2012年7月13日金曜日

野田さんは、法律が分かっていない。


▲野田さんという人の発言を聞いていると、びっくりする。
所有権・賃貸借権というものを理解していないのだな。
いや、もっと言えば首相というものが、白いものを黒いといえば、ずべてが黒くなるそういうポストだと思っているのではあるまいか。
やれやれ。民主党という政党の政治家の「非常識さ・単純さ」には辟易とする。
以下、新聞から抜粋。

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を表明している野田政権は、 東京都が上陸許可を申請しても認めない方針を固めた。
購入する意向を示している 石原慎太郎都知事は事前調査のための上陸を検討中だが、政権は地権者からの直接購入を 目指しており、都の事前調査は不要と判断した。
政権が国有化を目指すのは、個人が所有する魚釣島と南小島、北小島の3島。
「尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理」という目的で、現在は来年3月までの期限で地権者と賃貸契約を結んで島を管理し、原則として政府関係者しか上陸できない。
都が島を購入する場合、価格決定には現地調査が原則必要だが、上陸するには国の許可が必要だ。
石原知事は、尖閣の国有化方針が表面化する前から上陸して調査する意向を示しており、 「必要な調査も国に協力させる。(同意も)取り付けている」として、 上陸は許可されるとの見通しを示していた。

▲補足、感想など
上陸を認めないという発言の根拠は、土地所有者との間で結んでいる「賃貸借契約」に基づいたものであろう。
じゃ、賃貸借契約が切れたらその時点で、国がアレコレいう根拠となるものがあるまい。
また、国が所有者から買い取るとか言い始めているが、これは個人と国との売買ということになる。
売買は、売主と買主との合意のもとで始めて成立する。上で嫌がらせのようなことを書いているが、売主と買主の合意さえあればいいのであって、上陸が必須の要件でもあるまい。
また、売主(土地所有者)が国には売らないといえば、そもそも売買契約が成立しない。
それでも、国が無理やり、買い取ろうとするなら、それは「土地収用」ということになる。
土地所有者がいやがるものを国が「収用」しようとしたとき、かっての成田闘争のようなことが起こるのだ。
こう考えると、この野田さんの発言は、売買契約というものを理解していない、土地収用というものを理解していないということが丸分かりだ。
いや、それは首相というものが、すべてを理解することは難しいことは分かる。
だから、こういう発言をするつもりだかと事前に相談した時、まともに補佐する人間がいないことをこの野田さんの発言は意味している。
つまり、野田さんの周りにはロクな相談者がいないということだ。
いや、話がどこかへいった。
土地所有者は、国には売らないと言っている。だから、国は買えない。
上でふれた「土地収用」というところへもっていくなら、時間も手間もかかるし、反対運動も起ころう。
また、「上陸させない」とか発言する根拠となる賃貸借契約にしても、現土地所有者→東京都 へ所有権が移れば、国との賃貸借契約の賃貸人の地位を、東京都がそのまま承継する。
来年に、東京都から賃貸借契約の更新を拒否されれば、契約を継続することも難しかろう。
すると、冒頭の「上陸させない」という発言の根拠を失うのだ。
上の野田さんの発言は、首相という地位にあれば、白いものを黒くできるとカンチガイした「暴言」に近いものだろう。