▲確かに---。
可能性がまったくなかったとは思えない。
いや、なにかというと、イスラム国人質事件のことだ。
仮に助ける手段のようなものを考えてみようか。
あ、イスラム国の要求通りにお金を払う。
い、スワットのような部隊を派遣して、奪還を図る。
このくらいかな。
「あ」については、安倍さんは、一億二千万人の安全と二人の個人の生命とを天秤にかけた時、一億二千万人の安全に天秤が傾く。
国を代表し、一億二千万人を代表する安倍さんには、当然の「判断」であろう。
「い」については、日本国内であれば、様々な情報が分かっているので、奪還の可能性が高い。
でも、外国で、言葉も周辺の情報も乏しい状況では、例え捉えられている場所が明確に分かっていても、成功率が低すぎて、とでもではないが実行するという決断には達しない。
当然、時間とか経由する国、輸送手段など様々な準備が必要ということもある。
奪還できる可能性が極めて低すぎるし、奪還するチームの被害が大きすぎよう。また、秘密裡にということが難しかろう。
二つを考えてみると、助けられる可能性が極めて低いのだ。
これが「常識」であり、通常の判断であろう。
それを、軽々に「助けられたはず」とか、コメントされると、堪らない。
安倍さんの「決断」の背後で、「二人の個人を見殺しにした、そしてその責めを一生背中に負っていく」という覚悟をもっているのだ。
このあたり、国を代表する指導者の「覚悟」と「どす黒いまでの孤独にじっと耐えている」--その思いを理解してあげて頂きたい。
以下、新聞から抜粋。
フリージャーナリストのtさんは、人質事件の政府の対応について
「疑問ばかりで辻褄が合うものが何一つない。にもかかわらず亡くなった後藤健二さんを非難している。
安倍首相が訳のわからないことを言って、無駄に敵意をかき立てる」と批判。
衆参では、後藤さんが拘束されたと政府が把握したのは12月3日、
殺害予告が出た1月20日までは「イスラム国」に拘束されたと特定できなかったと明かされた。
「イスラム国に誘拐されて処刑、あるいは解放されたケースでも15人いる。
各国に協力を求めればわかるはず。たとえ確認が取れなかったとしても、推定できないとおかしい
『知らなかった』と言うのは、『知ろうとしなかった』のではないか」
tさんは、一連の事件報道で出演したが、現場に自粛の空気を感じたという。
「あるテレビ局からは『政権批判はしないでください』と言われました。
後藤さんが殺害された動画が公開された後には、
番組から『助けられたはずだった、という話はしないでください』と言われて、出演を見合わせたこともありました」
いま、「自己責任」「取材に行くべきでない」と、後藤さんや戦場に行くジャーナリストに厳しい声があがっている。
「国民に判断材料を提供するためにも、戦場などの現場取材は必要。
事件の失態隠しをすれば、今後も同じことを繰り返すことになります」(tさん)
報道カメラマンのyさんも、こう話す。
「取材の場所やアプローチ、危機管理は今まで以上に気をつけないといけない。
ただ、これで萎縮するのは、後藤さんだって望んでいないと思いますから」
▲補足、感想など
そりゃ、どこで自殺しようと個人の勝手だ。死にたければ勝手に死ねばいいさ。
ただ、後藤さんのように人質となれば、もう個人だけの問題で収まらない。
だから。
日本は、パスポートを取り上げたのだ。
その判断は正しかろう。
このあたりの安倍さんに対する支持率の推移を転記しよう。
--ここから--
過激組織イスラム国に日本人2人が殺害された後、安倍内閣の支持率が50%台に到着したと、世論調査で明らかになった。
NHKが実施した電話世論調査で、安倍内閣を支持するという回答は先月比4%ポイント上昇した54%だった。「支持しない」という回答は先月比で3%ポイント下がった29%だった。
人質事件の安倍内閣の対応をどのように見るかについての質問では、回答者の51%が「非常に評価する(11%)」または「ある程度評価する(40%)」と答えた。
また、今回の事態の後、安倍首相が「テロに屈しないと」として中東地域に人道的支援を拡充すると明らかにしたことについては「非常に評価する(17%)」と「ある程度評価する(48%)」という回答が65%。
今回の事件をきっかけに、日本人が武装組織によるテロ被害にあう可能性が以前より高まったと考えるかという質問に対しては、「非常に高まった」という回答が31%、「ある程度高まった」という回答が51%と集計。
安倍内閣の支持率は、読売新聞の調査では58%、共同通信の調査では54%をそれぞれ記録するなど、日本人の殺害事件後、各種調査で50%台へと推移を見せた。
--ここまで--