▲米大統領選も酣(たけなわ)だ。
オバマさんとロムニーさんの直接対決があって、ロムニーさんが有利だったとか。
でもなぁ。
ロムニーさんの記事を読んでいると、こんな単純な政策で経済が回復するとも思えない。
今、アメリカ経済は、日本の失われた◯◯年の最中と同じ状態にあるのだ。
日本でもそうだったろう。
失われた◯◯年の最中においては、なにを行なっても効果がない—というタイミングがある。
日本の当時の首相であった小泉さんは、「改革なくして成長なし」という文言を繰り返していた。
そりゃ、改革 → 成長 というものがダイレクトに結びつくものではない。
でも、語呂がいいし、今、ともあれ、なにをなさなければならないか—を明確に提示していた。
要するに。
アメリカにとって今は「我慢の時」なのだ。
その「我慢の時」ということをどうオブラートに包んで、国民に訴えることができるか—が勝負の分かれ目だと思えるのだが---。
以下、新聞から抜粋。
アメリカ大統領選挙が1か月後に迫るなか、再選を目指す民主党のオバマ大統領と野党・共和党のロムニー候補によるテレビ討論会が行われ、 経済問題を中心に激しい議論が戦わされた。
オバマ大統領とロムニー氏が直接対決するテレビ討論会は、経済など内政をテーマに1時間半にわたって行われた。
討論会では、景気回復に向けた経済対策を巡って議論が交わされ、オバマ大統領は、「まだ十分ではないが、4年前の深刻な金融危機は乗り越えた。
ロムニー氏は富裕層に減税をすれば経済が良くなると言うが、 私は中間層を引き上げることで、景気を引き上げていく」 と述べて、危機的な状況にあった経済を回復させたと強調。
対して、ロムニー候補は、 「オバマ大統領のやり方ではこの4年間の失敗を続けることになる。
オバマ大統領は政府の支出と税金、それに規制を増やした。
これはアメリカにとって正しい答えではない」 と述べ、この4年間の政策を批判。
討論会では、ロムニー氏が、オバマ大統領を攻撃し、大統領が守りに回って、言いよどむ場面が目立ちました。
世論調査で、勝敗を左右する重要州でオバマ大統領がリードを広げるなか、テレビ討論会でロムニー候補が浮上のきっかけをつかむことができたのか、世論の反応が注目されます。
▲補足、感想など
冒頭でふれたようにアメリカは、今、失われた◯◯年の最中にある。
地価は下がり、担保価値は目減りし、不良債権に金融機関は苦しんでいる。
つまり、マイナスにマイナスにと回転しているのだ。
そんな時、ロムニーさんは富裕層の減税をすれば—と言っているのだ。
違うだろう。
今はなにをしても、そんなに効果のある政策はない。今は我慢の時だ。
そんな時は、基本に帰って、教育の充実、製造業の復活、技術革新への積極的な投資等を行う時であろう。
当然、すぐには明瞭な効果はでない。
だから、「改革なくして成長なし」--と唱え続ければいい。
小泉さんの手法だが、今、振り返ってもそれしかないなぁ、と思う。
今のタイミングで、こうすれば「効果的だ」--とか大声で言う人間は詐欺師だ。
「富裕層に減税すれば」などというセリフは、詐欺師そのものだろう。
アメリカの地価がピークを迎えて下がり初めたのが2006年。2年後の2008年にリーマン・ショックが襲った。ピークから、ちょうど6年を経過したところだ。
もう、そろそろ、回復の兆しが見え始めてもいいころではある。
そういえば、数月前か。アメリカの地価が下げ止まったのではないか—という記事があった。
アレコレ考えると、もう1-2年というところで、もっと明確な経済回復の兆しが見え始める—ということではないか。
地価のピークであった2006年から、数えて8年くらいか。----う~ん、そんなものであろう—(日本の失われた10年より短いではないか--等という人がいそうだなぁ。これはアメリカという国は人口の増加している国であること、gnp が日本の3倍くらいの国であることから考えれば無理もないことと思える。要するに日本より強国!!であるということだ)
上でふれたように、今、派手なことを言う人間は、「ホラ吹き」「詐欺師」の類だ。
その意味で、オバマさんは少なくとも「ホラ吹き」「詐欺師」ではない。
オバマさんが、この大統領選で勝利すれば、後半の4年間は、経済の立て直しに成功した大統領として、賞賛されるであろう。
筆者としては、詐欺師ではないオバマさんの勝利を期待したい。