2018年5月11日金曜日

大川小学校訴訟。市・県が最高裁へ上告。当然だと思う


普通の教師達が、スーパーマンじゃないから、教師達に「罪がある」なんて、判決が受け入れられるか—と感じる。

 地震発生から数十分で、津波が来襲するのだ。ましてや、千年に一度の地震での津波がどの程度のものか予測できる訳もあるまい。
 迫りくる津波への恐怖の中で、子供達を安全なところへと必死で考え、導こうとする「普通の教師たち」を鞭打つ所業をしてはならない。

 以下、新聞から抜粋。

 東日本大震災の津波で児童74人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小の訴訟を巡り、市と県は10日、震災前の防災体制の過失を認めて賠償を命じた仙台高裁判決を不服として、最高裁に上告した。
 津波の予見可能性や事前防災の適否について、最高裁がどう判断するかが焦点となる見通し。
 石巻市議会は今月8日、亀山紘市長が提出した上告関連議案を賛成多数で可決。
 これを受け村井嘉浩知事も、県議会の議決を経ない専決処分で上告すると決めた。

 児童23人の遺族が2014年3月に提訴。
 今年4月26日の高裁判決は、大川小が浸水予想区域に含まれなくても、川が近く津波襲来の危険は「予見可能」と指摘。
 学校は危機管理マニュアルに避難場所や経路を定めず、市教育委員会も是正させなかったとして組織的過失を認め、約143600万円の賠償を命じた。

補足、感想など

 津波が来ることは予見できる。
 でも、時間とその規模は予見できない。
 宇宙人が来ることは予見できる。
 でも、時間とどのようにしては予見できない。

 核心は、人間には「不可知」な部分があるということなのだ。
 千年に一度の地震たって、予測できたろう—というのが、高裁の判決であろう。
 予測できたなら、対応だってできたろう—というのが高裁の判断だ。

 上の例でいうならば、宇宙人の存在は予測できる。
 でも、時間とどのようにして接触してくるかは予測できない。
 ある日、突然に空の半分を覆い尽くすような巨大な宇宙船が来襲してくれば、驚愕し・混乱するだろう。
 それが、通常人ではないか。

 その衝撃に耐え、国の機関へ、自衛隊へ連絡とてきぱき、判断して行動できるか?
 しかも、発生して数十分の中で。

 筆者には、そんな行動ができるかどうか自信がない。
 このあたりだ。
 冒頭でふれた。
 引率した通常人の教師たちに向かって「お前、スーパーマンじゃないじゃないか。判断ミスをしたろう。だから有罪だ」と言っているということだろう。

 スーパーマンでないことが、罪なのか。
 そんな理不尽なことがあるものか。

 冒頭でふれた。
 地震が発生して、津波がくるまでに数十分しかない。
 その短い時間の中で、迫り来る津波への恐怖の中で、子供達を安全な場所へ導こうと苦闘する通常人の教師たちを鞭打つことができるのか。
 鞭打つことができると考える人間は手を上げろ。そんなやつは人非人だ。