2016年9月20日火曜日

ドイツ、メルケルさんの変節

ドイツのメルケルさんが難民受け入れの判断について、反省の弁を口にしたようだ。
 まぁ、どこの馬の骨ともしれぬ難民達を無審査で入国させないなんて常識(ヨーロッパではちっとも常識ではないようだが--)であろう。当事者である首相の反省の弁は、当然であろう。

 <相手は、郷に入ったところで、郷の者がオレ達のやり方に従え---という非融和の象徴のようなイスラム教徒なのだぞ。ムスリムに対してフランス人になれ--とかフランスの元大統領がわめいていたが、そのとおりだ。
 ドイツ人になれ--と喚いたら、彼らイスラム教徒が、ドイツのやり方に従ってくれればいいけどね(棒)>

 以下、新聞から抜粋。

 18日のベルリン市議会選挙で「反難民」を掲げる政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、国政与党が大きく後退し、メルケル首相は記者会見で、中東などからの難民受け入れ対応に問題があったことを認めた。
 難民への寛容姿勢を貫く首相の方針には、国民の不満が根強い。
 首相としては、世論に配慮することで、来秋の連邦議会選までに反発を和らげたい考え。

 首相は、昨年殺到した難民の問題を十分に管理できない時期があったとし、「あの状況の再来は、誰も望んでいない」と強調。
 「時計の針を何年も戻し、政府全体で備えをしっかりし直したい」と率直に語った。

 難民受け入れの決意を込めて首相が用いた「われわれは成し遂げられる」というスローガンについても、「ほとんど空虚な決まり文句」になってしまったと指摘。
 今後は使用を控える考えを示した。

 ただ、人道的見地から難民に国境を開いた判断自体は「完全に正しかった」と明言。
 連立与党のから出ている受け入れ上限設定要求をのまない立場も崩さず、今回の「反省」が首相と与党の人気回復にどの程度つながるかは不透明。

補足、感想など

 筆者には、メルケルさんの「お花畑の発想」が理解できない。
 まぁ、人によれば、ドイツ人は前の大戦での「ナチス党」の話があるので、他者に対して酷い対応をすることを恐れているのだ—という。これ以上、ドイツ人のイメージを傷つけたくない--てな思惑があるそうな。

 全体を俯瞰していえば、欧州連合の崩壊へつながりそうな言葉を出せないということなのだろう。

 欧州連合の未来についてふれた記事があった。ご紹介したい。

 --ここから--

 昨年来、世界の注目を集めた英国のEU(欧州連合)離脱をめぐる国民投票は、離脱派が勝利した。イギリス独立党の党首は、「独立した英国に夜明けが訪れた」と。
 今春以後の世論調査では、離脱派と残留派が拮抗したまだったが、今月、残留派の議員が離脱派と思われる人物に殺害された事件が起こっても、残留派への投票は伸びなかった。

★「熱」は伝染するか
 反EUとみられるオランダの政党・自由党のウィルダース党首は国民投票を望み、イタリア北部同盟のサルヴィニ代表は「今度は我々の番です」と宣言。
 ドイツの反EU派「ドイツのための選択肢」ペトリ代表は、「諸国から成り立つヨーロッパ実現のための機は熟した」と語った。いずれもフランス国民戦線の友邦党である。

 FNのルペン党首は、「フランスにはEU離脱のための理由は英国以上にある。理由はフランスはユーロ圏に属し、シェンゲン協定に加盟しているから」と。
 FN2013年以来、EUとユーロ圏にとどまるか否かにつき、国民投票実施を提唱。
 6月の世論調査では、フランスのEU離脱(Frexit)支持者は26%51%は残留組である。
 ルペン党首は来年の大統領選挙で勝利したとき、「イギリスのように(国民投票を実施)する」と。

 (英国の国民投票の結果は)EU加盟各国に衝撃が走った。予想では「残留派」の勝利と出ていたので、開票結果はブリュッセルの欧州委員会には激震だった。
 ユンカー委員長は「かつてない事態だ」とショックを隠さなかった。
 最初に反応したのはスペイン首相だ。同首相は「冷静になろう」と呼びかけ、オランド仏大統領は「ヨーロッパを信頼する」と団結を強調。

