▲別に、居直っている—ということでもない。
でも、と思う。
経済がこうなりますよ—と予測して、それが当たらないからといって、無能扱いするのものなぁと感じる。
核心は、要素というかファクターが多すぎるためだ。
例えとしてどうかと思うが、試験管の中にお酢をいれて、リトマス試験紙で酸性かアルカリ性かを試験することを考えてみようか。
小さい容器で、関連する液体が、水とお酢ならば、予測は可能だろう。
これが、洗面器くらいの大きさにお酢と数種の液体をいれて、リトマス試験紙で検査するということを考えれば、酸性か否かの予測の当たる可能性は低くなる。
それだけ、要素が多くなるからだ。
お風呂くらいの器で検査したらどうなるだろう。
もっと、予測不能だろう。
経済予測って、こんなものじゃないのか。
試験管での予測から、じゃ今度はお風呂くらいの容器で結果がどうなるか--は、当たるのが難しかろう。
以下、新聞から抜粋。
池田
信夫
高橋洋一氏によれば、「経済学者は自分たちの意見が政権に受け入れられないと嘆くより、経済予測を誤ったことを反省すべき」だ。
彼自身は「経済学者」の中に入っていないようだが、日本の学界で彼を経済学者と認める人はほとんどいない。
リフレ派と称する人々の論文も、学会誌には1本も掲載されない。
「経済予測を誤った」のは誰だろうか。
2013年11月のコラムで、彼はインフレ率が「あと1年半の間には、
2%まで達するのはほぼ確実だ」と。
つまり「2015年4月までに2%のインフレ目標が達成される」という
岩田副総裁と同じ経済予測をした。
これは反証可能な命題だが、結果は次の通り。
日銀の指標とするコアCPI上昇率は、2015年4月にはゼロになり、今年6月には-0.5%だ。
「黒田緩和から2年のうち」
で物価が1%以上あがったのは、原油価格の上がった2014年前半までで、それも原油価格とともにマイナスに沈んだ。
「2%にならなければ辞任する」と国会で見栄を切った岩田氏と同じく、高橋氏の経済予測は完全に外れた。
彼の予測では、アベノミクスの成功でGDPもどんどん成長するはずだったが、今年4~6月の実質成長率はゼロだ。
これを彼はすべて消費増税のせいにしているが、消費税の影響は2014年度中にもとの水準に戻り、その後は税率は上がっていないのだから、2015年度以降のマイナス成長の原因は消費税ではなく、アベノミクスそのものだ。
高橋氏のような「御用エコノミスト」が安倍首相をミスリードしたおかげで、ここ3年の日本経済は停滞し、政府債務だけが100兆円以上増えた。
そのツケは、確実に将来世代に回ってくる。
リフレ派は過去の記事をこっそり削除しているが、
そのコピーはあちこちに残っている。恥を知れ。
▲補足、感想など
恥を知れ—か。
アベノミクスの失敗てな感じでものを言っている訳だが、「じゃ、どうすればよかったのだ?」--こうすべきという対案を示してみよ。
冒頭でふれた。
経済には、色んなファクターが絡んでくる。
いかな安倍さんでも、メルなんたらいうアホな指導者がヨーロッパ中に、どこの馬の骨とも・テロリストともしれぬ自称難民を100万人単位で、受け入れるなんてアホな判断をするとは思わなかったろう。
おとなりでは習なんたらいう指導者が、欲望のぶっつかりあう株式市場に、現ナマをぶちこみ、株式市場を制御しようなどと思う---気違いぶりを示すなんて思いもよらなかつたろう。
つまり、日本の経済というものは、世界からポツンと独立したものではない。
国外の影響をいつも受けているのだ。
試験管のような日本国内だけならば、予測が当たりやすかろう。
でも。
お風呂くらいの容器の中で、酸性かアルカリ性を推定するのは困難ではあるまいか。
池田さんの批判が当たっていないとは思わない。
でも。
だからといって、高橋さんの推定が当たらないから、「恥を知れ」と批判するのも、これは行き過ぎではないのかな。
結論から言えば。
それだけ、経済予測というものは、多くの要素の反映の結果であり、難しいということだし、当たらないからと言って、無能扱いするものではあるまい。
高橋さんの著書を読んでいると、高橋さんの頭の良さをビンビンと感ずる。
池田さんも批判するなら、「こうした方が良かったのでは」くらいの「案」を示して批判せよ。