▲そりゃそうだろうなぁ、と思う。
日本の失われた✕✕年—と同じ状況なのだろう。
そういえば—といくつか思い出した。
リーマンショックが2008年か。
2009年、2010年の春、日本の企業は、数千億円の赤字を計上していた。
トヨタなど2009、2010年も2011年もだったかな。
つまり、損失を計上して、b/sを健全なものとしたのだ。
ところが、その時、ヨーロッパの企業はなにもしなかった。
なにもしないとは、要するに”隠した”—ということだ。
ちょっと、ドイツ銀行の記事があったのでご紹介したい。
--ここから--
:2012/12/06(木)
英紙フィナンシャル・タイムズは、ドイツ銀行の元従業員が、 同行が最大120億ドル(約1兆円)の損失を当局に申告せず、結果として公的支援を受けるのを避けたと訴えていると報じた。
元従業員らは米証券取引委員会(SEC)に不正を報告したという。
ドイツ銀行は「訴えは2年半も前に出されたもの。慎重に調査がなされたが、まったく根拠がない。
重要な事実や情報についての知識、責任のない人物が出したものだ」と疑惑を否定した。
FT紙によると、元従業員らはドイツ銀が額面1300億ドルの一部のデリバティブ(金融派生商品)について、 時価で価値を算定しないことにより、2007年から09年の金融市場混乱時に発生した損失を隠したと主張している。
この損失隠しがなければ同行の自己資本は危険な水準まで下がり、公的支援が必要になった可能性があるという。
--ここまで--
損失を隠したまま、利益を計上して、それを配当に回した。
日本の金融機関でもこれをやって、ボンボン潰れた。
企業としての体力を失うのだ。
もう、6年もそんなことをし続けているのか。ヨーロッパの企業は。
また、ヨーロッパ諸国は猫もしゃくしも同じユーロを使っている。個々の国で諸事情が違うのに、同じユーロという貨幣を使っているものだから、国が単独として対応できないのだ。そのため、ドイツなどの強国におんぶにだっこ—という形になる。
その上、階級社会というものが、牢固として形作られ揺るぎもしない。そのことで、その他大勢の人達の水準が低いままだ。ヨーロッパからロクな発明品一つ出てこないのはそのためだ。
以下、新聞から抜粋。
世界経済の低迷が続く中、海外メディアでユーロ圏の経済危機に警鐘鳴らす記事が目立ている。
多くは、1990年代以降の日本を例に挙げ、デフレスパイラルに陥る危険性を論じている。
中でもポール・クルーグマン教授は、
「欧米は日本以上に深刻なスランプに陥った」と悲観的だ。
◆クルーグマン教授「我々は今、日本に謝るべきだ」
クルーグマン教授は、日本の「失われた20年」は、「反面教師として、先進国経済が進むべきではない道を示してきた」とコラムで述べている。
そして、自身も日本が取った政策を批判してきた一人だと。
しかし、「我々は今、日本に謝らなければならない」と告白。批判は間違ってはいなかったが、認識が甘かったとしている。
それは、欧米が日本の教訓を全く生かすことなく、
「起きるはずではなかった」失敗を積み重ね、日本よりもさらに深刻な状態に陥ったからだという。
「特に2008年以降の失態は、日本の失敗が霞むほどに大きなものだった」と嘆く。
その例として、ヨーロッパの緊縮政策や、「2010年以降のアメリカのインフラ支出の崩壊」を挙げている。
また、欧州中央銀行がインフレを予防するために行った2011年の利上げは、
「積極的に成長を破壊した」致命的なミスだったと指摘する。
欧米が日本の教訓を生かせなかった理由については、「我々の社会に巣食う根深い格差のためだと思う」と述べている。
▲補足、感想など
はっ。
日本の教訓を生かせなったのは、根深い格差のため—か。
あんなになったのは、日本人がアホだからだ。我々は、賢いからあんな失敗はしない---とか失われた✕✕年の頃、欧米のエリート達は、日本をあざ笑っていたではないか。
要するに、「日本人をアホ扱いして、あんなアホの真似ができるか」--と思ったということか。<そう言えば、1980年代の頃だったかなぁ。ヨーロッパの技術者が、日本人に頭を下げて教えを乞うなんてことは、絶対にできないとか言ったとか新聞で読んだなぁ。「100年遅れ」に頭を下げるなんて--という感覚があるのだろう>
人種差別というより、階級社会のエリート達というものは、自分に自信があるものだから、他者かの忠告(特に黄色人種の)など聞く耳も持たなかったのだろうなぁ。
で、緊縮政策を採用した—ということか。
日本のように、超低金利政策とか、金融機関の国有化などを考えなかったのか。
不況で特に酷いのかフランスなどだという。
書き込みから拾ってみる。
--ここから--
◇フランスですら全世帯失業率10%。
若年失業率25%やで!!
これでもまだマシな方で、スペイン、ギリシャ、ポルトガルは若年失業率4割超のこの世の地獄なのですよ。
--ここまで--
日本の失われた✕✕年なんて、今のポルトガルなどに較べれば楽園のようなものだな。
これで緊縮政策を取る—って一体、ヨーロッパの経済学者はなにを考えているのだ?
これは、日本のバブル崩壊後、失われた✕✕年の頃、なにをやったのか—を教訓にすべきだ。
そりゃ、日本を真似すればうまくいくという訳ではない。
それでも、緊縮財政を取るなどというバカな選択はなかったろうし、金融機関の一時国有化などを考えることができたのではないのか。
日本の不動産バブルの崩壊では、100兆円のお金がどこかへいったし、それなりに傷がいえるまで約15年の時間と、総額で1000兆円近いお金を要したという。
15年という期間は長すぎると思うし、まぁ、日本も未経験のことで試行錯誤も多かったのだろうな。
較べれば、ヨーロッパ諸国は、まだ6年ではないか。
日本の例からみると、後10年近い時間が必要だろう。
日本の失われた✕✕年の教訓がお役に立てればいいのだが。