2017年7月21日金曜日

出光興産の創業者一族が恐れているものはなにか

出光の創業者一族と出光の経営陣の対立の核心はなんだろうか。
 なぜ、出光興産の経営者達は、昭和シェルとの合併を望み、なぜ、出光の創業者一族は反対するのだろうか。
 漏れ聞く情報としては、細切れの状態で外側からでは、ボンヤリとしか分からない。

 まず、関連する記事から、概略を窺ってみよう。

 出光の株式の33.92%を握る創業家が、定時株主総会の場で「自主独立の道を」と統合へ待ったをかけ、その後の経営陣との話し合いも平行線が続いている。
 国内ガソリン市場が縮小し、業界再編が加速するなかで生き残り策を模索する出光にとってシェルとの統合は悪い話ではない。
 むしろ、力を入れている地熱・風力発電など自然再生エネルギーやアジア進出ではメリットのほうが大きい。
 紆余曲折はあったものの昨年11月、「対等統合」という方針も決まった。

 なぜここで、「創業家の乱」が起きてしまったのか。
 前会長であり、創業者・出光佐三氏の息子さんである昭介氏の代理人を務める、浜田卓二郎顧問弁護士はこのようにおっしゃっている。
 「体質や文化の異なる企業の合併で効果を出すのは難しい
 だから、それを乗り越えるためにいろいろ協議しているんでしょ、という意見もあろうが、確かにこの指摘には一理ある。

 出光と昭和シェルは、周囲から「あの2人、どう考えてもすぐ別れそう」と囁かれる男女のように、「相性」がいいとは言い難いからだ。
 例えば、石油元売がなによりも大切にしなくてはいけない中東に対するスタンスからして真逆だ。
 出光は出光佐三氏をモデルにした小説『海賊と呼ばれた男』でも描かれたように、国際的な石油カルテルに抵抗し、英国艦隊のイラン封鎖をかいくぐって石油を輸入したということもあって、いまだイランとつながりが深い。

 昭和シェルは第二の大株主がサウジアラビアの国営企業サウジアラムコ。
 イランはシーア派が多く、サウジはスンニ派で対立を繰り返しており、今年頭には国交を断絶している。
 両国の対立は激化しており、2カ月ほど前にもイスラム教の聖地メッカへの巡礼で、サウジ側がイラン人巡礼者へのビザ発給を困難にしている、と国際的にも大きな話題になった。

創業家が心配している「40年戦争」
 一触即発の空気のなかで「サウジ系企業」とくっついたら、1952年から信頼関係を築いてきたイランからそっぽを向かれるのではと創業家側は懸念しているらしい。
 ただ、ビジネスリスクよりも、創業家が心配していることがほかにあるのではと思っている。

 それは「40年紛争」だ。
 出光佐三の経営理念である「大家族主義」を掲げる出光には、労働組合というものが存在しない。
 もともとはタイムカードも定年退職も必要なし、社員は残業手当を受け取らない、など「出光の七不思議」と世間から呼ばれる人事労務制度があったが、2000年の外部資本導入と上場によって、次第にいまの時代にそぐう制度へと見直しが行われていったが、「労働組合」に関しては今にいたるまで結成の気配はなかった。

 では、昭和シェルはどうかというと、もちろんある。
 しかも、数多の労働争議を乗り越えてきた百戦錬磨の闘士たちの集団だ。
 「全石油昭和シェル労働組合」のWebサイトには「闘いつづけて40年」という言葉とともに略史が紹介されている。
 1949年にシェル石油本社経理部員を中心に組合が結成されてから、賃上げ闘争、住宅手当闘争などを続けてきた。

 会社側との対立が一気に激化するのが1970年から。組合員だからということでの不当配置や賃金差別などがあり、組合敵視が始まったという。 
 もちろん、労組側もストや抗議で抵抗し、2000年には、昭和シェルの大阪支店の従業員6人が組合員だという理由で、賃金昇給差別を受けたとして大阪府地方労働委員会に申し立て、救済命令が下されたことを皮切りに、ほかの労働争議でも「勝利命令・判決」が相次いだ。

