▲世の中で、橋下さんという人と議論して、勝てそうな人って殆どいない。
ところが、最近、もしかして、この橋下さんを言い負かすかもしれない—というとてつもない論客が出現した。
それが、若き政治学者、三浦瑠麗さんだ。
テレビでの番組で両者の議論をみていて、おっという感じだったので、これからが楽しみだ。
以下、新聞から抜粋。
大阪府知事、大阪市長を経験した橋下徹氏(日本維新の会法律政策顧問)が、戦時中の慰安婦問題をめぐり、女性学者、三浦瑠麗氏と対立。
橋下氏がアナウンサーの羽鳥慎一氏と司会を務める番組に三浦氏がゲストとして出演した。
議論は番組内にとどまらず、終了後にツイッターに場を移して「場外バトル」が展開された。
互いに一歩も譲らない言葉の応酬は収拾がつかず、最後は衆院議員が仲介に入る結末。
さまざまな論敵とディベートを繰り広げてきたケンカ上等の橋下氏に、ライバルが現れた
★きっかけはテレビ番組
三浦氏は、東京大大学院で博士号を取得した国際政治学者。
「民主主義国家同士の間では戦争は起こらない」という仮説を打ち破る著書『シビリアンの戦争--デモクラシーが攻撃的になるとき』で学会の注目を集め、『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書)の刊行や討論番組「朝まで生テレビ」への出演で知名度を得た。
最近はコメンテーターとして活躍する場面が目立ち、ツイッターなどインターネットを介した発信も盛ん。自身のブログ「山猫日記」では、橋下維新への論考も発表。
明快な論旨の鋭さに加え、「美人」と評判の容姿と、若手にありがちな「ちょっと上から目線」の物言いも注目を集める要因となっている
三浦氏が橋下氏とぶつかったのは、出演した10月の「橋下×羽鳥の番組」。
サブタイトルが「橋下徹のこれまでの問題発言&政策を徹底糾弾するSP」で、平成25年5月当時の「慰安婦制度は必要だった」という発言が話題。
三浦氏が「中道を行く政治学者が避けて通る論点に全速力で、深い知識がなく突っ込んでいった」とコメントすると、橋下氏が「徹底的に勉強したから専門家とだって議論できますよ」と応酬。
三浦氏は「南洋諸島では慰安婦はひどい環境で働かされていた。戦地の性暴行に近い形で、売春婦の形が成立していなかった」と主張。
対して、橋下氏は「戦場と性の問題は有史以来続いてきているが、これは正当化できない、悪いことだと思っている」と強調し、先の大戦時の連合国軍や朝鮮戦争・ベトナム戦争時の韓国軍が同様の制度を持っていたと指摘し、「世界各国が自分たちのやってきたことを棚上げして『日本だけ特異なことをやっていた』と言うのは違うでしょ」と反論。
さらに「(慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定した1996年の国連人権委員会の)クマラスワミ報告書にあるような『手足を切って』とか『強制連行で連れてきた』という証拠はない」と強調。
★ツイッターに場所移し…
慰安婦発言を取り上げたのが別のゲストだったこともあり、議論はいったん収束。
しかし、三浦氏は放送後、視聴者の質問に答える形で、ツイッターで持論を展開。
要点として《(1)資料は裁判資料や聞き取りをまず当たるべき(2)研究が極めて少なく政治化もしているので誰かひとりに責めやお墨付きを与えることはしません(3)南洋では他人の領地で「本土決戦」をしたが負けている軍隊は残虐化するもの》を挙げた。
その上で、慰安婦発言を提起したときの橋下氏を《内向きの男性目線でした》と指弾し、《意図的に切り取られたことで女性票を失い、国際的な期待が萎みました》《今も、女性からの維新評価は相対的に低く、それは政党のポテンシャルとして大きな損失》との分析。
ツイッターなら橋下氏も負けてはいない。さっそく《有権者の顔色ばかりうかがうなら僕が政治家になる意味なんてない》と反論。
慰安婦問題の国際社会での論点は、慰安婦の強制連行があったか否かではなく《残虐性のレベルの話》だと指摘し、《学者や自称インテリが勉強不足》だと批判。
その上で《国際社会から非難》を受けるような《残虐性の高い人道に対する罪は和解条約では解決しない》として、《他国がやった戦場の性の事例と比べてどうなのかと問題提起した》《世界各国における戦場の性の問題と比べて、日本の慰安婦問題が残虐性で特異だったわけではない》と主張。
