▲東日本大震災から丸々5年か。
やっとのことで、もしかしたら—というエネルギー発生源のアイデアがでてきた。
一つは、潮流発電であり、もう一つは地熱発電だ。
その記事をご紹介したい。
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2016/11/05(土)
IHIは海流でタービンを回して電気をつくる海流発電システムを開発。
2017年秋に鹿児島県で発電の実証実験を行う計画で、横浜工場で実験機の製作を始めた。
年間を通して速さや向きの変動が少ない海流は、再生可能エネルギーの中でも安定的な発電電力量が期待できる。
実験の投資規模は数十億円。実験で知見や課題を収集・分析し、20年代の実用化を目指す。
実証はIHI、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東京大学、三井物産戦略研究所が参画。
時速3―4ノットの黒潮が流れる鹿児島県口之島付近で行う。
実験機は海底から伸ばしたケーブルを、カプセル型の浮体にタービン翼をつけた発電機につなぐ。
浮体内部に発電機や浮力調整装置などを設置する。
海中で発電機を凧のように浮遊させて運用する。
システム構成は発電量50キロワットの発電機2基を1対とする双発式。
タービン直径は約10メートルで
浮体の全長は約20メートル。
実用機は同2000キロワット(1000キロワット2基)、タービン直径は40メートルを想定。
1キロワット時の発電コスト20円を目指す。
横浜工場の機械加工スペースで浮体を製作し、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)は外注。
装置は横浜工場で組み立て、17年4月に完成する。
海流発電は再生可能エネの中でも、設備稼働率(発電できる時間)が高い。
稼働率は太陽光発電で10―15%、
風力発電で20―30%。
海流発電は60―70%と言われ、安定稼働が期待できる。
2016/11/05(土)
ジャパン・ニュー・エナジーは、京都大学と共同研究によって開発した世界初の技術、
温泉水ではなく地中熱のみを利用して発電を行う「クローズドサイクルシステム」による新地熱発電システムの発電実証に成功と発表。
大分県九重町で、この「JNEC(ジェイネック)方式新地熱発電システム」による地熱発電所の発電式典を開催。
同社は、このシステムについて、従来の地熱発電が抱える障壁の根本的解決方法として、
「温泉水を使用せず地中熱を吸収し発電する」という発想で生まれた新技術。
このシステムは、スケールの問題や、還元井の設置といった従来の地熱発電が抱える問題を解決する。
クローズドサイクル地熱発電は、地中深くまで水を循環させる密封された管を埋め込み、
地下水は汲み上げず地中熱のみを利用して管内の水を熱し、その蒸気でタービンを回して発電を行う方式だ。
具体的には、システムの中心的役割を担う、地下1,450メートルまで埋設した「二重管型熱交換器」内で、
地上より加圧注入した水を地中熱によって温め、液体のまま高温状態で抽出する。
液体を地上で減圧、一気に蒸気化しタービンを回して発電を行う。
このシステムでは、発電時にCO2排出がなく、24時間安定発電が可能という従来の地熱発電の特長に、
開発リードタイムの大幅な短縮やランニングコストの軽減、温泉法の適用除外といった事業を展開する上で有効な要素が加わる。
ジャパン・ニュー・エナジーは地熱発電の開発を行うベンチャー。
同社は、世界有数の地熱資源国でありながら実績の乏しかった日本の地熱発電事業に、「JNEC方式新地熱発電システム」により一石を投じたいと意気込む。
世界初のクローズドサイクル方式を用いたJNEC式地熱発電システムの実用化実証プラントは9月30日に完成した。
この発電所では、同社の根幹をなすプラントとして更なる性能向上へ向けた研究開発を行い、大規模化を図っていく。
2025年を目処に、3万kWの発電容量を備えた発電所の建設を進めていく計画だ。
なお、「スケール」とは温泉水の不溶性成分が析出・沈殿し固形化したもの。
地熱発電では揚水管・還元井の内部及び発電設備に付着し、半永久的なメンテナンス及び取り替えが必要となる。
「還元井」とは、地下の蒸気や熱水が枯渇しないために、発電に使用した熱水を地下に戻すための井戸のこと。
--ここまで--
震災後5年という歳月をみれば、原発に代替するだけのエネルギー源を得るということがどれだけ難しいことが理解できる。
これから、実用化までにはまだまだ時間が必要だ。
でも、いままで全く霧の中状態であったものが、霧の向こう側に多少とも明るい点が出現したような—そんな気がする。
原発というものがゼロになるとは思わないが、それでも「代替するだけのエネルギー源」があるというのは、国家の安全を守る上で重要なことだと思う。