2013年2月20日水曜日

日本の中国離れ、英独の中国接近。


▲戦前なら、「複雑怪奇」とかいうのかな。
 現在なら、そんなことを考える国もあるのだなぁ、ですむ。

 日本が今、中国離れの最中だが、それを狙って、英国とドイツが中国に接近している。
 そういえば、昨年の夏、中国が日本を叩いている最中に、アウディとかいう会社の営業部が妙な広告をしていたなぁ。
 なるほど。
 日本の抜けた穴をイギリス、ドイツが埋めるということか。

 以下、新聞から抜粋。

 世界情勢は「複雑怪奇」に激変の最中である。
 日本人は「西側同盟」と「日米同盟」が堅い絆で結ばれていると勘違いしている。
 国際政治の舞台裏では「昨日の敵は今日の友」「今日の友は明日の敵」である。

 欧米同盟とて、中国と対立する米国に意外な方向から敵対者が出現した。
 何と、英国とドイツが米国に敵対的態度を示すようになった。
 英、独は中国に接近し、英国は金融市場で、ドイツは製造分野で中国重視政策にかじ取りを変えた。
 メルケル首相は、大型経済使節団を率いて訪中し、エアバス組立工場、ベンツ工場拡大などの契約をした。

 昨秋の反日暴動で、 「日本はもう良いぜ、ドイツが来るから」という中国からのメッセージだったと受け止めることもできる。
 パナソニック工場が焼き打ちされたのも、 「ドイツ勢が本格進出するから、日本企業は去れ」という暗黙の信号だった可能性は皆無とはいえないだろう。
 ドイツは日独伊三国同盟の初期にさえ、中国軍にてこ入れしていたのだから。

 戦後ブレトンウッズ体制下、ドイツが欧州統一通貨=ユーロをまとめ、露骨に米国に挑戦した。
 英国は、「ユーロ通貨圏」から離れロンドンの金融センターを拡大する金融覇権を手放さず、 シティ(ロンドン金融街)を中国人民元のオフショア市場に開放した。
 米国は、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正問題を追及し、英国を代表する巨大銀行の拡大を阻止する挙に出た。

 レーダー照射事件など、尖閣諸島をめぐる日中間の軍事的緊張は解けない。
 だが、日本では政権交代が起こり、株高・円安にぶれてアベノミクスによる景気回復が見えてきた。
 この円安に批判を開始した欧米も、内実はバラバラである。
 日本国内には媚中派、親中派の跳梁跋扈があり、マスコミ論調は必ずしも国益で一本化していない。 
 今後、果たして日本人は経済成長回復という甘い期待だけではなく、どれほど不退転の決意を示せるのか?


▲補足、感想など
 英独の接近は、中国の習近平国家主席の「救いの主」かもしれないな。

 英独が、アメリカに敵対—って。
 まぁ、そうかもしれないが、核心は、アメリカ発のリーマン・ショックからヨーロッパ諸国はもう10年くらい抜けだせそうもないからだ。
 いわば、背に腹はかえられない—ということだ。

 もう一つは、ヨーロッパと中国とはユーラシア大陸の西の端と東の端で、地理的に遠く、よく見えていない—ということもあるのだろう。中国人のもつ頑迷な「中華思想」が見えないのだ。

 ヨーロッパの階級社会というものは、牢固として揺るぎもしないシステムであるが、これは新しい才能を発見できないシステムでもある。
 ために技術革新とか新製品のでてこない社会なのだ。L

 その分、上流階級のエリートが頑張らなければならないのだが、圧倒的に数が足らない。
 日本のように階級の殆ど見えない社会では、どこからでも「才能」が出現する。---まぁ、このあたりが、日本とヨーロッパとの「活性度の違い」として顕在化する。

 ヨーロッパのエリート達は、自分の存立基盤である「階級社会」の”不毛さ”を絶対に認めることはできない。
 ましてや、日本のシステムが”新しい才能の発見という面”でヨーロッパのそれより「優れている」ということを認めることはできない。
 いや、もっとハッキリ言えば、だから、西欧のエリート達は、日本というものを認めてはならないのだ。

 あれ、話がどこかへいった。
 上でふれたように、日本が中国から抜けていっていることは英独としてはまぁ、都合のいい話だ。
 いまこそ、中国へ入りこもう—と考えているということだろう。イケアも中国への意欲はすごかったなぁ。
 まぁ、日本人とすればお好きにどうぞ—という感じかな。