 メルケル独首相は「混乱はヨーロッパの分裂を招く」と、事態の鎮静化と冷静な対応を強調、各国首脳が懸念するのは、EU離脱の熱が各国に「伝染」すること。
 それはEUの崩壊につながるから。
 オランド大統領は結果を受けた後にメルケル首相に電話をし、対応策を協議することにした。
 月曜日には独仏伊の欧州統合の発案国の会合を開催し、その後ベネルクス3国を含むECSC)設立の加盟国6カ国に、対応策を議論する。

 イギリスで「EU離脱」に投じた人々は、自分たちは「ヨーロッパ主義者」であると強調する。
 決してヨーロッパとの協力に反対しているのではないのだ、と言いたいのだ。
 むしろ彼らが反発するのは統合の態勢についての反発だ。
 イギリスの主権が侵されているという不満である。
 大英帝国を誇ったプライドでもある。そして統合の主導権を握る、独仏に対する反感もある。

★「理性」に対する「感情」の勝利
 今回の結果は「理性」に対する「感情」の勝利だった。英国民の民度が試される投票であった。 
 しかしイギリス国民は、EU残留という「理性」であり、現実主義的選択を拒否し、「感情の選択」を行った。

 その背景にイギリスと欧州統合の歴史があった。
 イギリスがEC(欧州共同体)に加盟したのは1973年。EEC1958年に発足したが、このときイギリスはノルウェーやデンマークなどとともに、EFTAを結成して対抗。
 真意は自由貿易連合はよいが、主権を移譲するほどの統合は望まなかったから。

 サッチャー首相時代のイギリスは拠出金の負担が過剰として、還付金を要求。1984年欧州首脳会議では、還付金の比率をめぐって、英独仏の攻防が繰り広げられた。
 このときミッテラン仏大統領とコール西独首相が密議の上、サッチャーの要求を封じてしまった。独仏中心に、「ヒト・モノ・カネ・サービスの自由」を重んじる域内市場統合という形で統合が再活性化したのは、その直後。
 欧州統合でイギリスは大陸主要国の後塵を拝する結果となった。

 欧州統合でのイギリスの位置づけは一歩距離を置いたものであった。イギリスには反「欧州大陸」感情が潜在している。

★スケープゴートにされるEU
 そうした中、昨今のEUの停滞感である。ギリシャのソブリン危機を始めとして財政危機は南欧諸国の経済・財政危機に発展。
 加盟国の不始末を全体でカバーするとなると、不満が出てくる。ドイツが緊縮財政政策の手を緩めないのは、自らの負担ばかりが増大することへの危惧からである。

 そして各国で反EU・欧州懐疑派の台頭が著しくなった。
 2010年選挙でキャメロンは、EU離脱をめぐる国民投票実施を保守党の選挙公約として掲げた。 
 これが今回の国民投票の出発点だった。イギリスの主権をEUに移譲しなければならない事態になった場合、国民投票に訴えるという主張であった。
 そして2015年の総選挙の時に、キャメロン首相はポピュリスト票を取り込むために国民投票実施を確約せねばならなかった、大量の難民のヨーロッパへの移入で事態はEU残留派にとって厳しくなった。

 もともと欧州統合に冷ややかな国民感情がある中で、厳しい生活に身を置かれた人々がその不満のはけ口として、EUによる規制強化であった。こうして反EU感情が醸成された。
 低所得層、低学歴層、失業者などに「離脱組」が多かったことは偶然ではない。

 この傾向はヨーロッパ各国共通の現象となりつつある。
 フランスではFNが来年の大統領選挙で有力候補になっている。
 もともとユダヤ人排外主義・反移民とナショナリズムを主張するジャン=マリー・ルペン党首に率いられて80年代勢力を拡張したが、最近では2代目党首マリーヌ・ルペンの下で排外主義のトーンを下げ、社会保障重視政策を掲げて支持者を拡大。
 イギリスのUKIP、オランダの自由党などいずれも基本的には反EU派を取り込んで勢力を拡大している。

