▲中国の不動産バブル崩壊へ刻々と近づいているようだ。
日本でいえば東京にあたる上海でも50パーセントも取引量が減少したという。
まず、新聞から抜粋。
上海当局が融資基準を緩和した後も、不動産市場の取引量は上昇せず、50%近く急落した。
価格の下落が続くなか、在庫は積み上がり、中国の不動産市場は衰退の一途をたどっている。
裏目に出た上海の不動産救済策 取引量が急落
上海は、融資基準を緩和し、住宅購入用の積立基金を利用する購入者を対象に1軒目の住宅ローンが完済後、2軒目の住宅ローンを組むことを認めると公表。
しかし、上海での不動産取引量は大幅な下落を見せた。
上海の不動産仲介大手の統計データによると、上海では今月3日から9日にかけて、新規物件の成約面積は17.2万平方メートルで、前月比48.7%減。
中古物件の成約件数は3918件で、前月比31.8%減となった。
対し、中原不動産の総監は、「上海の住宅融資政策は市場の期待にはほど遠い。中国人民銀行が住宅ローン規制を緩和した後、消費者は銀行が基準金利から最大70%割引の利下げを提供でき、しかも2軒目の住宅購入金利優遇措置はすべての商業不動産にも適用すると期待していた。
しかし、上海の住宅融資政策は2軒目の普通住宅に制限されている。
中国の不動産情報サービス会社の総監は、上海不動産市場の取引量急落の情勢によって、不動産市場はさらなる下落周期に入り込むと推測。
大手不動産4社、在庫が高止まり
不動産不況は上海だけに限らず、中国各地で不動産市場の低迷が深刻化し、在庫は増大している。
中国の金融経済情報ベンダーの統計データによると、現在、上場の不動産企業142社の在庫残高は2.3兆億元(約43兆円)に達し、前年同期比で21%の上昇となった。
在庫状況のランキングについて、不動産大手4社がトップ4位にランクイン。
それぞれの在庫額は約6.6兆円、約5.2兆円、約1.8兆円と約1.6兆円だった。
中原不動産のアナリストによると、現状からみれば、最大手を除き、90%以上の不動産会社は年度の売上目標を達成するのは難しい。
大多数の不動産会社は巨大な在庫削減の圧力にさらされている。
市場の下降傾向が顕著になり、不動産会社は年度目標を達成するのが難しいとの見方が強まっている。
多くの業界専門家は、現在の状況に応じて、在庫削減と取引量の増大を目指す場合、必然的に価格下落をもたらすとの共通の認識を持っている。
▲補足、感想など
なにか、表現が生温いなぁ。
ハレモノにさわるような表現だ。
どこか、冷酷な資本の論理というものが徹底していない—という感じを受けないか。
核心は、おそらく「そこ」だな。
中国の資本主義って、資本主義ではないのだ。
いわば、情実資本主義、ご都合資本主義なのだ。
記事にある不動産業者の言い方にも、最後の最後には政府に泣きつけばいい—という発想が見える。これだけ大きくなれば、潰すにも潰せまい—という下心が見える。
さて。
2008年の夏、リーマンショックが世界中を襲ったとき、胡錦濤さんは人為的なバブルの発生で対応しようとした。
それは、今のアベノミクスと同じで、土木建設というものでgnp を押し上げようとしたのだ。
ところが、中国人の場合、胡錦濤さんが意図していた方向へ必ずしも、いかず、様々な投資という形となり、てっとり早く儲かるという不動産業へお金が集中した。
そうして、約6年という月日が流れて、今、人為的に引き起こしたバブルというものが、記事にあるような形で終結を迎えようとしている。
上でもふれた。
資本主義の本来もつ「冷酷さ」というものが、根底に流れていれば、バブルもどこかで人為的に潰すこともできたはず。
ところが、ご都合資本主義なものだから、バブルを適当なところで、潰すだけの勇気のある指導者が(胡錦濤さん、済みません)出てこなかったということだろうな。
現国家主席の習近平さんのあの頭では、とっても人為的には潰せまい。
ましてや、日本の安倍さんへあんな仏頂面で対応するという度量の狭さでは、バブル崩壊という現象に対して、どう対応していいのか---方向性さえも理解していまい。
すると。
行くところまで行くしかない。
様々な不動産絡みの理財商品の償還ができなくなることで、中国のアチコチで債権者達の暴動が発生するであろう。
その暴動を共産党政権が抑えきれなくなった時が、実質的な「中国の不動産バブル崩壊」であり、もしかして、共産党政権というものが潰れるタイミングかもしれない。
こうなれば、やはり、バブル崩壊までもう数年かかりそうだな。