2014年11月4日火曜日

中韓そろって危機。

中国の不動産バブル崩壊の様相が段々深刻化しているようだ。
 不動産バブル崩壊にソフトランディングということはない。
 必ず、ハードランディングとなる。

 それは、人間の欲望というものに直結しているからだ。
 にっちもさっちも—というところに行き着かないと、自らの欲望を封じ込められない。

 日本の場合には、公定歩合を無理やり引き上げるということをやって、バブルを潰した。
 あの時の三重野日銀総裁の決断は今振り返れば見事としかいいようがない。

 中国には、1990年の三重野日銀総裁ほどの「決断力」をもった人間がいないらしい。
 バブルを人為的に潰す勇気もないらしい。
 これは、やはり、習近平国家主席が決断すべきことだろうな。

 遅くなればなるほど、損失額は大きくなる。
 あぁ、中国は500兆円とかそれ以上と言われている訳か。
 たしかにこれだけの損失額が顕在化したとき、世界は混乱するだろうな。

 リーマン・ショックならぬ「チャイナショック」か。
 日本の消費税の増税がどうたら言っているタイミングか。

 あっちを睨み、こっちを睨み—安倍さんは余程慎重でなけらばならないタイミングではある。

 以下、新聞から抜粋。

 反日感情で軌を一にする中国と韓国。
 両国の経済が、"危機"に瀕している。
 「中国国家統計局が、今年7~9月期のGDPの実質成長率を7.3%と発表した、共産党幹部すら、 数字を信用していません。実態は3%でしょう」

 日本からの投資の伸びが鈍ったこともあるが、中国経済の鈍化の最大要因は"不動産バブル"の崩壊だ。
 「国を挙げて投資が繰り広げられた結果、中国の不動産相場は過去10年間で10倍に高騰。しかし、資金の回収がうまくいかず、大手建設業者ですら経営に四苦八苦しています」

 中国を取材するm氏が、説明する。
 「都市部でも現場のクレーンが止まっています。人は住んでおらず、まるで"ゴーストタウン"
 そんな状況を 改善すべく、中国人民銀行は緊急融資に踏み切った。

 「9月と10月、人民銀行は、12兆6000億円の巨額資金を各種銀行に緊急融資した。
 これは、銀行に倒産寸前の企業を助けるための"つなぎ融資"をさせるため

 資金繰りを巡る動きは、これだけではない。
 「地方債券や企業が発行する私募債までも認め、"何でもあり"の状態になっています
 「国家デフォルト」という言葉もよぎるが、同じく韓国の経済も"虫の息"だ。

 「中央銀行は、銀行に貸し出す際の政策金利を過去最低水準に引き下げました。自粛ムードの影響で低迷した国内消費や、設備投資を回復させるための名目です」

 だが、裏を返せば、それだけ今の韓国経済を取り巻く環境が厳しいとの見方も。
 「事実、最近1か月の韓国の外国為替・証券市場の下落は、アジアの主要新興国の中で最大を記録しました」

 今年、対中国投資で、8年ぶりに日本を抜く見通しとなった韓国。
 「韓国は自国の経済政策のみならず、中国へ投資をするという"二重の悪政"を敷いている」(m氏)
 "仲良し"中韓両国が、"共倒れ"の危機に瀕しているようだ。


▲補足、感想など

 記事を読んでいると、中国という国は、資本主義なんかではない。
 自分で「バブル」を崩壊させる「決断」をする人間がいないということだ。
 中国なら中国人民銀行の総裁が実行すべきものであろう。習近平国家主席の承認は必要だろうが。

 なんでもあり状態というのは、バブル崩壊での損失額を巨額化させるだけだ。
 500兆円があっという間に、600兆円にも700兆円にもなろう。

 もう、数ヶ月というところかな。分からないけど。
 どこか時点で理財商品の償還ができなくなる---そして、オレの金を返せ--という暴動が起きる。
 中国人のことだ。無茶苦茶な混乱になる可能性が高いな。

 さぁ、習近平さん、李克強さんの真価を問われる「タイミング」だ。
 ただ、習近平さんの「も一つ顔」をみていると、この人で大丈夫なのか—と思ってしまう。
 アメリカあたりの銀行へ700億円くらいの蓄財をして、いつでも逃げ出せる用意をしている国家指導者って、本当に不動産バブルの崩壊を最後まで処理する覚悟があるのかどうか—と。

 習近平さん、李克強さんの「覚悟ぶり」を見られるのは、もうすぐだ。
 日本人は冷静に見ていよう。

 ★追記。
 中国は不良債権をどうしているのだ? という疑問が湧こう。
 このあたりを説明した文章があったので、ご紹介したい。

--ここから--

 「中国は5つの地方政府(5省・市)に対し、資産管理会社(AMC)、いわゆるバッドバンクの設立を認可した。
 これは地方の貸し手から不良資産を購入して貸し手のバランスシートを一掃するものだ。

 これら5社は、1990年代末に設立された中国信達資産管理会社など国の不良債権処理機関4社に加わるものだ。
 中国の銀行大手にとって、バッドバンクから支援を受けるのは新しい話ではない。

 4大銀行は1990年代に2100億ドルの不良債権をバッドバンクに移転した後、2000年代半ばから同年代末にかけて新規株式公開(IPO)によって総額640億ドルを調達した」。

 巨額な不良債権を抱える5つの地方政府(5省・市)に対して、不良債権買い取り機関の「バッドバンク」(資産管理会社:AMC)設立が認められた。

 すでに、2000年代半ばから同年代末にかけて新規株式公開(IPO)により、総額640億ドルを調達した経験がある。
 今回は、さらに大がかりな資金調達をしないと、シャドーバンキングの抱える不良債権の処理受け皿にはならないのだ。

 問題は、不良債権が全てきれいにならないことだ。一時的な棚上げに過ぎない。
 地方政府は平均して歳入総額の60%は土地売却益である。
 不動産バブル崩壊で地価が下落する以上、最終処理の資金をどこから捻出するのか。

 歳入増でしか、処理できないはずである。
 肝心の成長率はバブル崩壊で低下する。
 地方政府は不良債権処理の圧力で、新規の開発プロジェクト推進が不可能になる。

 GDPの押し上げ力は、大幅に減殺されるのだ。7%台成長などは夢になった。

--ここまで--

 要するに、中国全土で巨大な「ネズミ講」のような仕組みと考えれば納得がいくのかな。
 中国の「拝金主義」という民族的特性にのっかった---

 また、最後にこの文章も示したい。

 「過ぎたるは及ばざるがごとし」である。
 日本のGDPを追い抜きたい。
 その邪念が、不動産バブルを生んで中国経済を崩壊させるのである。

 「日本憎し」の一念は、自らを破綻させる悲喜劇をもたらしたのだ。