2015年2月28日土曜日

ギリシャは、いずれユーロ圏から離脱する。

どこに核心があるのかなぁ。
 「アリの国」と「キリギリスの国」が同じ共通通貨を使う—ということ自体に無理があるということだ。
 同じ共通通貨を使えば、キリギリスがアリのように一生懸命に働くようになる—て、ファンタジーだと皆、分かってきたということだろう。

 キリギリスはキリギリスでしかない。アリにはなれない。
 アリは、アリ。キリギリスはどこまで行ってもキリギリスなのだ。
 当たり前のことにやっと気がついたということだ。

 大きな実験だったといえば、そう言える。
 「アリの国」、「キリギリスの国」ごとに、それなりのハンディをつけるしかない。

 だから。
 おそらく、ギリシアは、ユーロ圏から離脱して、自国通貨を持つしか選択肢がない。

 以下、新聞から抜粋。

 ギリシャのユーロ圏離脱を回避するため、欧州は「防壁」を築いてきた。
 しかし離脱が現実となればユーロ圏の通貨、債券、株式は打撃を受け、金融市場はパニック状態に陥る。

 2012年にギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯びた時ユーロ圏から資金が流出したが、欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れ策が、離脱をめぐる不安を和らげている。
 しかし、ギリシャ新政権と国際債権団の協議は難航し、「グレグジット」の可能性が高まれば、市場が不安定化する。

 投資家はギリシャのユーロ圏離脱が現実となれば、通貨ユーロが下落し、海外資金は米英資産に退避、欧州株は下落する。
 また、投資家は回避のためドイツ国債を購入することから、低格付け国の借入コスト急上昇が予想される。

 4000億ユーロの資金を管理するa氏は、「投資家の多くはユーロ圏を離れるだろう。同様のことが起きた」と述べた。
 現在の支援策は28日に期限を迎えるが、オーストリア首相は、ギリシャの離脱がどれほどの波及効果を及ぼすか予測できないと述べた。

 投資家が「グレグジット」の脅威から身を守る措置を取っているという証拠はみられない。
 ロイター調査では、年内に「グレグジット」が現実になると考えるエコノミストは25%にとどまった。 
 ギリシャ以外の市場は、スペインやアイルランドも含め、大きな混乱は起きていない。

 ECBによる3月の量的緩和策導入が価格をさらに押し上げると予想し、ユーロ圏周辺国の低格付け国債への投資を続けている。
 ポートフォリオマネジャーは、ECBの量的緩和がなければ、ポルトガル、イタリア、スペインなどの借入コストは既により高い水準に達していただろう、と述べた。

 借入コストの上昇は、ギリシャのユーロ圏離脱が効果を及ぼし最終的にはユーロ圏の崩壊につながると懸念された2012年に起きたことだ。
 それ以降、ECBはユーロ救済のために必要な措置は講じるとの姿勢を示し、欧州の金融システムには健全性チェックが行われてきた。
 そしてECBは量的緩和(QE)を発表。
 これは債務の「相互化」に向けた行程表だと受け止められている。

 ただ、インサイトのc氏はECBの対応は十分でないかもしれないと指摘。
 「投資家心理のシフトが大きければ、ユーロ圏が受ける打撃を防ぐのではなく、和らげるだけの効果しかない」との考えを示した。

 投資資金がユーロ圏から流出し、下落しているユーロをさらに押し下げる可能性もある。
 続いて、ヘッジファンドがギリシャに次いでユーロ圏を離脱する可能性の高い国を標的にすることも予想される。
 ギリシャ以外で国債が唯一投機的等級のポルトガルが対象となることは明らかだ。


<市場下落に前向きな投資家も>
 2012年と異なる点は、 政治思想の波及も投資判断に影響を及ぼす可能性がある。
 スペインでは左派政党「ポデモス」が台頭し、総選挙を前にリードしている。

 ただ、「グレグジット」後の市場下落を前向きに受け止めようとする投資家も存在する。
 エコノミストJ氏は、欧州の成長は改善し、銀行融資は回復の兆しを見せていると指摘。
 QE開始も踏まえ、ユーロ圏株式の投資判断を「オーバーウェイト」に据え置いているとした。
 「下落すればどの市場でも買う。10%下げれば必ず買いを入れる」と述べた。

 ギリシャ離脱となれば、投資対象がユーロ圏内に限られている運用担当者らは安全資産ドイツ国債を購入するだろう。
 ただ、ドイツ国債の利回りはマイナス圏に下がっていることから、投資家は資金を投じて貸し出しを行っていることになる。

 ファンドのマネジャー、m氏は「金融市場でよく焦点となるのは恐怖と欲の対比だ」と指摘。
 「恐怖が強まれば、現在の水準でも国債は買われる」と述べた。



▲補足、感想など

 ギリシャの次は、ポルトガルということか。
 だから。
 自国通貨を採用して、通貨をど-んと安くすれば、例えば、日本からの観光客でも呼べるではないか。
 タイとかインドネシアからでもギリシャ、ポルトガルへ観光旅行で行こうとか考える。観光事業が活発になるだけで、国がボチボチ元気になってくるさ。

 あぁ、イギリスはポンドか。
 アレと同じようにしたらどうなのかな。

 記事では、ユーロ圏だけに投資となっているがどうかな。
 様々な手法で、例えば、日本株、日本円を買うとか考えているのではないのかな。
 だから。
 また、円高になる可能性があるということだろう。

 冒頭でふれた。
 「アリの国」と「キリギリスの国」が同一通貨を使うということ自体がそもそも無理なのだ。
 アリにはアリの、キリギリスにはキリギリスの国の「運営手法」があるのだ。
 そのところを見損なって、なんたら「ユーロ圏」なるものに入れてもらえば、お金が儲かりそう—とか、楽になりそう--とか「儚い夢」をみただけではないのか。

 いずれ、ユーロ圏は、バラバラにならざるを得まい。