▲このブログで何度もふれているように、北方領土問題は、安倍-プーチンの間でしか解決しない。
どちらかがなんらかの事故で、欠ければ、その先は完全な不透明状態だ。
だから。
共同声明では期限などを決めている訳ではないが、おそらく、ロシア側がバタバタと決めてしまいそうだ。
最終的な着地点がどうなるのかは、まぁ、分からない。
でも、ロシアとすれば、日本という国と組んではじめて、シベリアの開発などに取り掛かれるのだ。
はっきり言って、日本人からみて、ロシア人は信用できない。
どれもこれも、胡散臭い。政府の首脳といったって、マフィア上がりという感じがしてならない。
でも。
どうやら、プーチン大統領だけは、かろうじて「信頼できそうだ」
この辛うじて、信頼関係が成り立つタイミングで、領土問題を解決したい。
日本が思う以上に、ロシア側もこの辛うじて、ギリギリの状態で維持できる日ロ間の「信頼関係」を利用したい—と思っているのだ。
以下、新聞から抜粋。
ロシアを訪問中の安倍首相は29日、
プーチン大統領とクレムリンで会談、共同声明を発表した。
焦点の北方領土問題について「交渉を加速化させる」とし、停滞していた平和条約交渉を再開させた。
中国の海洋進出を踏まえ、安全保障分野での協力拡大に向け、外務・防衛担当閣僚による安全保障
協議委員会(2プラス2)を設置することも盛り込んだ。
日本の首相によるロシア公式訪問と共同声明の発表は、2003年以来10年ぶり。
両首脳は会談で「大戦後67年を経て日露平和条約が締結されていない状態は異常だ」との認識で一致。
声明で「双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させるとの指示を外務省に共同で与
える」とした。
外務省の交渉は「両首脳の議論に付すため」とも特記し、両首脳が交渉を主導する姿勢を明示した。
安全保障分野での協力拡大の重要性も確認し、その柱として2プラス2を設置する。
ロシアは北極海など北方に中国が海洋進出を拡大させていることに警戒感を強めており、政策対話
や捜索・救難活動を通じ中国をけん制する狙いがある。
経済分野では、極東・シベリア地域での協力推進やインフラ・環境技術・医療分野での連携を挙げた。
ロシア極東やシベリアでの液化天然ガス(LNG)開発などを念頭にエネルギー協力も拡大する。
核実験と弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の行為を非難、プーチン氏は日本人拉致問題の早期
解決の重要性も強調した。
▲補足、感想など
プーチンさんは、ロシア人が日本人から信頼されていない—ということをよく知っているのだ。
だからこそ。
安倍-プーチンといういわば個人的な信頼関係をベースにして、この戦後、殆ど前進のない「北方領土問題」を一挙に解決するという選択をしたものだろう。
このところのプーチンさんの発言をみても、日本人からの信頼を失わないように随分気を使っている。
合意の結果として、どういう形となるのかは分からない。
でも、冒頭でふれたように、ロシアとすれば極東地区を開発するには、どうしても日本の協力が必要だし、また、日本にも充分なメリットのあることであろう。
ロシアも硬直的な社会構造であった社会主義体制から抜けだして、約20年が経過した。
やっと、プーチンという柔軟な思考ができる、まぁ、日本人から見て、ギリギリ信頼に足る賢い指導者が出現したということなのだろう。
プーチンさんからみたとき、中国の習近平国家主席とは話ができまい。一緒に仕事をするに足る人物とは見ていまい。
だからこそ、安倍さんとの「信頼関係」を大事にしたいのだ。
期限は確かに限られてはいない。
しかし、この機会しかない—という思いは、ロシア側にもあるであろう。
北方領土問題は、最終的な形はまだ見えないが、そんなに時間がかかることではなさそうだ。