▲筆者は、まともな判断だと思った。
大間原発の経緯をみてみよう。
--ここから--
2008年4月
経済産業省が大間原子力発電所の設置を許可
2008年5月
第1回工事計画認可(着工)
2008年11月
運転開始予定を2012年3月から2014年11月に延期することを発表[1][2]
2010年7月
青森県大間町や対岸の北海道函館市の市民グループ168人が、国と事業主の電源開発(東京都中央区)を相手取り、設置設計取り消しと建設差し止めを求める訴訟を函館地方裁判所に起こした。総額510万円の損害賠償も求めている。
2012年3月
運転開始時期を変更(2014年11月予定を未定に変更)
2013年12月
燃料装荷予定(2011年3月から延期)
2014年11月
運転開始予定(当初の予定であり、2012年3月の発表により現在は未定となっている)
2014年12月16日
電源開発(Jパワー)が建設中の大間原発(青森県大間町)の新規制基準適合性審査を原子力規制委員会に申請した。
2018年3月19日 青森県大間町や対岸の北海道函館市の市民グループ168人が、国と事業主の電源開発(東京都中央区)を相手取り、設置設計取り消しと建設差し止めを求める訴訟を函館地方裁判所は棄却。
--ここまで--
工事の現状については、記事をみてみよう。
--ここから--
2016/9/8
Jパワーは青森県大間町に建設中の大間原子力発電所について、今年11月としていた本格工事再開を2年程度延期する方針を固めた。
前提となる原子力規制委員会の安全審査が長期化しているためで、2022年度ごろとしていた運転開始時期も先送りする。9日に県や大間町など地元自治体に延期方針を報告する。
Jパワーは14年12月に大間原発の安全審査を規制委に申請。
これまで、今年11月に審査に合格し本格工事を再開する工程を示していた。
審査の長期化で合格の時期は見通せず、11月の本格工事再開を断念した。
大間原発は08年に着工したが、11年の東日本大震災で工事を中断。
工事進捗率は震災前と同じ約38%のままだ。
工事中断の長期化で、震災直前に約1700人いた建設工事関係者は現在300人程度まで減少し、地域経済は疲弊している。
大間町も年間数十億円の固定資産税が当分見込めず、厳しい財政運営が続く。
このため、Jパワーは守衛所や構内道路の整備など許認可に関係ない周辺工事を前倒しで行うほか、本社の社員研修を大間町で行うことで地域経済を下支えしていく方針だ。
町の原子力防災の費用も一部負担していく。
--ここまで--
工事は、中断しているようだ。
その中にあって、今回の地裁の判断があった。
電源開発(Jパワー)が青森県大間町で建設中の大間原子力発電所を巡り、津軽海峡を挟む北海道函館市の市民団体が同社と国に建設差し止めや損害賠償を求めた訴訟の判決で、函館地裁は19日、請求を棄却した。
浅岡千香子裁判長は、原子力規制委員会による新規制基準に基づいた適合審査を受けている途中だとして「重大事故が発生する具体的な危険性を直ちに認めるのは困難」と指摘した。
東京電力福島第1原発の事故後、建設中の原発に対する司法判断は初めて。
原告側は控訴の方針。
商業炉としては世界で初めてプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)を全炉心で使う「フルMOX」の安全性や、周辺の活断層の有無が争点となった。
判決では、規制委の審査はごく一部にとどまり、新規制基準も「不合理とはいえない」と言及。
フルMOXの安全性や活断層の有無については「審査基準への適合性と関連性がない」として判断を示さなかった。
原子力規制庁は、 「福島第1原発事故を踏まえ策定された新規制基準への適合性審査を厳格に進め、適切な規制を行つていきたい」とコメントした。
大間原発を巡っては、函館市が起こした別の建設差し止め訴訟が東京地裁で審理中。
▲補足、感想など
原発の再稼働、建設再開に関しては、筆者は2つのことを思う。
1.日本全体のエネルギー源をどこに求めるか?
