2016年8月7日日曜日

組織依存への限界。都知事選を振り返って

組織依存ねぇ。
 そんなものに頼ったって---もう殆どがフラフラした層(浮動層とかいうのか)なのだ。
 今回、たまたま、自民党の都の組織が奇妙なことをしたから、組織依存てな話が話題となっただけだ。

 もう、とっくの昔から、組織依存なんて意味のない状況なのだろう。
 創価学会の公明党たって、いつまで持つものやら--

 以下、新聞から抜粋。

 東京都知事選はふたを開けてみれば、得票率44・5%、291万票余りを獲得した小池百合子氏の圧勝に終わった。
 今回、興味深かったのは、関係者の思惑が外れたことだ。
 まず、自民党は、所属議員である小池氏が名乗りを上げたのに、推薦を渋り、党員でもない増田寛也元総務相を推薦。

 おかげで、小池氏の都知事就任を望まない有力者が裏にいて、周囲は逆らえない状況なのだと誰もが理解した。 日本人の「判官びいき」に火を付けた自民党都連は、悪役になった。
 所属議員や党員に対する全体主義的な締め付けも、確実に裏目に出た。
 若狭勝衆院議員は圧力に屈さず知名度と男を上げた。
 出口調査では増田氏よりも小池氏に投票した自民支持者が多かった。

 増田氏の助っ人になるはずだった石原慎太郎元都知事の「大年増の厚化粧」発言は、女性票を間違いなく減らした。
 小池氏は就任会見で、「都民ファースト」を掲げ、利権追及チームを設置して、徹底した情報公開を行うと宣言。
 今後、五輪関連を含む、不正が発覚して逮捕者が出るかもしれない。

 2014年の都知事選で、自民党と公明党は舛添要一前都知事を推薦した。
 両党の組織力で選挙に勝ったが、人選が間違いだった。
 今回も自民、公明両党は増田氏を推薦したが大敗した。
 組織依存選挙の限界が見えた。

 野党4党は、保守分裂という最大のチャンスを受け、鳥越俊太郎氏に相乗りしたが惨敗した。
 スキャンダル報道も響いたが、記者会見で「がん検診100%」を打ち出すなど、内容に乏しい街頭演説や、テレビ出演時の表情や発言で、職務遂行能力に疑問を抱いた人が多かった。

 民進党は、鳥越氏の知名度と好感度に脊髄反射的に飛び付いた印象だ。
 常に選挙の勝敗が最優先で、「政策は二の次」という体質が露呈したのではないか。
 民進、共産両党は、元日弁連会長の宇都宮健児氏を引きずり降ろして鳥越氏に賭けたが、担いだ神輿が色々な意味で軽すぎた。

 宇都宮氏は、鳥越氏の応援演説を拒絶したことで、民進、共産両党の関係者や市民団体から、裏切り者扱いされたと聞く。
 そもそも、「自由」「平等」「法の支配」「人権重視」といった、民主主義国家の価値観を体現すべき人権派弁護士が、対極的存在である共産党側にいることが、昔から不思議でならない。
 ちょうどいい機会だから、腐れ縁を断ち切ることをお勧めする。

補足、感想など

 上掲の文章は、ケント・ギルバートさんの文なのだが、日本語を使って、これだけの文章が書けるというのは、彼の優秀さを物語るものだ。
 特に感心したのは、脊髄反射的に—というところだ。
 日本人でもこういう文章はなかなか書けまい。

 文中の人権派弁護士 と 共産党 との接合に「不思議だ」とか書いてあるが、なに、思想よりも「濃い血のつながり」ていうだけさ。
 同じevenki族の工作員同士ってだけのことだ。

 なんでもそうだが、選択を決める最後のところで「決断」が要る。
 理屈とか、あれこれ事情を勘案すれば、6割、7割で、ほぼabかの選択なら、おおよそ、どちらにするかが決まる。

 残りの23割の部分が、「なにか分からないふわふわしたもの」なのだ。
 雰囲気とか、感じとか、印象の良さ悪さ、ちょいとしたものいい—そんなところが、ふわふわした部分かな。
 そして、選択を決める「決断」は、このふわふわした部分が決め手だ。

 今度の都知事選では、小池さんの「ふわふわした部分」が、他の候補者より良かった。
 投票結果をみて、筆者は当然だなと感じた。

 組織依存なんて、もう、昔の話さ。
 今なら、簡単に様々な候補者に関する情報を得ることができるのだ。
 他者からの扇動なんて、簡単に乗りはしない。