▲日本とロシアとの間での懸案事項である、北方領土問題に進展が見られそうだ。
核心はなにか。
それは、安倍政権というものが、これから5-6年程度の長期政権となりそうだからだ。
つまり、今、約束したことが、首相の交替により約束が約束にならない—ということになる可能性が低いからだ。
今、ロシアはプーチン大統領が政権を握っている。
日本は安倍、ロシアはプーチンという、当分の間はそのポストが揺るぎそうもない—という安定期に入った政権同士だからだ。
ロシアとすれば、2島か4島かなどどうでもいいことだ。
要は、返還することに対して「充分な代償」を得ることができて、それでロシア国民を納得させることができるかどうか—だけの問題なのだ。
<元々、日本のものじゃないか。それを代償を払ってというのはおかしいじゃないか--という議論もあろう。でもなぁ、ロシア側にも言い分があろう。そのあたりはお金とはいわないが、開発に協力します--という形でロシア国民を納得させた方が得であろう>
<元々、日本のものじゃないか。それを代償を払ってというのはおかしいじゃないか--という議論もあろう。でもなぁ、ロシア側にも言い分があろう。そのあたりはお金とはいわないが、開発に協力します--という形でロシア国民を納得させた方が得であろう>
だから、森さんの3島がどうたら—なんて、脇道に入った(まぁへたな小細工のような)議論にすぎない。
<このあたりだなぁ。今まで森さんあたりは、ロシアと「ここで返すと言ってくれたら、後でなんでもしますから」--とか口約束のようなことを言って交渉したのだろう。
ロシアとしてはそんな日本人の口約束など信じることができないから、交渉が前に進まないのだ。
なんというかなぁ。
日本人の交渉って、自分も相手も善人だと頭から信じて交渉する、対してロシア人は相手が悪人だという前提で交渉する--だから、日本人とすれば、あとからなんとか--というのは別にウソを言っているつもりはない。
でも、ロシア人からすれば、コイツ、オレを騙すつもりだな--と感じてしまう--これは民族の違いなのだ。腹芸など通用しない>
繰り返すが、これから5-6年というスパンで、日本とロシアの間の政権が安定してくる。
約束がキチンとした約束になる—という意味で、ロシア側からすれば「交渉するに絶好のタイミング」なのだ。
そのあたりを踏まえて、今、「北方領土問題解決へ」進展がみられると予想されているのだ。
以下、新聞から抜粋。
ロシアでは、日本で昨年末に自民党が政権に復帰したことで日本の国内政局が安定し、
「日露(関係)が10年以上の停滞を抜け出す可能性がある」(パノフ元駐日大使)との期待が高まっている。
プーチン大統領は昨年5月の就任当初から対日関係拡大に意欲を示してきた。
極東ウラジオストクで昨年9月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を開くなど、
極東の経済開発を本格化させる方針で、そのためには日本企業の参加が欠かせないからだ。
中国が沖縄県・尖閣諸島をめぐり日本と対立を強めるなど、北東アジアに緊張状態が生まれていることも影響している。
ロシアは中国と良好な関係を築いているが、「一国で中国と向き合うことは骨が折れる。
日本や韓国などと関係を強化すべきだ」(カーネギー国際平和財団モスクワセンターのトレーニン所長)との声が出ている。
ただ、北方領土問題では慎重姿勢を崩していない。
ラブロフ外相は1月下旬の記者会見で「平和条約の締結を話し合う用意はできている。
しかし日露の両国民が受け入れられる提案でなければならない」と発言。
56年の日ソ共同宣言に基づき、2島返還と平和条約締結で決着を図る立場を崩さなかった。
森元首相が3島返還論に言及したことに対し、露紙「独立新聞」が「日本側の新しい提案」と報道する一方で、
露外務省はコメントを控えた。
谷内氏が09年に「3・5島返還案」を述べた際に批判的な対応をしたことに比べると慎重な姿勢が目立つ。
日本国内で4島返還にこだわらない意見が広がるのか見守る構えとみられる。
日本をけん制する動きも出ている。
露紙イズベスチヤによると、極東発展省は1月下旬、色丹島に魚介類加工工場などを建設する計画をまとめた。 ロシア軍は5日、北方領土で太平洋艦隊や国後、択捉両島に駐留する師団などを投入した軍事演習を始めた。
▲補足、感想など
冒頭でふれたように、この北方領土問題を進展させる前提として、「安倍政権が5-6年は続く政権」であることが必要だ。
そうでなくて、コロコロ政権が交替して、まともに交渉ができるものか。
で。
そのためには、この夏の参議院選で「自民党が勝利」しなければならない。
となると、この夏までは予備交渉で、秋以降から本格的な「日露間の交渉」となるとみた方がいいだろう。
そういえば、昔、日本もウラジオストクあたりに日本人も多く暮らしていた筈。
ああいう、ロシアの極東地区の開発が交渉の中味となるのかな。
また、エトロフなどが日本に返ってくれば、電気とか下水などのインフラを作らなくてはなるまい。
フェリーを新たに就航させる必要があるなぁ。
こういう公共工事が日本を活気づける。また、エトロフ、クナシリと新しい観光地ともなる。
楽しみなことだ。