▲尖閣諸島の騒動<日本と中国との間に領土問題はない>を契機として、日中関係が冷え込んでいる。
お互いが観光旅行などをやめているのだが、中国の新聞が「どっちが本当に痛いのだ?」と記事にしている。
記事の結びは、あいも変わらず、我田引水的な結論へもっていっているのが「お笑い」だ。
筆者も、もう死ぬまで、中国へ旅行にいくことはあるまい—と思う。
キチンと整備すれば、世界中から観光客を引きつけるだけの観光の目玉など、不自由しない国土なのだが、その価値に気が付かない。
中国人にとって、中国大陸は文字通り、「猫に小判」というものだな。
もったいない。もったいない。
このあたり「伝統」というものの無さのためだろう。
中原(ちゅうげん)<ついでながら、なぜ、唐時代に長安なんぞという内陸部が都であったのだろうか。この答えは、シルクロードにある。秦の始皇帝の時代から、西方からの新情報・新文物などはシルクロードを通じてもたらされたからだ>で農耕をして暮らしていた人達を、北の寒冷地で放牧を主としていた民族が襲う。その度に、価値観の逆転が起こり、農耕民族の中の文化人が殺害され、文化というものが伝承されない。
植林の大事さ—などということも伝承されなかったのだろう。
陸続きの大地で国家を建設することと日本のような島嶼国家との違いといえるのかもしれないな。
以下、中国の新聞記事から抜粋。
2012年10月23日、国土交通省の最新報告によると、日本が尖閣諸島の国有化を正式に発表した9月中旬以降、 日本人の中国への観光ツアーは半減した。
日本には「中国の観光部門が被る損失は甚大で、日本よりも大きい」とするメディアもある。
しかし、中国の教授は、 「日本のメディアが中国が被る観光収入の損失のほうが大きいと報じているのは『自分を慰める』ため。
中国人の日本観光によって日本側が得られる直接観光收入と間接観光收入は、日本人の中国観光によって中国側が得られるそれを上回っている。 日本のメディアは中国という大きな利益を失う」 と指摘。
環球時報が伝えた。
▽日中旅行業「共倒れ」
時事通信は、日中両国の関係悪化による航空・旅行業界への影響が出始め、 中国旅行の安全性への懸念や中国に対する悪感情が原因で、団体客のキャンセルなどで日中間の定期便の16%が減便、中国への観光ツアーは半減した。
また、日本航空と全日空は、9-11月分の中国に向かう便中、5万2000席がキャンセルになったことを明らかに。
さらに、日本交通公社も「中国に向かう観光者数が10%減少した」と。
一方、中国人の訪日に関して、共同通信は、「9月に日本を訪れた中国人旅行者は、2010年同月と比べ約1万4000人(10%)減の12万3500人」 と推計を報道。
▽損失は日中どちらが大きいか
統計によると、11年、日本を訪れた中国人旅行者は130万人、 中国を訪れた日本人旅行者は350万人だった。
そして同統計に基づき、 「日本人は中国を避けるようになれば、中国は日本人観光客を失うことになる。
そのため、中国側の損失のほうが大きく、日本の損失よりも大きい」と分析。
しかし、統計によると、総合的に評価しても、 日本の損失のほうが大きい。
観光庁の12年の統計データによると、 訪日中国人観光客の1人当たりの消費額は16万4358円。一方、訪中日本人観光客は10万円以下だ。
中国の観光客が日本に与えている経済効果のほうが大きい。
日本のある観光業関係者は、「日本の観光業界にとって、ショックなデータは出ていない。
今のままでは、来年の春節(2月10日)の連休までに、 中国人観光客数が以前の水準にまで戻るのは難しい。
そうなると、倒産する日本の旅行社が相次ぐだろう」と警笛。
▽関係冷え込みを本当に避けたいのは日中どちらか
フランスの週刊誌は、
「日本は裕福な中国の『医療観光客』を失いたくない」と題する記事を掲載。
「日中の尖閣諸島をめぐる紛争は日本の医療観光の足かせとなっている。
地震、津波、原発事故の3重苦を抱えていた日本は、医療観光に望みをかけていた。
しかし、逆に毎年7億ドル(約550億円)の損失を計上する可能性がある」と指摘。
「観光立国を目指す日本にとって、中国市場の存在感は決して無視できない」とする日本経済新聞の報道を紹介。
しかし、日本のメディアが中国との間に存在する「緊張」や中国人の反日感情を大きく報道しているため、 日本人の嫌中感情が高まっている。
一方、「両国はそう簡単に自国にとっても利益となる相手国との関係をあきらめることはない」と見ている人もいる。
日中の民間友好団体が観光業や経済などの面で重要な役割を果たし、「両国共倒れ」という局面は日中ともに絶対に避けたいとの考えを示した。
▲補足、感想など
ふ~ん。
中国人ってやつは—と呆れてしまう。
日本の方がダメージが大きい—というためには、どんなウソというか、デタラメでいうのだな。
ここで、上の記事から、ダメージの量を計算してみよう。
それぞれ、日→中 中→日 への観光客が10パーセント減としよう。
一年間の韓国客数だが、記事によれば、
日 → 中 へ350万人 中 → 日 130万人。
すると、日本人 350万人×10パーセントで35万人 中国人 130万人×10パーセントで13万人。
一人当たりの旅行費は
日本人 10万円 中国人 16万5千円。
人数に乗じてみると、
35万人×10万円 =350億円 13万人×16万5千円=215億円 となる。
日本円の中国での価値の差を計算してみると、日本と中国とのマックバーガー指数をみる。
日本 320円/個 中国 192円/個。(まったく同じものがそれぞれの国でどのくらいの価格になるか-ということ。国の経済力の差=貨幣の価値の差をおおよそ示している)
ならば、中国人にとっては 350億円×320/192 =583億円相当 ということになる。
整理してみよう。
日本のダメージ 215億円
中国のダメージ 583億円相当 となり、2.7倍の差だ。
これでも、日本のダメージが大きいのか。
上で、中国人の理屈は「我田引水的」だと書いた。しかし、これはもうそんなものではなく、デタラメだ。
このあたりが中国人の特徴だ。
合理的な判断ができない訳ではなく、一応、合理的に考えるのだが、「日本の方がダメージが大きい」という自分達の願望する結論にもっていくために、合理性をうちやって、デタラメを選択するということなのだろう。
ついでにいうが。
これは10パーセント減という前提での計算だ。
先日のニュースで70パーセント減という数字が上がっていた。まぁ、年間を通じてそうなるかどうかは分からない。
仮に年間を通じて、70パーセント減であれば、上の計算の7倍、4000億円相当となる。
それこそ、中国の旅行社がボンボン潰れてもおかしくあるまい。
これはもう日本-中国間でのチキンゲームだ。
さて、どちらの臆病者が先に悲鳴を上げるかな。