さらに、三浦氏が発した「政治学者が避けて通る論点に全速力で、深い知識とかがなく突っ込んでいった」という言葉を念頭に、自身の発言は《政治学者や自称インテリのめんどくさいモノには触らないという無責任さへの一石》だったとも。
★橋下氏の〝口撃〟はまだ続く。
自らの慰安婦発言以降、産経新聞が1年以上にわたって慰安婦問題を取り上げ、朝日新聞が、朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した吉田清治氏の「吉田証言」を取り消したことにも言及。
《僕がやったことが全て正しいとは言わないけど、多くの人がこれまで左系が言ってきたことは何かが違ったんだと感じた。
この流れで安倍政権の日韓合意。こういう流れが政治であり、これは学者の勉強とは異なる。貴女の分析は浅過ぎますね》と挑発。
★痛烈な皮肉にキレ気味に…
橋下氏のツイートに、三浦氏は気落ちすることなく、反論していく。
橋下氏のツイートが一段落した頃合いを見計り、《一流の学者とメディアと政治家がいて初めて民主主義は一流になるもの。十把一からげな敵意は良くない》と応酬。
《橋下氏の意図は汲むべきだが、共感メッセージが伝わらなかったので一部の有権者を遠ざけた》と、慰安婦発言が維新のダメージになっていると認識を示した。
橋下氏は再反論の中で《あの問題提起を内向きの男性目線と評価するようでは貴女もそこらへんの学者とかわりませんよ》と皮肉った。
さらに《一皮むけるには、一皮むける思考が必要です。慰安婦問題を日本の事例だけで国の事例だけで国内視点で見るのではなく、国際視点で比較で冷静に見ようと主張。他国の事例をもっと勉強するように》とアドバイスし、切り返した。
すると、三浦氏は《橋下さんは橋下さんらしくやればいい。しかしあの発言は言われたことの字面を超えて女性は共感しない。あの発言によって失われた機会や萎んでしまった期待を直視できないとすれば、そこらへんの政治家と一緒ですよ》と。
これに対し、橋下氏は《共感してくれない人もいれば共感してくれる人もいる。その判断こそが政治家にとって最も重要な判断》と述べ、橋下発言が維新のポテンシャルを損ねたという三浦氏の指摘に対して《政治家が学者の研究領域に一定の配慮をするのと同じように、学者もでしゃばったらダメ》と切り捨てた。
これには三浦氏も反発。
橋下発言が維新の勢力消長に与えた影響を分析するのは政治学者の研究領域だけに、《でしゃばるなと橋下さんに言われたので仕事に行きますね》と応酬した。
★果たして〝再戦〟は…
泥仕合に発展しそうな内容を懸念し、日本維新の会の足立康史衆院議員がカットイン。
《続きは、日本維新の会の憲法改正推進委員会でお願い致します!》とフォローを入れ、三浦氏が《はーい。よろしくお願いします》と了承し、議論は終息をみせた。
やりとりを見守るフォロワーから《貴女にはやはり態度と言動に問題が有りますね》と三浦氏を批判する声が上がる一方、《普通失礼なのは橋下氏でしょ? だって彼怒っちゃうんだもん》と問題は橋下氏の方にあるという人も。
《橋下さんと三浦さんがメインで定期的にネット座談会兼討論番組みたいなものを開催してほしい》と今後の展開に期待する意見もあった。
2人だが、果たして〝再戦〟の機会はあるか。
▲補足、感想など
なにか、この記事全体が皮肉っぽい調子で書かれているが、記事にあるテレビでの議論も通常のものだった。
橋下さんは、いつもの調子でしゃべっているだけだし、三浦さんもそれなりに反論している。
険悪なムードでどうとか書いてあるが、そんなことは記者によるミスリード。
そもそもデベートなんてものは、こんなもの。
筆者は、橋下さんの慰安婦がらみの発言が、維新の会のイメージをどうたらなんぞ、感じたこともない。
あそこで、慰安婦がらみの発言をしたからこそ、橋下さんってここまで言えるのかと驚き、この人なかなか—と感じた。
三浦さんの南洋諸島では慰安婦はひどい環境で働かされていた--発言について、どのような文献によるのかを橋下さんが聞いていたが、三浦さんだけが知っているものってあるのだろうか。
まぁ、今まで無双だった橋下さんに、もしかして勝てるとしたら、この三浦さんだろうな。
これから、何度も何度も議論の場が見られるさ。楽しみ、楽しみ。