▲トウ小平氏だったかな。
我々にはレアアースという切り札がある。これを使えばなんとかかんとか---という話があった。
レアアースというのは、磁石とか触媒などに利用される希少な金属の類だ。
2年前かな。
尖閣諸島周辺で、日本の海保と中国の漁船が衝突した事件の際、中国が日本へ圧力をかけるため、輸出を制限した。
ところが、今度の一連の反日行動に際しては、この「レアアースの輸出制限」という手段を採用していないのだ。
なぜだろう。
核心は、伝家の宝刀というものは、一度しか使えない—ということだ。
切り札というものは、なんども使えるものではない。
日本は、レアアースを使わない磁石・電池とかを開発して、需要自体が減少して「切り札」の意味を失ったということらしい。
以下、新聞から抜粋。
◇尖閣対応、2年前と変化
日本はレアアースの調達先の多様化を進めた結果、中国への依存度は確実に低下している。
輸入に 占める中国産の割合は10年に8割超だったが、今年1~6月は5割を切った。
代替品の活用などで 全体の輸入量も減っており、今年1~6月は一昨年の半分以下。
中国の輸出規制で昨年夏に急騰した価格も、今年夏にはピークから7割程度低下した。
日本の残る課題はレアアースの中でも希少性が高い「重希土類」と呼ばれる分野の確保だ。
なかで もハイブリッド車(HV)などに使われる「ジスプロシウム」は今も圧倒的に生産量の多い中国産に9割超を頼る。
ジスプロシウムについても住友商事がカザフスタンでウラン採掘の残存物から回収する事業に着手したほか、三菱マテリアルがHVの廃車からの回収を始める方針だが、本格的な調達には時間がかかりそうだ。
一方、中国政府は8月、レアアースの輸出枠を前年比約2・7%増やすと発表した。
しかし 11年の輸出実績は輸出枠の6割程度にとどまる。
今年1~6月も前年同期 比で約4割減少しており、実際には輸出枠に余裕がある。
日米と欧州連合(EU)が今年6月、中国 がレアアースに輸出枠を設定するのは世界貿易機関(WTO)協定に違反しているとして、中国を WTOに提訴しており、輸出枠拡大はこれらの国際的な批判をかわす狙いがあると見られている。
さらに中国政府はレアアース業界の管理強化を進めている。
今年4月に業界団体を設立したほか、 8月6日には採掘・精錬事業への参入規制を発表。
資本規模などをクリアできない約3分の1の採掘企業と、約半分の精錬企業が整理される見込みだ。
また、9月13日には、レアアースの試掘権・採掘権リストを公表。
採掘権の発行数を113件から67件に大幅に減らした。
採掘・精錬を大手企業に集約することで政府が生産量を調整し、戦略物資としてレアアースをコントロールする考えのようだ。
▲補足、感想など
そもそも、中国がレアアースの輸出規制をして困る国って、日本ぐらいなものであろう。
つまり、明らかな「日本叩き」なのだな。
日本叩き—か。
ここらあたりだな。
中国って国は、日本より100年遅れて、1980年代にトウ小平さんによって改革開放政策に転じた国だ。
改革開放政策を採用して、約30年を経過ばかりだ。
この日中100年の差というものの意味を中国人は理解できないようだな。
そういえば、こんな話をどこかで読んだ記憶がある。
数年前、総合誌bで「日本敗れたり」という特集をしたことがある。
その中で、日本が戦争に突入した原因の一つとして、「日本人の実力・実像というものが外から理解されない」という文言があった。
「日本人は必ず過小評価される」---というのだ。いや、もっと露骨に表現すると”なめられる”ということだ。
まぁ、日本人は派手なパフォーマンスはできないし、ハッタリもできない。--このあたりが、過小評価される原因の一つになっているのだろう。
今の中国人は、おそらく日本人をみて、そう思っているのだ。
それ故の、「日本目当てのレアアース規制」であろう。
ところが、日本人技術者というのは、変態的で、制限が多くなればなるほど燃える—という気質をもっているものだから、「ふ~ん、じゃ、レアアース不要の磁石を作ろう」とか決断して、あっという間に造ってしまうのだ。
こうして、伝家の宝刀があっという間に、ただのナマクラになってしまう。
これは日本人の特性であり、よく言えば「凄さ」なのだ。
そして、この日本人の特性を最も理解しているのは、先の大戦で死闘を繰り広げたアメリカだけだろう—と思える。
それ以外の国民には、日本人の「特性」「凄さ」は見えないし、理解されない。