2016年6月16日木曜日

イチローが、ピート・ローズ選手の記録に並び、越える

4256本か。
 なんとも膨大な数ではある。

 イチローは、4256本目は一塁線沿いへのポテンヒット、4257本目は、クリーンヒットで決めた。
 大リーグの記録と直接比較できるのか—という批判があるが、まぁ、そのとおりだろうな。

 でも。
 それなりに評価されてもいい数字だと思う。
 4257本目で一塁に出たイチローは、帽子を脱いて球場の観客へ向かって軽く挨拶をした。

 ちょいと、ピート・ローズと比較した記事があった。それをご紹介。

 以下、抜粋。

 日米通算でローズの記録に王手、「僕は自分の感情をコントロールしようとする」
 マーリンズのイチロー外野手が、ピート・ローズが保持するメジャー歴代最多安打記録の4256本まで、日米通算で残り1本と迫っている。
 13日のパドレス戦ではスタメン出場し、4打数3安打2四球1打点3得点と活躍。

 現在メジャー通算2977本で、日本時代の1278本と合わせて日米通算4255本。11本積み上げてきたヒットの数は、世界一になる。
 イチロー自身は、日米通算4000安打を達成した時の会見で、両リーグを合算したヒット数について「ややこしい数字。 両方のリーグの数字を足しているものですから難しい」と表現。

 では、メジャーでヒット数を積み重ねたピート・ローズについては、どのような思いを抱いているのか。
 “ローズ超え”の記事を掲載した地元紙に対して、イチローは「僕らは真逆のタイプかもしれない」と明かしている。

 ピート・ローズは1963年、21歳の時にレッズでメジャーデビューし、43歳シーズンの84年に通算4000安打に到達。 晩年は選手兼監督としてヒット数を積み重ね、86年の引退までに4256安打をマーク。

 全力プレーがトレードマークで、「チャーリー・ハッスル」の異名を取った。
 1989年に野球賭博に関わっていたことが明らかになり、永久追放の処分を受けた。

 そんなローズについて、イチローは地元紙の記事の中で、以下のように明かしている。
 「僕が見てきたところから言えば、プレーしている時にはすごい情熱の持ち主で、気持ちが入った選手。 彼のことを詳しくは知りませんが、見たところでは、僕らは真逆のタイプかもしれません。

 僕は自分の感情をコントロールしようとします。自分の感情を周りに見せませんので。
 でも、自分の中では感じているものはあります。僕もいろいろな感情がありますが、でもそれを見せません。 それが大きな違いですね。僕が見たところですが」

 4000安打到達の夜には「フォーカスできない」と語っていたローズの記録
 ヒットを放った後もポーカーフェイスを貫くイチローのスタイルは、変わらない。
 ジョージ・シスラー超えや通算4000安打のヒットを放った時、そして09年の第2WBC決勝で、 世界一を決めた後ですら、一塁上での表情は一切変わらなかった。
 「感情を周りに見せない」という哲学を貫くだけに、「チャーリー・ハッスル」との明らかな違いを感じている。

 対照的なスタイルで世界一のヒット数を積み重ねてきたローズを、イチローはいよいよ抜こうとしている。
 2013年に日米通算4000安打に到達した夜、イチローは“ローズ超え”の可能性について質問を受けていた。

 「10年連続200安打を達成した時に、ピート・ローズについて『是非超えたい』と言っていましたが」 と振られたイチローは「そんなとんがってましたかね、僕」と笑い、ローズについてこう語った。

 「あの時、ちょっと僕に対して挑戦的というか、そういう話を聞いたんです。でも実は、そうではないらしいです。
 なので、そんな誘導には、僕は引っかからない。そういう自分を演じているらしいですね、ピート・ローズさんは。それを聞いて、それはそれですごいなと思うし。

 ただ、さっきも言いましたけど、明日出られるかどうかは今日決まる、みたいな日がずっと続いているので、そんなところに現段階でフォーカスすることはできないです」

 ヤンキース時代には起用法が一貫せず、苦しむこともあっただけに、“ローズ超え”には「フォーカスできない」と話していた。
 ただ、その数字は目前に迫っている。

 世界一の安打製造機となった時も、イチローの表情が変わることはないだろう。
 ただ、胸の中にはどんな感情が湧いてくるのか、興味深いところだ。

補足、感想など

 イチローの感情?
 イチローはそんなこと明かしもしないだろうし、こちらが興味をもっても仕方のない話だろう。

 それよりも。
 彼が一歩一歩積み上げてきた「仕事」を讃えてあげてほしい。
 男が自分の一生というものを選択し、男が数十年という歳月をかけて、少しづつ積み重ねてきた「もの」に対して、それなりの評価をしてあげてほしい。

 イチローが心密かに望んでいることって、そういうことだろうな。