 国内問題の不満を欧州統合とそれに関連するテーマに責任転嫁する論法である。
 「EUの国内化」といってもよい。2004年、旧社会主義圏諸国までEU加盟国が拡大した時が分水嶺であった。このときEUは域内の格差を了解して拡大を決めた。

 当時「柔軟性の論理」「多段階統合」という言葉が使われた。
 つまり統合は加盟国の発展度に応じて進めていく、という方式である。
 EUは域内の「南北問題」を認めたのである。しかしその解決は10年以上たっても思うようには進んでいない。
 東・南欧諸国からの移民が自分たちの職を奪うという議論が喧伝されたのはそうした背景からである。

★「国境を超えたリストラ」としてのEUの将来
 今後の見通しはどうか。
 もともと離脱派勝利の時のマイナス効果は予想されていた。成長率マイナス3.6%-6%、ポンド1215%下落、失業率は1.62.4%増加、平均賃金2.84.1%下落と経済のマイナス効果は甚大である。実際には社会不満からEU離脱に投票した人々にそのつけは大きい。

 現代のヨーロッパ統合とは先進各国が1国で解決できない経済・社会問題の解決のためリスクを共有し、規模のメリットによって危機を克服していこうという現実主義である。
 80年代の西欧先進国は、ユーロペシミズムに苦しんでいた。小さな政府、大きな政府いずれにも正解はなかった。とすれば、規制の枠組みを問い直すしかない。統合とは危機脱出の「手段」だった。

 危機に遭遇して理想を糧として実現のために制度設計を一歩一歩進めてきたプロセスだ。
 危機バネによって新しい方向性を模索するくりかえしである。
 欧州統合がいま危機に直面していることは確かだ。しかし今回の英国の離脱がそのままEU崩壊へと向かうわけではない。
 銀行同盟の段階までに到達した経済統合は世界のどの地域の統合よりも発達している。
 そして欧州統合のグローバルなプレゼンスが期待ほど高められていないことも事実だ。
 テロ・大量難民の流入は統合の理想と現実のジレンマだ。
 そうした中でヨーロッパは内向き志向を強めている。

 --ここまで--

 欧州連合って、なにもの?
 理想主義という旗印の下に、経済統合してみたが、現実が理想へ近づかない—ということなのだろうな。

 結局、もう一度、元の形へ近づいて修正を試みていると考えるべきではないのか。
 言葉も習慣も違う、国力もなにもかも違う。
 いわば、ごった煮状況ということだろう。

 そのごった煮状況のところへ、難民という夾雑物が紛れ込み、更に、混乱・撹乱されてしまった。
 そのやり過ぎ状態を、修正しようとしているのではあるまいか。

 筆者には、ヨーロッパの理想というものが、「お花畑思想」に近いとしか思えない。
 英国のeuからの分離という判断が間違っているとは思えない。

 バラバラになるとも思えないが、いくつのグループへ分割されるのではあるまいか。

追記
 メルケルさんの反省の弁を聞いてのドイツ人のコメントがあった。ご紹介したい。
 --ここから--

 エーーーーーッ、今更?
  もうすでに悪影響がとめどなく出てるのにどうして今なの? +34

■ 今からでも難民政策の方向性を変えるんだ。
  どんなことであれ、遅すぎるということはないのだから。 +13

■ 時計の針を戻したいですって? 遅すぎるでしょう。
  ドイツはすでに難民たちのせいで悲惨な事件が起きてるの。
  だけどそうね。もし未来に進んでいかないといけないって言うなら、
  今すぐ辞任して、不法難民と一緒に国を出て行ってください。 +1421