 そして、2010年には、ついに会社側から和解交渉を引き出し、40年間続けていた労使紛争一括解決和解成立したのだ。

両社が価値観を合わせるのは難しい
 強い労組が存在し、経営陣と一部社員が長い対立を続けてきた昭和シェルと、創業者を「店主」と呼び、「家族は社員」とうたう出光が、ひとつの船に乗り合わせても、うまくいくのかという疑問は誰でも思う。

 創業家代理人の浜田弁護士もインタビューで、名指しさえしないものの、「労組」への不安をのぞかせている。
 『企業経営を考えると必要なのは、創業時からの出光のように、労働組合がなくて自由闊達な意見交換ができ、即座にいろんな事態に対応していけることだ

 もちろん、不安に感じているのは昭和シェル労組側も同じようで、統合話が出てから疑問や苦言を呈している。
 例えば、石油元売大手の労働時間は17時間半が基本だが、出光が8時間を掲げていることに反発。
 さらに、「対等統合」に対する不信感もあるのか、以下のような手紙を出光側に送っている。

 『私たちは1985年のシェル石油と昭和石油の合併を経験しております。
 合併発表時、会社は両社長名で「社員の雇用と勤続年数を引き継ぐ」と表明しました。
 しかし合併から2年半後に突然「役職定年制」を導入し、55歳以上の管理職を退職に追いやりました(実質的な指名解雇です)。
 当時労働組合には「○○と□□(当時の会長と社長。ともに故人)を串刺しにしてやりたい」などの手紙や怒りの声が管理職から寄せられました。今回の「統合」にあたっては、間違ってもこのようなことが起きてはなりません』

 とはいえ、出光も創業者が、「首切りなし」を理念として掲げ、戦後の不況のなかでそれをどうにか実現したことで名を成した企業だ。
 社員の雇用を守るというところでは、どうにか昭和シェル労組と調整をすることも不可能ではないかと思う。

 ただ、残念ながら、いまのままでは、創業家と昭和シェル労組の歩み寄りは難しいかもしれない。

 今月の雑誌で、ジャーナリストが報じたところによると、創業家と経営陣の話し合いがもたれ決裂した翌日、出光美術館に、出光昭介氏の妻・千恵子氏とともにある人物が訪れたという。
 百田尚樹氏だ。
 『海賊と呼ばれた男』の作者だから当然、創業家とは仲がいい。
 『FACTA』によると、創業家は百田氏を通じて世論を味方につけようとしているという。
 つまりは、「情報戦」を仕掛けようというのだ。
 もしこれが事実ならば、出光と昭和シェルの「異文化融合」は先行きが暗い。

もう一度「店主」の言葉をかみしめて
 昭和シェル労組の「組合の主張」に、「反戦平和」「憲法改悪に反対します」「原発に反対します」とあるように、沖縄の基地問題にも積極的に関わっていらっしゃる。
 機関紙『パイプライン』も、沖縄県民大会から、全労協脱原発集会から、国会前のデモまで紹介されている。

 このような「平和運動家」にとって百田氏ほど憎らしい相手はいない。
 もし本当に世論を動かそうとひっぱり出そうというのなら、ただでさえこじれている対立が、修復不能なほど決定的な亀裂になってしまうのではないか。

 「大家族主義」を唱えた出光佐三氏は、実は「人類愛」を説いたことでも知られている。
 晩年にこんな言葉がある。
 『お互いに仲良く和の力を発揮する。対立闘争なんかない、これだけです。だから諸君は、今後いかなる場合でも相手に対して、愛情をもってほしい』「創業者 出光佐三」より)

 そんな理念はきれいごとに過ぎないと思うかもしれない。
 しかし、出光は全社員が45日間かけて佐三氏の理念を学ぶ「店主室教育」に代表されるように、なによりもその理念を大事にしてきたのではなかったか。
 経営陣も創業家も、もう一度「店主」の言葉をかみしめていただきたい

補足、感想など

 えっと、上の記事でのポイントを整理してみよう。
1.創業家は、出光が出光佐三の理念で経営されつづけることを願っているということ。また、イランとの関係を悪くしたくないと思っているということ。

