▲アシアナ航空の事故の記事を見ながら、もう遥か昔、サハリン南端を横断した大韓航空機がソ連の戦闘機に撃ち落とされたという事件を思い出した。
ウィキペディアをみると、1983年か。もう30年も前か。
いや、どこにひっかかるか—というと、パイロットの語学のことだ。
管制官とか、ソ連のパイロットからの呼びかけに答えない「対応のしかた」がそっくりだと思ったからだ。
いや、韓国でも当然、パイロットには英語の研修が義務つけられ、試験もあるようだ。
核心は、この試験自体に誤魔化しがあるということだ。
まず、予備試験のようなものをやって、次に同じ問いで本試験をやる—という。
つまり、試験には合格したが、「実力」が伴っていない—そういうパイロットが実務につく--ということなのだ。
上で例示したサハリン南端を横切った大韓航空機に対してソ連のパイロットはなんども呼びかけた。
それに対して、航空機からなんの返事もなかった。
これについては、いまも、理由が明かされないままだ。
恐らく。
この大韓航空の機長は、英語が聞き取れず、しゃべることも出来なかった-----。
サハリン南端を横切ったのは、自動操縦の際の入力ミスであろう。
ただ、それをソ連側から指摘されても、応答することがこの機長は出来なかったのだ—これが真相だろう。
それで。
上のアシアナ航空の副操縦士も同様に、試験には合格したが、英語の聞き取りもしゃべることも出来なかった。
で。
サンフランシスコ空港の管制官の指示が理解出来なかったのではなかろうか。
以下。韓国の新聞から抜粋。
サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗して事故を起こしたアシアナ航空機の原因をめぐって、
米国メディアの報道態度が常軌を逸している。
米国の主要メディアは、
「経験のない機長」だとか、「サンフランシスコが初めての飛行」といった記事で、
事故原因をパイロットの過失と断定する報道を続けている。
韓米両国の合同調査が始まったばかりなのに、
米国家運輸安全委員会(NTSB)の記者会見を根拠にそのような報道が続いているのは遺憾だ。
韓国政府が米国に会見の自制を要請したのは当然だ。
映像を通じて、着陸時に速度が落ち、
飛行高度が正常の高度よりも低かった事実が明らかになった。
しかし、その原因はパイロットの失敗の他にも、管制の誤りや機体の欠陥など様々な要因があり得る。
にもかかわらず米国メディアは、
「調査当局は機体の欠陥による事故の可能性は排除している」
とし、パイロットの失敗とだけ見なしている。
事故機種のボーイング777型を製造したボーイング社や
サンフランシスコ国際空港の誤りは最初からないといった
「愛国主義的」報道傾向はメディアの責任性が問われる。
航空事故の原因究明は長い場合には数年かかるのが通例だ。
1997年に乗客と乗務員225人が死亡した大韓航空グアム墜落事故のNTSBの調査は2年6ヵ月、
1999年の大韓航空スタンステッド事故の時は3年7ヵ月かかった。
事故の調査は、初動調査の後、現場調査、ブラックボックスの解読、運航、整備、機体などの
分野別の詳細な調査、技術検討会議などを行なわなければならない。
調査チームは、パイロットや乗客など生存者のインタビューを通じて正確な原因を突き止める。
正確な事故原因の究明は、犠牲者に対する補償と責任の所在を明らかにするために必要だが、
さらに重要なことは、類似の事故の再発を防ぎ、航空をより安全にすることにある。
大韓航空グアム墜落事故の場合、前方が識別できない悪天候と着陸装置の欠陥も問題だったが、
機長と副機長の対話内容を分析した結果、
部下が上司に異議を言えない権威主義的組織文化も事故に影響を与えたという分析が出た。
その後、専門家たちがパイロット間の円滑な意思疎通のために
操縦室内の英語の使用を薦めたことは有名なエピソードだ。
今回のアシアナ航空機事故は空港内の事故なので、
ブラックボックスも回収され、原因究明にはそれほど時間がかからないかもしれない。
多くの航空事故を調査したNTSBの過去の調査が米国の国益に偏っていたという論議が起きたこともあった。
今回はそのような誤解がないよう公正に調査を行なうことを期待する。
自国の航空会社を無条件に擁護しようとする韓国社会の一部の愛国主義も望ましくない。
今は両国があらゆる可能性を開いて、事故の収拾と正確な原因究明に向けて力を尽くす時だ。
▲補足、感想など
操縦士が英語を聞き取れない、しゃべれない—ということがありうるのか。
う~ん。
冒頭で、試験のやりかたを書いた。
そういうやり方なら、そんなこともありそうだ。
誤魔化しといえば、誤魔化し---。
そういうことを許容する国家であり、国民だということだろう。
そして、その公然たる「誤魔化し」によって、往々にして大きな被害を生み出す国家だということだ。
冒頭でふれた「大韓航空機撃墜事件」でも、パイロットの英語のことなど、ウィキペディアでもこれっぽっちもでてはこない。
まぁ、筆者の「妄想」かもしれない。
でも。
諸々、考えると充分、可能性のある「原因」ではあるまいか。