■ 熟考してから口にする。子供の時に教わらなかったのか!!!
  メルケルは良い教育を受けてこなかったようだな。 +12

■ もう二度と選挙に勝てないことを悟って方向転換したのかしら。 +3

■ 私だって時間を戻せるものなら戻したいよ……。
  もうドイツは元に戻ることはない。
  それどころか悪くなる一方だろうから。 +4

■ 昨日ちょうどテレビで難民関連の報道をやってたんだけどさ、
  難民を排斥する事件が起きたバウツェンの市民達をネオナチ扱いしてたよ。
  メルケルが首相のままじゃ何も変わらない。
  だからこそAfD(政党「ドイツのための選択肢」)が勝ったんだ。 +442

■ 国民を何回騙せば気がすむんだ?????
  失敗を認めてもどうせ何も改めようとしないくせに。 +9

■ 難民受け入れ反対派の声もちゃんと聞き入れるべきだった。
  彼女はヨーロッパをメチャクチャにしたよ。
  そして俺たちの子供や孫を危険に陥れた。 +2

■ ドイツが受けたダメージはあまりにも大きい。
  もう不治の病に罹ってしまったようなものだと思う。 +5

■ なんて愚かなんだ!!!!!
  国民はずっとあなたの難民政策に反対だっただろ! +10

■ 悟るの遅すぎ。なんかもう笑えてきた😂 +9

■ 国境を閉鎖することは今からだって出来るじゃない。
  不法難民と経済難民は国外退去させましょう……。 +17

■ 何でもっと早く気付かなかったかなぁ。
  今から難民を母国に追い返すのなんてほぼ不可能だぞ……。 +4

■ そりゃあ戻せるなら戻したいけど、もう手遅れだよ……。
  これからはテロだって犯罪だって増えていく。
  ドイツが今より良くなることはもうないさ。 +4

■ 彼女はたった一年で、ドイツだけじゃなく欧州全体を破壊した。 +32
  
■ 私はもうこれ以上この人に国を任せたくない! +3

■ あなたと政府は間違ったことしかやっていない。
  私たちより難民の方が自由を満喫してる。しかも私たちの税金で。 +7

■ もう手遅れ。彼女はドイツをテロと暴力の国に変えてしまった。
  2015年までは偉大な首相だったのになぁ。
  ハッピーだったよ。でも不幸な変化が起きてしまった。 +4

■ 騙されんぞ。
  メルケルの最終目標はドイツ人を国から一掃することだから。
  まぁもうすでに達成してるようなもんだけどな。 +13

■ 俺も最初は難民受け入れ賛成派だったんだ。
  だけど今では難民の人たちを憎むようになってしまっている……。

■ 遅すぎるぞメルケル!!! 気付くのがあまりにも遅すぎる! +13

■ 残念ながら、もうこの国は終わりだよ。 +4

■ この人にはもう首相を辞めて欲しい。それも今すぐに。 +17

■ 認めるのがちょっと遅いな。
  テロや犯罪の火種を大歓迎しちゃったことで、
  善良な国民が今までの生活を諦めざるを得なくなってしまった。 +111

■ もう遅いよ。
  別に俺が正しいとは思ってないけど、それにしても何なんだこの現状は。
  難民に文句を言えば、ネオナチというレッテルを貼られてしまう。
  俺たちはただ、自分たちの生活を守りたいだけなんだよ。
  メディアは本当に腐ってる。 +29

■ 本当にはらわたが煮えくり返ってる!
  メルケルがテレビに出てきたらすぐに電源を切るくらい嫌いだ! +12
 
■ 間違いを認めたわけだね。
  一国の首相なら、あんなメチャクチャな決断はしちゃいけなかったはず。
  誰が文化のまったく違う国の人間を180万人も受け入れたがるんだ。
  国のトップは徹底的に現実主義じゃなくちゃいけないんだよ。
  とてもじゃないが許せない! +34

■ 悲しくなってきたよ俺は。メルケルにちょっと同情してしまう。
  だってさ、彼女はドイツ史上最悪の首相として、
  これから永遠に語り継がれていくことになるんだから。 +194

 --ここまで--
 
 上のコメントにある

 --彼女はたった一年で、ドイツだけじゃなく欧州全体を破壊した。--
 
 まさしく、コレだと思った。
 覆水盆に還らず--メルケルさんの判断は、これからの欧州100年を決定づけてしまった。