2.出光の経営陣は、国内でのガソリン市場が縮小し、業界再編がやむなしとみられることで、合併して大きくしたいと考えているということ。

 こうして、整理してみると、両者の主張は、そうおかしいとは感じない。
 当然、そう考えるだろうなぁ、と思う。

 次に、別の視点でみてみよう。
 出光の株主総会で、朝鮮ヤクザが出入りするという話から。

 --ここから--

2012/12/05()
 出光、韓国で有機EL材料を生産開始
 出光興産は、韓国で有機EL材料の生産を始めたと発表。
 年間生産能力は 約10トンで、日本の既存工場と合わせた能力は6倍の約12トンになる。
 出光は 有機ELを使うディスプレーや照明の発光度合いを左右する主要材料の世界大手。

 大型テレビ分野で先行する韓国のサムスン電子やLG電子のグループ会社に対し、 ディスプレー用材料を供給する。
 全額出資の出光電子材料韓国(京畿道坡州市)の工場で試験生産を開始した。
 来春から韓国国内向けの大型テレビ用途として本格的に出荷する。
 台湾や日本、 欧州の企業もディスプレーや特殊照明の分野の開発を進めており、韓国と日本の 両工場から安定供給できるようにする。

■掲示板から。 
◆出光すら欺されてますからねぇw
 挙げ句、株主総会で突っ込まれそうに成ったらヤクザやさんがしゃしゃり出てきてるし。

 在日が社長に就いてる出光は、工場敷地無償提供、事業税10年無料、電気は4割引って社長関係者の嘘に欺され、その上でそれが、さも事実・既定路線として日本政府(民主党政権下の電気買えば良いと言った維新の小沢他)がそれを後押し。

 進出して工場を建て、そして人を雇った段階で税金の減免を取り消し、工場敷地代は有償化(しかも相場の倍)、 雇用者1名あたりいくらっていう支援金も嘘という状態・・・・

 出光は社長交代が見えてきてるが、有機ELその他ノウハウをLGとサムスンに無償提供状態。
 もうなんもいうことないわ・・・w
 つぶれれば?!

 --ここまで--

 次に最近の記事から。

 --ここから--

 出光、有機にel材を増産苦境の石油補う 2017/06/10
 有機EL材料で世界大手の出光興産が増産に踏み切る。
 全体の生産能力を2018年度までの2年間で7割増やす。
 スマートフォン(スマホ)向け有機ELパネル市場が18年に液晶を上回る見通しなど急拡大する需要に対応する。
 主力の石油事業が需要減で苦戦する中、利益率が高い有機EL材料を新たな収益源に育てる

 出光が生産能力を拡大するのは有機ELパネルに欠かせない発光材料。
 独メルクと世界シェア首位を争っており、両社合計で7~8割のシェアを握るとされる。

 出光の有機EL材料事業の売上高は約150億円で価格も安定しており、利益率も高い。
 米アップルが年内に発売予定の新型・IPhoneに有機ELパネルを採用するのを機に有機EL市場は急拡大する見通し。
 英調査会社のIHSテクノロジーによると、スマホ向けの有機ELパネル市場は18年に186億ドル(約2兆円)と液晶 176億ドル)を上回る見込みだ。

生産能力拡大を急ぎ、需要を取り込む。
 出光は18年度をメドに日本と韓国の工場をあわせた有機EL材料の生産能力を現状に比べ7割増の年12トンに増やす。
 韓国の工場では生産設備を増強し、17年度中に6割増の年8トンに増やす。

 国内では主力の御前崎製造所 (静岡県御前崎市)に生産時間を従来の3分の1に短縮できる新手法を18年度中にも導入し、生産能力を2倍の年4トンに拡大する。

 出光は有機EL事業を石油事業に次ぐ第2の収益源に育てる。
 国内の石油市場は、少子化などの影響でガソリンなどの需要減が続き、価格競争も激しい。

事態の打開に向けて、昭和シェル石油との合併を進めているが、3392%の出光株を持つ創業家が反対を続けており、まだ実現のメドは立っていない。

 有機ELでは多数の独自特許をもっており、今後パネル各社に売り込みを強化する。

 --ここまで--

 出光の現社長がevenki族なのだろう。
 出光の新しい収益源である有機el事業の企業秘密を韓国側にだだ漏れ状態にする・株主総会に朝鮮ヤクザを出入りさせて株主を脅す現経営陣を創業家は、嫌っているということだろうな。

 おそらく、このあたりが核心なのだろう。
 また、出光の経営陣は、昭和シェルの労働組合あたりと親和性がありそうだ。

 そのあたりも、出光の創業家が、出光の現経営陣を「嫌う」理由がありそうだ。