目の値上げ前の13年4月(5818円)と比べるとまだ高い状態が続く。
一方、関電から約58万件の顧客を奪っている大ガスも17年に続き、値下げで追随する方針だ。
電気とガスをまとめて売り込む戦略をとる関電が、電気料金をさらに下げれば大ガスの顧客が離れる恐れがあるためだ。
3号機の再稼働は当初、1月の予定だった。
神戸製鋼所の品質不正問題による検査で先送りになった。逸失利益は約180億円。
3月中に玄海原発3号機(佐賀県)の再稼働を予定している九州電力も、2ヵ月遅れることによる逸失利益が約150億円と試算。
11年の東京電力福島第1原発の事故後、日本では火力発電依存が高まった。政府は30年の原子力発電比率の目標を20~22%に設定している。
電力中央研究所によると、この目標比率が7%低下し液化天然ガス(LNG)の火力発電で代替した場合、実質国内総生産(GDP)が年2・5兆円減少すると試算している。
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関連する記事から。
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東日本大震災を境に原発への逆風は強まっている。
新しくなった規制基準では津波や地震、重大事故への対策の大幅強化が要求される。
対応するには巨額の追加投資が必要だ。
関西電力が2017年末、大飯原発1、2号機(福井県おおい町)の廃炉を決めたのは投資負担を嫌ったためとされる。
四国電力伊方3号機など、司法判断や地元自治体の同意が得られずに稼働できない例も出ている。
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英国への原発輸出の記事を転記しておこう。
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2018/01/03(水)
日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトに対し、3メガバンクと国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を固めた。
事故などによる貸し倒れに備え、日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する。
政府系の日本政策投資銀行は出資による支援を行うほか、中部電力など電力各社も出資を検討する。
総額3兆円規模に上る原発輸出を、政府主導の「オールジャパン体制」で後押しする。
JBICや政投銀による投融資も含めると、政府が巨額のリスクを抱える形となる。
損失が発生すれば、最終的には国民負担を強いられる懸念もある。
投融資の対象となるのは、日立の英国子会社が2020年代半ばの稼働を目指し、英中部アングルシー島で進める原発新設プロジェクト。
日立は投資の最終判断を19年度に下す予定だが、リスクを1社で負うのは不可能として、日英両政府や金融機関と協議を続けている。
国内金融機関と政府全額出資の日本貿易保険(NEXI)は昨年12月、日立の求めに応じ資金支援の意思を示す趣意書を提出した。
関係者によると、日立は現時点で原発建設の事業費を3兆円程度と見積もり、うち1.5兆円程度を金融機関の融資、残りを出資で賄うことを見込んでいる。
融資のうち、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは1行当たり千数百億円程度を拠出し、3行の融資総額は5000億円規模となる見通し。NEXIが債務を保証する。残りはJBICや、英国の民間金融機関が融資する。
出資は政投銀が意向を日立に伝えたほか、日立製の原子炉を国内で使用する中部電力と日本原子力発電も検討に入った。
日立は東京電力など他の電力会社や商社にも出資を打診しており、関連事業会社連合の協力でリスク分散を図る。
原発新設を急ぐ英国政府もプロジェクトに出資する意向で、日英両エネルギー担当相は昨年12月、今後の協力に関する書簡を交わした。
原発建設は、11年の福島第1原発事故後の安全コスト増大で世界的に採算が悪化しており、東芝の経営危機の原因にもなった。
だが政府は「技術を絶やさないためにも、英国のプロジェクト獲得は必要」(経済産業省幹部)との立場で、全面支援の姿勢を示している。
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最後に書き込みにあった文章を紹介したい。
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2018年03月15日
脱原発は、「今の原発が安全か」よりも「今後数十年の原発の技術的発展余地はどの程度か」で決めてほしい。
技術的なことは何も分からんが、脱原発して最も恐ろしいパターンは、日本が技術捨てた後、中国とかが画期的な原発作って事業に革命起こして、日本がそれを買うことになる、という事態。
八木アンテナレベルの悲劇になる。
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エネルギー源を自前で確保するというのは、国家の安全というものに直結している。
国家として、どのようにエネルギー源を確保するかということは、国の命運をも左右するものだ。
先の大戦で、日本が南進作戦をとった理由を考えてみよ。
なお、つけたしだが、日本の掲示板に中国人の五毛という書き込み部隊からの書き込みが多数見受けられるようになった。
彼らの日本語能力は大したもので、中国人とは簡単には分からぬレベルとなっている。
日本の掲示板をつかって、中国人からの世論誘導がなされているのだ。
日本人は、中国人によほど、用心しよう。欺されまい。