2016年9月28日水曜日

高速増殖原子炉「もんじゅ」の廃炉に賛成する

要するに、使用済み核燃料の処分の方向性として「仕切り直し」ということだ。
 1兆円近いお金をかけてもったいない—とか思うかもしれないが、この方向では行き詰まったということ。

 当分の間は、原子炉からの使用済み燃料は、地層処分することでやればいい。
 処分場は、国が強制的に決定すればいいこと。
 なにか高知県と愛媛県の県境あたりが候補地となっていたが、それでいいのではないか。

 地元から反対とかあるだろうが、それなら日本の国民が等分に負担すべきことだ。
 47都道府県に、一か所ずつの処分場を設置すればいい。
 それでも気に入らないというなら、全国の市町村に一か所ずつの処分場を作ろうとか言えばいいこと。

 メンツにこだわるより、今、一番、妥当な対応方法はなにか—と考えて決定すべきだ。

 以下、新聞から抜粋。

 政府は二十一日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」と。
 一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。
 もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。
 再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。

上の記事に対して掲示板の書き込みを転記。

●フランスでもスーパーフェニックス増殖(型原子)炉で同じようなことが起こったよ。
 安全性の問題からこの増殖炉は廃炉になったけど。

●日本の原子炉は常に地震と津波のことを念頭において考えなくちゃならないからなぁ。

●廃炉の方向でよかった。

●確かこの原子炉は結構な耐久性があるって聞いたけど。

●↑高い耐久性はあるかもだけど予想外の状況を想定しては作られていない。
 福島の時も”想定外の状況”って繰り返してた。

●だいたい最初からトラブルが多かったけど、今までずっと廃炉という言葉はでなかった。

●↑カリフォルニアには5つの原子炉があるよ。カリフォルニアは活断層ゾーンに位置してる。なんでまだ稼働してるのか。

補足、感想など

 もんじゅ—を廃炉とすると、ここ数十年では使用済核燃料の処分方法として「地層処分」しかなくなった。

 従前からの議論・記事などを転記しておこう。

 --ここから--

2013/02/18()
★戦略的自由度の無い「国内地層処分」の政策

t:政策を考えるとき、忘れてはならない視点がある。
 それは、「政策の戦略的自由度」を高めておくこと。
 最終処分の政策として、一つの政策的選択肢に絞り込むという「決め打ち」をしないこと。
 「決め打ち」をしてしまうと、将来、社会状況や政治状況の変化が起こったとき、柔軟に対応できなくなってしまうから。

 実際、これまで最終処分の政策は、「国内で地層処分を実現する」という政策で進んできたが、
福島原発事故によって、原子力エネルギーに対する国民世論が変わった。
 昨年、日本学術会議が行った「地層処分の安全性を証明できない。従って、我が国で地層処分をすべきではない」との提言によって、この政策は壁に突き当たった。

 これまでの政策が、「地層処分」という政策になった理由は、原発を推進していくためには「核廃棄物の最終処分方策」を国民に対して説明しなければならず、そのためには、「地層処分」という方法が、最も技術的に容易で、経済的に合理的な方法であるとの判断があったから。

 しかし、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の「長期貯蔵」の政策に切り替える場合には、最長で数百年の「時間的余裕」を持つことができますので、「国内での地層処分」だけに選択肢を絞り込まず、 いくつかの選択肢についても、柔軟に検討していくことが可能になる。

--「国内での地層処分」以外の選択肢として、なにがあるのか?

t:「海外での地層処分」という選択肢。日本国外に地層処分場を探すという選択肢です。


★原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場候補地の選定を めぐり、政府は2016年中にも適性のある地域「科学的有望地」を提示。
 2015年12月に経済産業省の有識者ワーキンググループ(WG)がまとめた 「自然科学的観点」の要件を見ると、火山や活断層が少ない高知県を含む四国南部 の沿岸部のほとんどが有望地に含まれる可能性がある。

 国の押し付けを懸念する 自治体の警戒感が根強い中、提示の仕方やその後の選定作業が注目される。
 政府が計画する「地層処分」は、放射性廃棄物をガラスと混ぜて固め、厚い金属製容器や粘土の緩衝材で覆い、地下300メートルより深い地層に埋める。
 放射線量が安全なレベルになるには、数万年かかるとされる。

 原子力や地質学者らで組織するWGは、地質環境の長期安定性、施設建設や 廃棄物輸送時の安全性などを検討。
 最適地を絞り込むのではなく、問題のある 範囲を除外する形で要件を整理。

 有望地に適さない基準は、火山から半径15キロ以内▽活断層沿いは断層の長さの100分の1程度の幅に入る範囲▽10万年間で隆起速度90メートル以上▽ 地中の温度が高い―など。

 これらに該当しなければ「適地」として扱い、海上輸送に 有利な海岸から20キロ以内を「より適性の高い地域」に分類する。

 経産省などが2015年全国で開いたシンポジウムで説明した火山や活断層の位置 のほか、日本地質学会がまとめた資料などでも、四国南部は火山や 活断層がほとんどない。
 さらに日本地質学会の資料では、四国南部は地温も低く、室戸半島の一部を除いて基準を下回る隆起速度のため、沿岸部のほとんどが 適地に含まれる可能性がある。

 政府は今後、土地利用の制約や地権者数などWGが検討する「社会科学的観点」 を踏まえ、適性の高さごとに日本地図を塗り分けて有望地を示す方針。
 ただ、WG委員の吉田英一・名古屋大学博物館教授は「社会科学的観点の マッピングは難しいのではないか」との見方を示している。
 その上で 地域名の明言は避けつつ、「有望地は、処分の議論をする前に地質の状況をまず 知ってもらうことが目的。

 提示後は(受け入れを)押し付けるのではなく、国や NUMO(原子力発電環境整備機構)が信頼を得るようなコミュニケーションが できるかが重要だ」と述べた。
 処分地選びは自治体の公募に頼っていたが、2007年に安芸郡東洋町が 文献調査に名乗り出た後に取り下げて以降、具体的な選定は進んでいない。
 政府は2015年、基本方針を改定し、国の主導で有望地を提示して自治体に 調査協力を申し入れる方式に変えた

 --ここまで--

 国民全員が等分に負担すべきことであろう。
 例えば、宿毛市あたりが候補地になるのかな。

 でも、高知県・愛媛県の市町村が嫌がるなら、全都道府県に一か所づつ処分場を作ればいい。
 それでも嫌がるなら、全国の各市町村に一か所づつ作ると言えばいいこと。