2.羹(あつもの)にこりて膾(なます)を吹く—という格言通りだと思う。
日本という国は、資源のない国だ。
だから、常にエネルギー源は、他国から求めなければならなかった。
戦後、原子力というものがあって、始めて、自国で供給できるようになったといってもいい。
まぁ、原発の燃料は輸入だが。
前の大戦の頃、なぜ、日本が南進作戦を採用せざるを得なかったのか—その理由を考えてみよ。
エネルギーをどこに求めるか—ということは、国家の命運を左右するほどのことなのだ。
なにか、そのあたりを、原発の再稼働に反対する人たちは、「軽々に」考え過ぎだと思う。
また、原発事故については、確かに、事故が発生した場合には、凶暴な力を発揮する。
それは、害としての力の大きさは、「益」の方面に力を発揮した場合、それだけ大きな益があるという意味でもある。
日本人こそが、この凶暴な力をもつ原子力という荒馬を乗りこなせる力をもつ民族だと信じている。
この福島原発事故というものを乗り越えて、もっと安全な原発を造っていけばいいではないか。
原子力というものは、簡単に捨て去るにはもったいなさすぎるエネルギー源なのだ。
だから。
日本人は、膾(なます)を吹くような行動をやめよう。
日本のエネルギーミックスの見込みをみてみよう。
--ここから--
環境省は地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)の排出削減に向け、「脱石炭火力」を実現するため、洋上風力発電など再生可能エネルギーを推し進める方針を固めた。
石炭火力が液化天然ガス(LNG)の2倍のCO2を排出していることを踏まえ、LNGの設備更新など高効率化も目指す。
ただ、石炭火力の燃料費が安いことから、石炭火力の新増設計画を進めている経済産業省は反発している。
中川雅治環境相は、平成34年の運転開始を目指す石炭を燃料とする中国電力三隅発電所2号機(島根県浜田市)の建設計画について、「容認されるべきものではない」とする環境相意見を世耕弘成経済産業相に提出。
中川氏は記者会見で「事業の撤回を含めて考えてほしい。石炭火力から卒業してもらわなければならない」と述べた。
石炭火力は国内で約40基の新増設計画があるが、環境省は本音では石炭火力に否定的だ。
一方、経産省は石炭火力軽減を早急に進めるのは困難と考えており、両者には隔たりがある。
世界的潮流
ただ、「脱石炭火力」は世界的な潮流だ。
昨年11月にドイツ・ボンで開催された「気候変動枠組み条約第23回締約国会議」(COP23)では、石炭火力発電所の廃止を目指す「脱石炭発電連合」が設立された。
英国、カナダ、フランスなど昨年12月現在で58の国、自治体、企業が加盟し、フランスは2022(平成34)年までに、英国は25(同37)年までに、カナダは30(同42)年までに石炭火力発電を廃止する方針だ。
こうした世界情勢を受け、環境省は
(1)洋上に浮かぶ浮体式構造物を利用する「浮体式洋上風力発電」
(2)再エネが余ったときにためて、足りないときに取り出して使える「ハイブリッド蓄電池」
(3)農業をしながら農地の上で太陽光発電をする「営農型太陽光発電」-などを最大限に活用し、国際社会に日本の優れた技術を問いたい考えだ。
不安定懸念
これに対し、経産省の担当者は「フランスは原発を多く使っているため石炭はいらない。カナダは水力が多いが、ダムを造る時代ではない。再エネは高価だし、エネルギーの安定供給に向け、効率の良い石炭火力が必要だ」と反論する。
再エネは季節や天候によって発電量が大幅に変動し、不安定なものが多いことも懸念材料だ。
現在、日本はエネルギーの約30%を石炭火力に頼っている。
政府が閣議決定した平成42年度の電源構成目標によると、石炭火力比率を26%、原発を20~22%、太陽光などの再生可能エネルギーを22~24%とするなどとしており、相対的に石炭火力の比率は高い。
環境省幹部は「再エネ産業を活発化させることこそアベノミクスであり、環境技術は日本の成長産業になり得る」と強調する。
再エネか石炭か-。
東京電力福島第1原発事故以降、原発再稼働が簡単には進まない中で、エネルギーミックスの差配が問われている。
--ここまで--
なにより、原発の再稼働を急ぐべきだと思う。
日本の技術者を信頼してあげて欲しい。
絶対に事故が起こらないようにするとは言えなくても、事故が起こらないように全力を尽くすぐらいは言えるから。