2012年10月4日木曜日

米大統領選に向けてのオバマさん、ロムニーさんの討論。


▲米大統領選も酣(たけなわ)だ。
 オバマさんとロムニーさんの直接対決があって、ロムニーさんが有利だったとか。
 でもなぁ。
 ロムニーさんの記事を読んでいると、こんな単純な政策で経済が回復するとも思えない。
 今、アメリカ経済は、日本の失われた◯◯年の最中と同じ状態にあるのだ。
 日本でもそうだったろう。
 失われた◯◯年の最中においては、なにを行なっても効果がないというタイミングがある。
 日本の当時の首相であった小泉さんは、「改革なくして成長なし」という文言を繰り返していた。
 そりゃ、改革 → 成長 というものがダイレクトに結びつくものではない。
 でも、語呂がいいし、今、ともあれ、なにをなさなければならないかを明確に提示していた。
 要するに。
 アメリカにとって今は「我慢の時」なのだ。
 その「我慢の時」ということをどうオブラートに包んで、国民に訴えることができるかが勝負の分かれ目だと思えるのだが---

 以下、新聞から抜粋。

 アメリカ大統領選挙が1か月後に迫るなか、再選を目指す民主党のオバマ大統領と野党・共和党のロムニー候補によるテレビ討論会が行われ、 経済問題を中心に激しい議論が戦わされた。
 オバマ大統領とロムニー氏が直接対決するテレビ討論会は、経済など内政をテーマに1時間半にわたって行われた。
  討論会では、景気回復に向けた経済対策を巡って議論が交わされ、オバマ大統領は、「まだ十分ではないが、4年前の深刻な金融危機は乗り越えた。
 ロムニー氏は富裕層に減税をすれば経済が良くなると言うが、 私は中間層を引き上げることで、景気を引き上げていく」 と述べて、危機的な状況にあった経済を回復させたと強調。
 対して、ロムニー候補は、 「オバマ大統領のやり方ではこの4年間の失敗を続けることになる。
 オバマ大統領は政府の支出と税金、それに規制を増やした。
 これはアメリカにとって正しい答えではない」 と述べ、この4年間の政策を批判。
 討論会では、ロムニー氏が、オバマ大統領を攻撃し、大統領が守りに回って、言いよどむ場面が目立ちました。
 世論調査で、勝敗を左右する重要州でオバマ大統領がリードを広げるなか、テレビ討論会でロムニー候補が浮上のきっかけをつかむことができたのか、世論の反応が注目されます。


▲補足、感想など
 冒頭でふれたようにアメリカは、今、失われた◯◯年の最中にある。
 地価は下がり、担保価値は目減りし、不良債権に金融機関は苦しんでいる。
 つまり、マイナスにマイナスにと回転しているのだ。
 そんな時、ロムニーさんは富裕層の減税をすればと言っているのだ。
 違うだろう。
 今はなにをしても、そんなに効果のある政策はない。今は我慢の時だ。
 そんな時は、基本に帰って、教育の充実、製造業の復活、技術革新への積極的な投資等を行う時であろう。
 当然、すぐには明瞭な効果はでない。
 だから、「改革なくして成長なし」--と唱え続ければいい。
 小泉さんの手法だが、今、振り返ってもそれしかないなぁ、と思う。
 今のタイミングで、こうすれば「効果的だ」--とか大声で言う人間は詐欺師だ。
 「富裕層に減税すれば」などというセリフは、詐欺師そのものだろう。
 アメリカの地価がピークを迎えて下がり初めたのが2006年。2年後の2008年にリーマン・ショックが襲った。ピークから、ちょうど6年を経過したところだ。
 もう、そろそろ、回復の兆しが見え始めてもいいころではある。
 そういえば、数月前か。アメリカの地価が下げ止まったのではないかという記事があった。
 アレコレ考えると、もう1-2年というところで、もっと明確な経済回復の兆しが見え始めるということではないか。
 地価のピークであった2006年から、数えて8年くらいか。----う~ん、そんなものであろう—(日本の失われた10年より短いではないか--等という人がいそうだなぁ。これはアメリカという国は人口の増加している国であること、gnp が日本の3倍くらいの国であることから考えれば無理もないことと思える。要するに日本より強国!!であるということだ)
 上でふれたように、今、派手なことを言う人間は、「ホラ吹き」「詐欺師」の類だ。
 その意味で、オバマさんは少なくとも「ホラ吹き」「詐欺師」ではない。
 オバマさんが、この大統領選で勝利すれば、後半の4年間は、経済の立て直しに成功した大統領として、賞賛されるであろう。
 筆者としては、詐欺師ではないオバマさんの勝利を期待したい。