▲もし、15年後の政治家ということで占うなら、橋下さんがこのまま政治家を継続していれば、いいところに行く—と思う。
でも。
若い頃に、将来は社長になるはず—とか、将来は首相に--とか言われた人で、あまりうまく行ったという人を知らない。
あの加藤元幹事長だって、首相候補と言われたのだぞ。
まぁ、そう言われたことで、運命が変化していくのだろうな。
余程、自分で自重しなければ、どこかで脇道へ逸れてしまう。
加藤さんは、その好例であろう。
そういえば、今、都知事選にでている舛添さんだって、そうだ。
しかし、舛添さんでも上のようなことを言われたばかりに、自民党を飛び出しおかしくなっていった。
民間でいえば、もう40年前くらいか、某自動車会社で、20代で社長候補なんていわれた人がいたことがある。
結局、この人、社長になる前に会社を出ることになった。
それほど、若い頃に周囲から属望されることと、実際にそうなることの間には乖離がある。
属望されることで、焦ったり、天狗になったりするのだろうな。
やはり、どこかで自重して、地道に実績を積み重ねる—という時期が必要なのだろう。
橋下さんについても言えるような気がする。
橋下さんは、焦りすぎだ。
今、大阪市長として、冷静に実績を積み重ねる時なのだ。
筆者は、大阪都構想が、まずい構想だとは思わない。
要は、そうなるための機が熟していないだけなのだ。
日本で、東京に次ぐ都市といえば、「大阪」なのだ。
大阪が元気になる手段の一つとして、「大阪都構想」なるものがあっていいと思う。
橋下さんという人は、田中角栄さんによく似ている。
心の奥底になんともしれぬ怨念を抱いていて、社会へ向かって果敢に立ち向かっていく。
角栄さんは、「日本列島改造論」なる大風呂敷を広げていたが、橋下さんの「大阪都構想」も大同小異であろう。
橋下さんのような怨念を抱く政治家を失うのはもったいない。
今は、「機が熟するのを待って」堪忍自重する時期なのだ。
まずは、大阪市長として数年間、実績を積み重ねよ—という天の思し召しだ。
以下、新聞から抜粋。
橋下徹大阪市長の辞職に伴う出直し市長選が、橋下氏の無投票当選となる可能性が出ている。
大阪維新の会以外の主要政党が、橋下氏の辞職に「今辞めるのは権力者のおごり」
「出直し選自体の意味が分からない」などと反発。
積極的に候補者を擁立する動きがな
いためで、「大阪都」構想の実現に向けて、維新から協力を求められていた公明党大阪府
連幹部は「(市長選は)一人でやればいい」と突き放している。
主要政党はいずれも、3日の橋下氏の記者会見を見た上で、候補者擁立について検討を
始める方針。
ただ既に、市議会の自民、公明両党からは「何を問うのか不明」「勝手に
やって勝手に当選してください」「対抗馬は出さない」との声が聞かれる。
民主党は、他党との相乗りも検討する見通しだが、有力な独自候補擁立を模索する動きは
みられない。
共産党は「有力な候補がいれば支援する」(市議団幹部)と述べるにとどめ
ており、独自候補は立てない意向だ。
橋下氏は、都構想の制度設計難航について「民意を問いたい」と、辞職の理由を説明して
いるが、無投票再選となった場合に果たして「民意を得た」と言えるのか、各党の対応が
注目される。
▲補足、感想など
なんどでも言いたい。
橋下さんは焦りすぎだ。
大きな構想をぶちあげた時、それを本当のものにするためには、紆余曲折がつきものだ。
一直線で、成功に向かう訳がないではないか。
押してもダメなら、引いてみる。この道でダメなら、脇道を通れないか—と試行錯誤してみる。
海外で大きなプロジェクトを成功させた人の経験談などを聞いてみよ。
焦らず、目標に向かって地道に行動する。--そういう地道さに耐えてこそ、大風呂敷が実際のものになるのだ。
ジリジリと蟻のごとく歩め。
今、日本は橋下さんのような「怨念をいだく」政治家を失いたくない。
15年後には、限りなく首相に近いポストにいるであろう人物を失いたくない。