2020年3月21日土曜日

映画 fukushima 50 感想


福島原発事故の問題は、「電気」をどう確保するか---という問題であった。
 なにか電源が落ちたときのバック・アップとして、2つあったという記憶がある。
 1.非常用のディーゼルエンジンでの発電機が備えてあったが、燃料である軽油のタンクが地上にあり津波でもっていかれた  2.発電車があったが、接続の金具が違っていたのでダメだった

 くらいだったと記憶する。
 電気がとまったことで、原子炉内の冷却ができなくなり、原子炉が暴走したというのが、福島原発事故の核心部分だ。

 この映画の核心部分は、この暴走した原子炉を海水などで冷却して、1つ?<数も記憶が薄れた>は爆発したものの、他の原子炉をなんとか安定させ、最悪の状況をようやく食い止めた---ということだ。
 
 原発技術者の年齢の高い人達が、「若い者は、子供を生むことに影響する」と、若い技術者を早期に脱出させ、子供を生むことに関係のない高齢の技術者のみが、現場に残った。
 当然、最悪の爆発というリスクを想定していて、「決死の覚悟」であったのだろう。
 
 う~ん、と思う。
 日本の技術者の「直情さ」が好きだ。
 日本の技術者達の技術への畏敬・畏怖の念が好きだ。

 ネットにあった、他者の感想をみてみよう。

 -ここから-

2020/03/21
 「事実にもとづく」と冒頭で紹介される。当時の津波の映像はもう何度も見ていて、「東日本大震災」と言われると真っ先に思いつくのはそちらだが、原発事故のことこそ、忘れてはいけない。
 事故のことはある程度分かっていたつもりだったが、見る前にもう一度原発事故についておさらいして行くべきだったと後悔している。
 というのも、事故から対応までを2時間という時間で描くので、各原子炉の状況や対応を知っておいた方が映画にのめりこむことができただろうからだ。
 プラントエンジニアの事故に対する対応は迫力もあり素晴らしいシーンに仕上がっており良かった。放射能という、これまで一般人にはあまりなじみのない形のない恐怖が襲ってくる。
 また、なんといっても国とのやり取りが、「シンゴジラ」を見たときに思った無能な政府、決められない政府という警鐘をも鳴らしていた。やっぱり総理はクソだった笑
 中でも印象的だったのは、プラントエンジニアの方々が写真を撮ろう!とにぎわうシーン。ああでもしないと自分がおかしくなる空間だったんだろうな。リアル。エンドロールで写真が流れるだろうと思っていたが少なくて残念。亡くなったりしていないだろうか、、心配。
 タイトルがFukushima 50 なので、被災者のシーンはあまりないが、中村ゆりさんのインパクトがすごかったな。某CMで毎回泣かされているが、その表情そのままだった。(もっと見てみたい)
 パニック映画 と言われると、ありえないだろ、、、というシーンが多くなるが、本作は爆発などを最小限に抑え、「何が起こっているのかわからない」という表現がまたリアルだった。
 原作(タイトル)の通りこの映画は「原発事故」がメインではなく、「プラントエンジニア」がメインなのだ。と納得できたのでまぁいいか。
 映画なので多少の脚色はあるだろう。ただ、これから語り継ぐために必要な脚色なのだから、原作と読み比べてみたい。
 普段から訓練は欠かさないのだろうが、「想定外」の事故は必ず起きるという教訓を教えてくれる非常に良い作品に仕上がっている。地震、津波、原子炉とスケールの大きい映画なので、ぜひ映画館で見てほしい。
 中学の時、原発は事故の時に海水で冷やすために海の近くに作られている~的な話をされたことを覚えているが、今後の建設ではどうなるのだろう。
 この事故(映画)が今後の教訓になるだろうこと、復興が1日でも早く完了することを望む。

 -ここまで-

 冒頭で、バック・アップ2 の電源車の金具が合わなかったことについて触れたが、テレビで高橋洋一さんが、金具を破壊して、電線を接続すればいいじゃないか---という発言をされていて、ガツンを頭を殴られたような気がした。

 筆者も元技術職の片割れなのだが、この発想に思いつかなかった。
 柔軟な頭を持っていなければ、こういう本当の危機に対処できないのだなぁと自分の頭の硬さを思い知った。