▲まぁ、確かに—と思う。
80年代の半ばから80年代末までのバブル期に突入する時の「様相」にいまの日本の状況は類似している、と筆者も思う。
しかし、あの時は文字通り、「初体験」で、誰もが自分を見失ったという感じだった。
仮に、バブル期にこれからの状況が類似しているとしても、言わば、「あの時、通った道」だ—という既視感があるだろう。
さすがに、同じ轍は踏むまい。
以下、新聞から抜粋。
r証券経済研究所研究員のy氏はインタビューで、安倍政権の経済政策「アベノミクス」
について、人々が抱く「期待の働きかけ」で円安・株高の流れが継続しており、順調な滑り出しと述べた。
ただ、2%の物価目標達成まで金融緩和を止めることは難しくなる可能性を指摘し、株価が高騰しても、金融引き締めに政策転換
できないリスクを警戒。
1989年に日経平均が最高値を付けるまで株価が上昇トレンドを描いた80年台後半のバブル相場と構図
が似ている。
インタビューの概要は以下。
──アベノミクスと物価目標2%について
「アベノミクスは口先介入だけで円安・株高になっているとの論調が見受けられるが、
人々が抱く『期待(予想)への働きかけ』を通じて、円安・株高の経路を描いている」
「問題は物価が上昇してきた時に、何が起こるかだ。例えば物価目標が1%
であれば、日銀は金融緩和・ゼロ金利政策を止めるかもしれないとの疑心暗鬼が生じる。
しかし、物価目標が2%に天井が高く
なれば、金融緩和・ゼロ金利政策が長期間続くことになる。
ゼロ金利政策が継続し、物価がプラスで推移すれば、
実質金利はマイナスだ」
──金融市場への影響について。
「実質金利の低下は為替市場にとって強力な円安材料だ。ゼロ金利で調達した円資金を外貨建て資産に投資するキャリー・
トレードが可能になる。
物価目標を宣言することは、為替レートに影響を与えることになる。
円安は
国際競争力が低下していた日本企業にとってもプラスで、株価にも好影響をもたらす」
「黒田日銀新総裁は、イールドカーブを押し下げ、より長期の国債の購入を示唆している。
FRBの資産
購入をみても長期国債の買い入れはオーソドックスな政策。
物価目標達成に向けて、長期の国債を買い続けるだろうとの期待が
醸成されることが重要だ」
──アベノミクスへの懸念はないのか。
「アベノミクスは円安に依存する。円安が進行してもそれを阻害する外部要因が出てくる
ことが目先のリスクだ。
キプロス危機で為替が円高に振れ、為替が日本国内の要因で決まるわけではないことを再認識させられた」
「仮に、実質成長率2%、物価上昇率2%と目指すべき経済状況になれば、長期金利の妥当な水準は4%付近。
長期金利が
単独で上昇することがないだろうかということが、アベノミクスの処方を続ける上でのポイントの一つだ。
しかし、日銀の新体制に対し長期金利は低下で反応。日銀の長期国債買入によって、長期金利の急激に上昇しないと考えているのだろう」
「資産バブルは資産価格の大規模な高騰現象。物価目標2%達成まで金融緩和が継続されると
みられるが、株価が急騰し、金融引き締めに政策転換をしたくてもできない状況がないとは言えない。
1985年のプラザ合意以降、
1989年にかけての株高局面と構図が似ているだけに、バブル的な状況も想定しておく必要がある」
──長期金利は上昇した場合の影響について。
「政府債務1000兆円とすれば、金利が1%上昇しただけで利払費用が単純計算で10兆円増えることになる。
巨額な債務に
ついて、インフレ率に長期金利が追い付かない状況を人為的につくり、将来的に債務価値を薄めることで調整していくことになる
のではないか」
「日銀が、全期間の金利が1%上昇すると、国内債券投資で合計8.3兆円の損失が発生することを公表した。
白川前日銀総裁がデフレ脱却に消極的だった背景に、銀行のバランスシート問題
があったとすれば問題だ」
▲補足、感想など
まぁ、この記事、そんなにおかしくないなぁ--と感じた。
<ついでながら、このyという研究員は、昨年の生保騒動の時、該当の芸人を盛んに擁護していた人物だ。おそらく朝鮮系なのだろうな。でも、記事を読むかぎり、その実力は認める>
現在が、80年代半ばと様相・状況が類似しているといっても、そのまま同じルートを辿るわけではない。
冒頭でふれたように、80年代半ばからの円高→バブル期突入は、アメリカあたりの為替ファンドの「工作」の可能性が高かろう。
このインターネットが普及した現在、80年代と同様の手口は使えまい。
確かに「状況は似ている」。でも、同じ轍は踏まない。
それだけ、日本人も賢くなっているさ。